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パンッ!

同じクラスで昼飯!部活初日もキター!

レンジが1-2のドア脇に立つ。鋭い目が瞬とバチッと合う。瞬が歩きかけでコケそう。机にドンッと手をつく。昨日—体育館前の転倒、レンジのゴミ箱ガシャン、逃げ足—が頭に残る。今、同じクラス。どう誤魔化すか分からねえ。(ありえねえ)と二人、心でシンクロ。パスミス並の重い空気。


瞬がニヤッ。「お前、えっと…ゴミ箱の奴だろ」


レンジがジト目。「うん」


一瞬。静寂が伸びる。瞬の笑みが揺らぐ。「お、おう。同じクラスな」返事なし。咳払い。机が急に気になる。気まずさがビリビリ。


レンジがバッグを肩にずらす。(よりによってここかよ)と窓際の席へ。長い足が机に窮屈。外見る。知らないキャンパス。体育館がボヤッ。あいつを避ける。


瞬がバッグ下ろす。鉛筆いじる。(あいつと一緒か。変な感じだな)とレンジの背中をチラ見。教室が新入生の声で埋まる。でも二人の間はスポットライト。見ない。喋らない。ただ…いる。


ドアがガラッ。加藤先生が入る。細身でメガネ、クリップボード持つ。「静かに!俺が担任の加藤だ。点呼と自己紹介、さっさと行くぞ」と手をパンッ。


緊張が弾ける。クラスが落ち着く。瞬が「やっと」と呟く。レンジがシャキッ。ホッとする。


順番に立つ。瞬が跳ねる。「田中瞬、古城中出身!バスケが命。カリー大好き、史上最高のシューターっす!」とジャンプシュートポーズ。ニカッ。


「田中!」と加藤、ドライに笑う。「NBAドラフトじゃねえ。座れ」


瞬が笑ってドサッ。「よろしくお願いします!」


レンジが呟く。「バスケか。昨日納得」と指で机トントン。(よく喋るな)


数席後、レンジが立つ。教室を見下ろす。「白根レンジ、横龍中出身。バレーやる。部に入る。よろしくお願いします」声は平坦、恥ずかし気。座る。目を逸らす。


瞬が前のめり。「バレー?あの体格か。絶対うまい。階段五段飛ばし余裕だったし」と呟く。


午前がダラダラ。プリント、ロッカー、廊下走るな。昼のチャイムで皆ダッシュ。瞬は残る。レンジがバッグ持って出るのを見る。


「おい、白根!」と瞬、追いかける。「昼どうすんの?食堂ヤバそう」


レンジが振り返る。「予定ねえ。まだ分からん」


「俺も!中庭は?来る時見た」と瞬のノリが気まずさを押す。レンジが頷く。ついてく。


中庭は静か。木の下のベンチ。コンクリが擦れてる。瞬がドカッ。弁当出す—ご飯、玉子焼き、唐揚げ。レンジが向かいで米、焼き魚、漬物。


静寂が続く。瞬が突き抜ける。「バレーか。昨日、階段五段飛ばしすげえ。うまいだろ?」


レンジがモグモグ。スマホでチーム写真出す。中央でMVPトロフィー持つ。仲間がニコニコ。「いいチームだった。楽だったよ」


瞬が目パチッ。箸止まる。「お前、トロフィー持ってる!」


レンジが肩すくめる。「写真で立っただけ」


「でもカッコいい。俺、スタメンじゃなかった。ベンチばっか。勝負所ってどんな感じか気になる」と瞬、唐揚げパクッ。ニヤッ。「お前、絶対決めたな」


レンジが小さく「ふーん」。「やるだけ。打つ、守る、セット、何でも」


「好きな技ねえの?」


「いや。何でも」と瞬をチラ見。「バスケって言ったな。スタメンじゃねえのに何で?」


「ゲームが好き!カリーのスリーにハマった。スターじゃねえけど、ここで頑張る」と瞬、シュートポーズ。笑う。「どこかで始めねえと」


レンジが首傾げる。「カリー…すげえ奴なんだな」


チャイムで終わり。片付ける。気まずさが薄れて戻る。


放課後、体育館がザワつく。バレーとバスケで分かれる。ロッカーで工藤大知—198センチ、バズカット、三年センター—練習着着る。葉山翔吾、二年が紐結ぶ。


「葉山」と工藤、低く。「昨日、体育館近くでデカい新入生見た。壁みたいだった。うちに欲しかった」


葉山が目鋭く。「工藤先輩、取り逃した?痛いっすね」


工藤が膝サポを直す。「ああ。バレーに持ってかれた」


バレーコート。高田純が手をパンッ。「新入生、自己紹介!名前、ポジション、目標。行くぞ!」


ビビる一年がグダグダ。レンジが立つ。黒い練習着に赤ライン、短パン。細マッチョが準備万端。「白根レンジ。どこでもやる—ブロック、ヒット、何でも。目標は勝つこと」落ち着きにザワッ。


「横龍のMVPじゃん!」と誰か、肘でつつく。「やべえぞ!」


高田がニコッ。「ようこそ、白根。見せてくれ」


体育館反対。バスケチーム集合。キャプテン中村陸が中央。三年、178センチ。短い黒髪、少しウェーブ。鋭い灰色の目がシューターの集中力。龍鳳トラックパンツ、黒に赤ライン、エンブレム。袖まくり、ストレートなリーダーだ。「新入生、自己紹介。名前、ポジション、何したいか」


一年がボソボソ。瞬が跳ねる。トラックパンツ、キャップがヘアバンドに。「田中瞬!どこでも—ガード、フォワード、何でも。いつかスタメン入りたい。カリー大好き、最高のシューター!」


中村がニヤッ。「おう、カリー好き。レンジ見せてみ」


皆が笑う。中村がパンッ。「先輩、ドリル。新入生、サイドで石橋と」


先輩が走る。石橋春樹が新入生に手招き。三年ポイントガード、170センチ。短い黒髪がトゲトゲ。鋭い茶色の目がキラッ。トラックパンツ大きめ、袖がダボッ。元ベンチのガッツだ。「おい、新人、ボール持て。ドリブルだ」


瞬らが基本ドリル。石橋がコート指す。「あれが中村陸。キラーシューター、フリーにすんな」


中村がコーナースリー、スパッとネット揺らす。瞬が目パチッ。(マジかよ)


石橋が続く。「森啓太、二年フォワード、180センチ。ミドルうまい、スリーも打つ、ドライブも強い」と森—細身、短い茶髪をポニーテール、緑の目が鋭い—ジャンパー決めてレイアップ。ジャケット開け、白いシャツ。スムーズな万能派。


「工藤大知、三年センター、198センチ」と石橋。工藤がロブをズドン。「リバウンド、ブロック、ダンク—汚い仕事。今は固い」


瞬がドリブル加速。(このチーム、パワーあるな)


「で、フェードカットの葉山翔吾。田中、カリー好きならあいつだ」と葉山がハーフコートスリー、ズバッ。瞬がアゴ落ち。(すげえ!)


石橋がニヤッ。「俺、石橋春樹、三年ポイント。元ベンチだから分かるよ。速く動く—プッシュ、スプレッド。インターハイ、あと一試合だった。こいつら本物だ」


瞬が頷く。頭ぐるぐる。スコアラー、プレイメーカー、中が強い。工藤がペイント守り、中村と葉山がどこでも打つ。森が両端うまい。でも何かおかしい。


ドリブル強める。ボールがバンバン跳ねる。(全部揃ってる。無敵じゃねえとおかしい。でもインターハイ落ちた?)


腑に落ちねえ。石橋が自分語り中、瞬の目がコート彷徨う。派手で上手い。勝てるチームだ。でも引っかかる。


腹が締まる。ドリブル中で気づく—真のディフェンダーがいねえ。相手をロック、攻めを止める、苦しい時の壁がいねえ。点は取れる。でも守れねえと意味ねえ。インターハイ逃した理由だ。点取り合戦に頼りすぎ。ゲーム遅くなると脆い。


考えがまとまる瞬間、バレーの音。


「パンッ!」


レンジのサーブがコートに炸裂。跳ねる。瞬のドリブルが乱れ、ボールがコロコロ逃げる。


体育館が凍る。バスケ、バレー、剣道、皆振り向く。


葉山が見る。「あいつか?」


工藤が頷く。「ああ。そいつだ」少し考える。「体育館の反対側なのが惜しいな」


ボールがレンジの足元で止まる。彼が無造作に片手で拾う。ピタッ。体育館が静まる。森が笛を噛む。石橋の眉が動く。瞬の心臓が跳ねる。(何だ、今のサーブ…!) すげえ。言葉にならねえ。

レンジのサーブやばい!次どうなる?X: @RyuhoBasketballで感想くれ!

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