表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正体は、街の外に置いてきました〜ギルド登録の地味冒険者と、街に現れる謎の職人の関係〜  作者: 流浪の旅人
(ルフェン公国)アルトレール編:商人と幻灯、もふもふの午後(商人ラウル:フェノ)
47/77

1.再会の街、風車亭へ

午後、エラナ=シルの森を出たふたりは、なだらかな丘陵を越えて、再びアルトレールの街へと戻ってきた。


いつかの道――けれど、少しだけ懐かしくて、少しだけ変わった気がした。


「……ただいま、って感じだね」


「もふっ(うん、なつかしい匂い)」


街の門を通り抜けると、賑やかな声と風車の回る軽やかな音が、ふたりを出迎える。


◆風車亭、再び


チェックインしたのは、前回と同じ宿《風車亭》。


「おや、また来てくれたのね」

受付の女性は微笑みながら帳簿をめくると、部屋の鍵を差し出した。


「今回は、少し長めの滞在かしら?」


「いえ、今度はちょっと、別の立場で動く予定でして」

ユウは軽く頭を下げる。


「今回は“商人”として、ね」


「……なるほど」

意味ありげに微笑む受付嬢に、フェルがくぅんと一声。


◆冒険者ギルド:再訪


夕方、街の中央にある冒険者ギルド支部にも顔を出す。


「やぁやぁ、おかえり!」


前回対応してくれた女性職員が、笑顔で手を振ってくれた。


「無事に戻ってこれたみたいで何より。次はどんな依頼を?」


「いえ、今回はちょっと……裏方寄りの準備で」


「ふふ、なるほどね。また何かあったら気軽に声かけてちょうだい」


変わらない空気に、ユウはほっとしたように頷いた。


◆部屋にて:ふたりの準備会議


夕食後の部屋、窓から入る夜風が心地よい。


「さてと……今回は“商人ギルド”に登録してみようか」


「しょうにん……? ゆう、あたまのうえでカリカリかくやつ、するの?」


「それは算盤じゃないかな……?」


くすりと笑ってから、ユウは仮面と小道具が入った袋を取り出す。


「仮面の商人《ラウル=ディス》。この街で活動するには、そろそろ別の顔が必要だからね」


「ラウル……ディス? ちょっと、しぶい」


「でしょ? でも中身は、ちょっとお茶目な交渉人、って設定でいこう」


フェルは肉球で「うーん」と頬をかきながら、仮面を見つめた。


◆ラスト:仮面の商人、街に立つ


夜が深まり、街角にて――


人々が眠りにつきはじめた時間、風車の影を背にひとりの男が静かに現れる。


仮面をつけた、落ち着いた青年。


その名は――ラウル=ディス。


「さて……この街で、何を買って、何を売ろうか」


仮面の奥の視線が、じわりと街を見渡した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ