対戦表
龍鳳高校体育館
体育館がシーンと静まり、午後の陽射しが天窓から差し込み、磨かれたコートに金色の筋を投げる。スニーカーのキュッが止まり、池田カントクのドスドスした足音に変わる。手に握られた一枚の紙—みんなが待ち焦がれたインターハイ予選の対戦表。選手たちはストレッチの途中でピタッ、コーチに目が釘付け、空気がビリビリ緊張で張り詰める。
工藤大知はベースライン近く、腕組み、ガタイがガチッ。(やっと見れる。中村のムカつく匂わせで昨夜まともに寝れなかったぜ。)顎がギュッ、昨夜の電話をリプレイ。
石橋春樹はリストバンドをクイッ、いつものニヤけ顔なし。(俺と工藤、中村、最後の年だ。インターハイ、絶対外せねえ。)
白根レンジはバスケットボールをガシッ、鋭い黒目が紙にチラッ。(これ、マジで現実だ。俺、バスケやってんだ…)胸にズシッと重圧、コートがめっちゃ広く感じる。
田中瞬がレンジの背中をポン、ニヤッと温かく。「よお、レンジ、どうした?もうビビってんの?」
レンジがハア、声低く。「うん、重圧感じ始めてる。」
瞬が手を振って、グイッと近づく。「ま、大丈夫だろ。バレーでMVPだったじゃん。大舞台、慣れてんだろ?」
森啓太、近くでボール投げて、珍しくニッコリ。「そりゃその通りだ、レンジ。お前、ビビってるの見たことねえ。白陽戦の大事な場面でも動じなかったじゃん。」
レンジが眉ギュッ、ためらい。「あれはただの—」
瞬が遮って、目がキラッ。「いやいや、レンジ。あのプレー、どんな舞台でも通用するぜ。」
森がボールを指でクルッ、クスクス。「だな。つーか、5万のバスシュ履いてる奴の言うこと、聞いといた方がいいぜ。」
瞬の顔がポッ、手ブンブン。「おい、これ、葉山先輩からのプレゼントだから!」
池田カントクの声がドカン、雑談をぶった切る。「もう知ってる奴もいるだろ…対戦表、決まったぞ。これがそのコピーだ。」紙を掲げ、キリッとチームを見渡す。「見ておけ。」
中村陸に紙を渡す。選手が群がり、首伸ばして名前を覗く。山田海斗と斎藤春人がグイッと近づき、中村の肩にゴツン。
中村がチラッ、声ドライ。「おい、ちょっと狭えぞ。」
山田と斎藤がサッと下がり、「すみませんでした、先輩」とボソボソ。
瞬が中村の肩越しにチラッ、初戦の相手見て眉ギュッ。「鬼道高校?聞いたことねえ。どんなチームだ?」
工藤がガバッ、目がバッチリ開く。「鬼道だと?!」
西田健太がメガネクイッ、興味津々。「知ってるんですか、工藤先輩?」
工藤が一瞬固まり、頭ポリポリ、ニヤッと気まずそう。「いや…全然知らねえ。」
体育館が「ハァ?!」とドッカン、笑いとツッコミが爆発。瞬が手をバンッ、呆れ顔。「なんだよ!めっちゃ気合い入ったフリしてんじゃん!」森がニヤッ、首振る。山田と斎藤がクスクス。中村まで目ひん剥いて、「バカ」とボソッ。(コイツ…)工藤のニヤッがデカくなり、悪びれねえ。
石橋が体育館の壁に寄りかかり、声落ち着いて重く。「知られてねえのは、鬼道が出場禁止だったからだ。」
中島優斗がキョトン、ビックリ。「出場禁止?なんで?」
石橋の目が細まり、声ガチッ。「昔、ニュースで見た。鬼道、不良の巣窟だぜ。バスケもサッカーも、試合でガチのケガさせまくった。」
中村が頷き、顔が暗く。「調べた。コート以外でもヤバい。スリ、喧嘩、何でもあり。千葉のワイルドデーモンって呼ばれてるワケだ。」
山田海斗の目がデカッ、声震え。「でも、なんで今、戻ってきてるんすか?」
斎藤春人が頷き、続く。「だよな、なんで?」
佐藤陸が首ポリポリ、希望的に。「変わったんじゃね?いい生徒になったとか?」
中村の唇がピクッ、ニヤけ半分。「禁止期間が終わっただけだ。変わったかどうかは、俺らの目で確かめる。」
葉山翔吾が中村の後ろにスッと忍び、紙を覗いて指差す。「それより、これ見ろよ。3回戦、極円高校だ。」
中村の目が名前にピッ、声落ち着いて鋭く。「ああ、そりゃその通り。鬼道で時間食ってる場合じゃねえ。本当の勝負はそこだ。」
その言葉がブザーみてえに響き、体育館にゾクッと寒気が走る。先輩—工藤、石橋、中村—がグッと背筋伸ばし、覚悟が鉄みてえに固まる。新入生はモゾモゾ、腹に緊張がグイッ、極円の名前が耳にガンガン。
レンジのボール握りがギュッ、頭に名前がパッ。(立花黒樹…)脈がドクドク、コートのラインがぼやけ、覚悟がグッと深まり、胸で決意の火花がバチッと点く。




