登校初日
初日キター!部活勧誘と運命の再会!
高校初日が来た。レンジも瞬も眠れなかった。ワクワクと緊張、明日への引力でゴロゴロだ。瞬は眠そうな目でノロノロ歩く。レンジは死にそうな顔でトボトボ。
瞬が早めに着く。顔をゴシゴシ。校門くぐるとカオスだ。先輩たちがチラシ振って叫ぶ。部活勧誘がフル稼働。
「オイ!チェス部入れ!大会出れるぞ!」と声。
「え?いや、いいです」と瞬、手を振る。
「アニメ部!毎週上映会—」と別の声。
「趣味じゃないんで!」と返す。
「音楽部!やってみたく—」とまた。
「パス!」と瞬。
次々、非スポーツ部が群がる。スポーツ部はチラッとも見ない。アスリートっぽい新入生はサッカーや野球に即連れ去り。(俺ばっか何でだよ?)と瞬、ため息。チラシ避ける。(バスケっぽく見えねえけどさ、スポーツ部くらい声かけろよ)
逃げようと振り向く。ドン。誰かにぶつかる。
「うわっ!」瞬がよろける。「す、すみません!」と頭下げる。
相手は動じない。葉山翔吾、二年。173センチの細身。ツーブロックの髪がキレイに整う。サイド短くトップ長め。落ち着いた灰色の目が瞬を値踏み。ニヤッと笑み。龍鳳の制服—紺ブレザー、白シャツ、紺ズボン、赤ネクタイ。ネクタイ緩め、余裕のサインだ。ブレザー直す。バスケ部申請書が朝日に光る。
「部活決めた?」と葉山。
(また勧誘かよ)と瞬、心でうんざり。適当な売り込みだろ。
「いや、バスケ部入りたいんで」と早口で下がる。
「待て—」と葉山。
「興味ないっす、すみません」と瞬、頭下げて逃げる。
襟をガシッ。引っ張られて止まる。
「待てって言っただろ」と葉山、淡々。
瞬がムッとして振り向く。固まる。
バスケ部申請書。デカい文字。
「お前…バスケ部?」と瞬、驚きが苛立ちを塗り替える。
葉山がため息。「言おうとしたのに逃げるからだろ」
瞬が顔熱くする。「あ…俺のミス。別の部活かと」
「そりゃそう見える」と葉山、申請書渡す。「記入して2-3に持ってこい」
瞬が受け取る。重みが手に乗る。
「部へようこそ。葉山翔吾、二年」と彼。
瞬がシャキッ。「田中瞬、一年。よろしくお願いします」
葉山がニヤッ。「次は逃げるなよ」
瞬が笑う。彼を見送る。申請書をポケットに畳む。(マジでバスケ部入るんだ)
一方、レンジ着く。すぐ群がられる。野球、サッカー、柔道、陸上—メジャー部活が奪い合い。他の新入生はスルー。
(主人公ってこんな感じ?)とレンジ。囲まれる。(もう契約出す勢いだな)
「野球は?その腕の長さ—」と一人が。
「いらない」とレンジ。
「サッカーならキーパー—」と次。
「パス」
「柔道は?体格いい—」とまた。
「興味ない」
断っても止まらない。校庭向こうに知った顔。コンビニのデカい奴。工藤だ。198センチの巨体。バズカットの黒髪、少しウェーブ。深い茶色の目が静かに光る。新入生をビビらせて低く話す。龍鳳の黒いトラックパンツ、赤ライン、エンブレム。朝練のままか。
レンジが人混み抜ける。「お前、バレー部か?まだ勧誘見てねえ」
工藤が振り向く。少し見下ろす。眉寄せて気づく。
「バレー?体育館にいるだろ」と工藤。
レンジが頷く。「サンキュ」歩き出す。目標ロックオン。
工藤が見送る。「バレーか…」と呟く。微かな残念さ。
レンジは逆。(あのデカさ、守備で壁だ。バレーやってりゃ組めたのに)
体育館近づく。バレーボール持つ奴が目に入る。(あそこだ)足早める。
「バレー部入りたい」とレンジ。
相手がキョトン。すぐニコッ。高田純、三年。178センチ。短い茶髪が乱れる。朝練の跡だ。温かい茶色の目がキラッ。がっしり体型。龍鳳制服キッチリ。ネクタイにバレーピン。キャプテンの証。「バレーニュースで見たぞ。横龍中のMVPだろ?」
レンジが頷く。「うん」
「やっぱ!すげえ—でも何で龍鳳?」と高田。「強豪じゃねえぞ」
レンジが肩すくめる。「家近いから」目がブレない。「申請書どこだ?」
高田が真っ直ぐさに笑う。カバンから出す。「ほい。高田純、三年。バレー部キャプテン」
レンジが両手で受け取る。「白根レンジ、一年。よろしくお願いします、キャプテン」
チャイムが鳴る。授業だ。
「3-1に今日持ってこい」と高田。
「了解、キャプテン」別れる。レンジが振り返る。「あの、キャプテン!1-2ってどこだ?」
高田が指す。「2階」
「サンキュ」レンジが階段駆ける。一気に五段飛ばし。
瞬が目撃。(何だあの跳躍力!)気づく。(待て…まさか)
レンジがドア前で止まる。入る。
1-2。
瞬の口がピクッ。(うそだろ)
瞬も1-2へ。目が合う。昨日、体育館前みたいだ。瞬が足止める。レンジの目が細まる。
一瞬の静寂。
同じ考えがバシッとパスみたいに刺さる。
(ありえねえ)
同じクラス!? 次で部活が動き出すよ!X: @RyuhoBasketballで反応待ってる!