ネット越えのコート
ストリートで乱入!レンジ参戦だ!
土曜の陽が低く伸びる。静かな道に影が落ちる。瞬がパジャマでベッドにドカッ。スマホを手に持つ。火曜の初日—レンジのサーブ、猫救出—が頭でグルグル。水曜と金曜はゆるい。授業と部活準備だけ。本番は来週だ。(今日はオフだ)と連絡先開く。白根レンジ(怪獣)。ニヤッと打つ。
「よおレンジ、明日部活あんの?バスケはオフ」
一分後、ブー。「ない。お前は?」
「俺もフリー。予定あんの?暇だから誘おうかと」
「予定ねえ。近所ジョギングする。春休みで体鈍った。何で?」
瞬がニヤッ。ガチャガチャ。「大したことねえ、退屈なだけ。学校近くのラーメン屋行きたい。一緒にどう?」
「数日前見た。良さそうだった。走った後なら」とレンジ。
「ナイス!終わったら電話な」瞬がスマホポイ。割れたバスケコート壁紙がチラッと消える。レンジとラーメン、いい感じ。でもジッとしてられねえ。窓見る。青空に桜がそよぐ。シュート日和だ。
色褪せたバスケT、灰のスウェット短パン、ボロスニーカーを引っ張り出す。机下からボール。擦れた革が手に馴染む。バッグ肩に。去年チャリで見つけたストリートコート。近所の中間だ。口笛でペダル漕ぐ。ボールがバッグでポンポン跳ねる。
コートは寂れた道脇。草ボーボー、フェンスがダルン。風が電車の音を運ぶ。瞬がチャリをフェンスに。ボール持ってひび割れ舗装へ。ボールがコンクリに跳ねる音が響く。ドリブル二回。ニヤッ。「カリーのスリー!」ボールが高すぎ—ガシャン、リム外れ、草にコロコロ。「ちっ、ブロック都市」と追いかける。
もう一発。「コービー!」と手首弾く。スピンしてバックボードにキス—ポール直撃。瞬がウッと腰に手。「俺、今日ゴミだな」でも続ける。ドリブル、狙い、シュート、外す。汗がキャップ下で髪をベタつかせる。(下手でもこれが好きだ)
後ろでガサッ。瞬が振り返る。ボール脇に。四人の大学生風がノソノソ。デカくて生意気。ジムバッグ肩に。リーダーが195センチ、マッチョ。ゆるい灰フーディに黒T、濃いジーンズ。重いスニーカーでボールを回す。ニヤッと近づく。「おいガキ、コート独り占めか?」
瞬がキョトンとする。苦笑いを浮かべ、「スペースあるだろ?遊んでるだけ」
デカ男がフンッと鼻で笑う。(このチビ、場違いだ。楽勝だろ)と瞬を値踏み。「遊んでる?外しまくりだろ。『コービー』って何だよ、ホットショット気取りか?」
他の三人が笑う。コートに広がる。長髪の細身、180センチ。肩までの黒髪をゆるポニーテール。薄いデニムジャケット、白シャツ、黒パンツ。袖まくりで編みブレス見える。瞬のリバウンド奪って硬く投げる—スイッ。「こうやるんだよ、チビ」とニヤッ。(笑いもんだ。すぐ追い出す)
瞬の笑みが消え、真剣な顔に変わる。ボールをギュッと握りしめる。「俺、邪魔してねえよ」そう言って、冷静に相手を見つめる。
「落ち着け?」デカ男が迫る。ニヤッが広がる。(口答えか。楽しめそうだ)と首鳴らす。「ここはお前のお遊び場じゃねえ。消えろ、本物のボールやる」
「俺が先」と瞬、声鋭く。脈がドクッ。(こんなことで動じる俺じゃねえ)
三人目、175センチのがっしり。短い茶髪。緑の派手Tに黒ジャケット開け、灰のカーゴパンツ。ベルトにキャラキーホルダー揺れる。瞬のチャリをガッ。倒してガシャン。鎖がジャラッ。「おっと」と嘲笑。(泣いて逃げるだろ)とニヤッ。「チャリで帰れよ?」
「バスケやる資格ねえよ」とデカ男。「下手くそだ。やめちまえ—ゲームでもやっとけ」
瞬が歯を食いしばり、口元に冷徹な笑みを浮かべる。「下手なの分かってる」と低く、落ち着く。「でもバスケやめる?それだけはねえ。どかせよ、力で来い」
デカ男がニヤッを歪める。(ナメやがって)と拳がムズムズ。「タフ気取りか。唇割ってやる」
数街先。レンジがジョギング。イヤホンで黒フーディが汗濡れ。灰ジョガーがシャカシャカ。春休みで緩んだ体を締める。スニーカーがトントン。瞬の声—キレ気味—が聞こえる。減速。見ると瞬がボロコートで囲まれる。四人のデカ男。チャリ倒れ。
デカ男が拳を上げる。瞬が構える。そのまま引かねえ。殴られる前、レンジが道をダッシュ。脚がバネ。間に入り、デカ男の手首をグッと掴む。その力強さに、デカ男は一瞬足がすくむ。
「何だ—?」デカ男が引く。よろける。レンジの茶目がガンッ。(何だこの気迫)と腹が締まる。緑シャツが下がる。目パチッ。(ビビらねえ—何者だ?)
「下がれ」とレンジ、冷たく平坦。瞬の前に立つ。動かねえ壁。
瞬がキョトン。「レンジ!?」
「何だこのバケモン」と長髪、声裏返る。レンジの目がチラッ。鋭くてブレねえ。(殴るのやめとこ、ヤバい雰囲気だ)とボール捨て、手震える。
レンジが瞬をチラ見。「大丈夫か?」
「おう—まあな」と瞬、腕擦る。睨む。「こいつら、コート俺の物って」
緑シャツが笑う。強がりだ。足がモゾッ。(護衛の目が怖え。想定外だ)とレンジの立ち姿。「可愛いな、護衛付き。ヘタクソなのは変わらねえよ」
レンジの眉ピク。「お前らが小さい奴狙うのも変わらねえな」
デカ男が胸張る。(主導権取るぞ。でも何だこのオーラ)と喉ゴクリ。「お前のケンカじゃねえ、デカ男。どけ」
「かもな」とレンジ、瞬のボール拾う。重さ試す—バレーより重い。跳ねは馴染む。「でも俺がいる」
四人目、178センチの細身。色褪せた紺キャップ逆。灰スウェットに濃いジーンズ。イヤホン首に揺れる。進むが止まる。首擦る。(引かねえ—殴り合いやめとこ)と脈ドクッ。デカ男が声を荒げながら、「何だ—警察呼ぶか?それとも—2対2で決めねえ?タフ気取りか?」
レンジがボール一回跳ね。目細まる。「泣かねえ。口だけの奴が嫌いなだけ」
デカ男が笑う。キツくてヒビ割れ。(まだ俺のもんだ。負けねえ)と気張る。「おお、受けて立つぜ。かかってこい」
キャップが手を上げ。声早い、震え気味。「待て—2対2だ。ここで。俺らとお前ら。先に3点で勝ち、コートは勝者の物。…そのデカさ潰さなくていいだろ」とニヤッ。目がレンジに。(潰されるよりマシ)
瞬がレンジに近づく。囁きキツく。「待て—バスケできんの?」
レンジがボール指で回す。声低く。「体育でやっただけ。大体忘れた」
瞬の目がキラッ。ニヤッ。「俺には十分だ」
デカ男が割込む。声デカく耳障り。「何だよ、コソコソ。降参の相談か?」
レンジが静かに立ち上がり、ボールをもう一度跳ねさせる。冷徹な声で、「お前らをコートで黙らせる」と瞬をチラ見。薄くニヤッ。「お前、このゲーム好きだろ?黙らせようぜ」
瞬が爪先で跳ね、拳緩む。ニヤッ広がる。「乗った、クソ野郎ども」
デカ男がボール投げ上げ、ニヤッ戻る。(ハッタリだ。潰す)とビビり払う。「デカい口だ。お前が相方ほどゴミじゃねえといいな」
コートがビリつく。大学生がニヤッ—キャップはビクッ—瞬が歯食いしばりニヤッ、レンジがどっしり。2対2、先に3点。ボールがセンターにコロッ。目がロックオン。
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