3.王都グルメ日和!
朝――
宿の窓から差し込む陽射しに、フェルの耳がぴくりと動く。
「おはよう、フェル。今日は依頼、なしだぞ」
「……もふっ(ほんと?)」
「うん。今日は“観光とグルメ”のご褒美日! 王都に来たんだから、楽しまないとね」
◆王都中央通りの朝市
まずふたりが向かったのは、城下の《中央通り》。
魔導冷蔵の屋台には、王都名物の《光苺》や《月光チーズ》がずらり。
「試食どうぞ~! 朝採れ光苺、甘くて酸っぱくて、ぷちっぷち!」
「……もぐ。ん。おいしいっ」
フェルは耳をぴこぴこさせながら、苺の甘さににこにこ顔。
ユウも、いつになく顔がゆるむ。
◆《エリオン大食堂街》で昼食タイム
昼になれば、やっぱりここ!
エリオン名物の《大食堂街》は、各ギルドの出張食堂や王都老舗の味が並ぶ美食エリア。
「どれにしようか迷うな……」
「もふっ(にく、にくー)」
結局ふたりが選んだのは――
・《煮込みエルザの肉団子スープ》:数種類のスパイスと野菜が溶け込んだとろとろスープ
・《香草バターのチーズパン》:ギルドでも人気の定番パン
・《精霊林の若葉サラダ》:ルミル=ナアから届く、祝福水で育った希少野菜!
「はふっ……うまっ」
「……しあわせ……」
ふたり並んで、食堂街のテラス席でお腹いっぱい。
◆午後はゆるりと王都観光
午後は《王立魔法塔》の外観を見学したり、
《蒼銀の噴水広場》でアイスキャンディを舐めながらひと休み。
「ねぇ、あれ……精霊石でできてるのかな?」
「……きらきらしてる。ちょっと、ルミル=ナアみたい……」
ちょっぴり“懐かしい”ものを感じつつ、ふたりは風に吹かれて、のんびりと歩く。
◆夜:光の道を並んで歩く
夕方、灯りがともる王都の街角。
魔導灯が並ぶ石畳に、フェルの影がぽんぽんと跳ねる。
「今日は……ずっと、ユウと歩けてうれしかった」
「そっか。俺もだよ。明日からの準備もしないとだけど……今日は、これでいい」
ふたりは並んで夜道を歩く。
王都の街は、静かに包み込んでくれるようなやさしい光で満ちていた。




