2.森を越え、静寂の湖へ
◆朝、風車亭にて
「ごはん、今日も、おいしい……」
パンを頬張りながら、フェルはしっぽをふわふわ。
ユウは笑いながら、カップの湯を口に含む。
「うん、腹ごしらえはばっちり。さて、行こうか、フェル」
「うんっ」
小さな鞄と、ふたり分の旅装。
“風車亭”の女将に見送られながら、ふたりは出発した。
目指すは――
静けさと自然に包まれた街《エラナ=シル》。
◆ふたりと、旅の途中
森と丘を抜ける街道を、ユウとフェルはゆっくりと進む。
最初の目的地は、依頼で指定された橋だった。
◆橋の点検
古びた木橋を渡る前に、ユウは橋の支柱を魔力でスキャン。
「この辺、腐食してるな……応急処置しておこう」
道具を取り出し、補強魔法と木材パッチで修復を終える。
「もふっ(じょうず!)」
◆動物の監視記録
林の奥では、野生動物の足跡や噛み跡を見つけ、
ユウは魔導ペンでスケッチ。
「最近、北の斜面に動きが集中してるな……ギルドに報告しておこう」
フェルは周囲を警戒しつつ、しっぽを小さく揺らしていた。
◆ふたり、湖を望む道へ
2日目の夕方。
湖のきらめきが視界に広がる。
「見えてきた。あれが――エラナ=シル」
水と森に囲まれた、静かな街が広がっていた。
白い塔のような建物がいくつも立ち、魔導の気配が空気に漂っている。
「ここ……きれい。なんか、やさしい感じ」
「そうだな。風も、柔らかい」
街の門をくぐったとき、ふたりの旅がまた新しい段階へと進むような気がした。
◆ギルド報告と宿の夜
ギルド支部では、依頼の報告をスムーズに終える。
職員たちは丁寧に応対し、ユウとフェルに笑顔を見せた。
「よく来てくださいました。最近、周辺の動きが気になっていたんです。助かりました」
ユウは頷き、手短に成果をまとめた報告書を提出する。
その夜――
ふたりは宿の窓辺で、湖の反射光をぼんやりと眺めていた。
「ここ、好きかも」
「……うん、落ち着くな。なんとなく、静かだけど、あったかい」
湖面に映る月が、ふたりの旅をそっと見守っていた。




