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普通の男子高校生、色々あってハーレムの主になる~記憶を失くした神様が十二人の花嫁と幸せになるための話~  作者: 没
剣を創りに行っただけなのに

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精霊たちの気持ち 前編




ただひたすらに()る気満々(まんまん)だった"反サクヤ派"の精霊たちを容赦(ようしゃ)なくボコった後、俺たちはエリアの中央にある丸型テーブルに戻って来た。

はぁ、疲れた・・・・・・。

まさかあそこから、一時間近くぶっ続けで精霊たちと戦うハメになるとは思ってなかったなぁ。

イフリートに勝ったことで彼女が俺側に着き、頭の居なくなった"反サクヤ派"の精霊たちも大人しく納得してくれるかと思いきや、そこからが酷かった。

イフリートを味方にしたことでさらに彼らのヤル気に火を(とも)してしまい、倒しても倒してもゾンビみたいに起き上がるわ起き上がるわ。

血涙(ちなみだ)を流していたやつや、何やら怨嗟(えんさ)のこもった言葉をブツブツ呟きながら襲いかかってきたやつなんかもいたな。

結局最後の最後まで誰も諦めることなくしがみついてきた。

いくら俺が本気ではないとはいえ、君たちタフ過ぎない・・・・・・・・・?

そしてついにこれを見かねた・・・・・・と言うかあまりのしつこさにムカついたフィアが、全員をあっという間に叩き潰してこの勝負は終了した。

俺の代わりにお怒りなフィアが前に出た途端(とたん)、精霊たちが一斉に引きつった顔になったのはちょっと面白かったかも。

ものの数分で地面に死屍累々(ししるいるい)と倒れた彼らは、最後に"非リア同盟に栄光あれ・・・・・!"と呟いてパタッと気絶していた。

さすがにちょっとやり過ぎた感はあったけど、まあ彼らには良い薬だってことで!


『パパ、どうしたの〜?』

「いんや何でもないよ」


俺の膝の上に座ったウンディーネが、コテンと肩に頭を預けて上目遣いで聞いてくる。

苦笑いしながら横に首を振り頭を撫でると、ウンディーネは気持ちよさそうに目を瞑って幸せそうな吐息を漏らした。

さーて、面倒なことも終わったことだし、本来の目的を果たしちゃいますか!


「皆の新しい名前考えなきゃな」

『待ってました、なの!』

『良い名前求む・・・・・・』

『こら、シルフィ雲から降りなさい?』

『・・・・・・・ふんっ』

『『楽しみ〜!』』


円卓を囲む皆がワイワイと盛り上がる。

イフリートだけそっぽを向いているが、べつに嫌と言う訳ではなさそうなので、とりあえず良しとしよう。

そうだよね、俺が付けた名前がこれからずっと使われたり、人に呼ばれたりするんだもんね・・・・・・うわぁ、改めて考えると責任重大だ。

まぁ、フィアに名付けた後に言うことじゃないんだけど。

適度に気楽に考えよう。

円卓に座った皆からの視線を感じながら、何か良い名前がないか思考を巡らせる。

・・・・・・・・・・・・・・・・しまった、事件発生。

俺の名前のレパートリーとかセンスが皆無だった!

いやいや、絶対に何かあるはず──────────────。


「・・・・・・・・・よし!」


必死に考えた結果、全員の名前が何とか思い浮かんだので、早速皆につけて行くとしようか。

ちなみに適当だろ、っていう指摘は受け付けません!受け付けないったら受け付けない!



        ◇◆◇◆◇◆



      火の大精霊の場合。



「火の大精霊イフリート。君の新しい名前は"フレア"だ」


ポウッと繋がった掌に光が灯ったかと思うと、それは徐々に私の身体全体に広がっていき、やがてその全てを包み込んだ。

すると温かい光は収束して私の内に溶け、この力の主である"彼"との繋がりをより強固なものにした。

そのくすぐったいような感覚に口元が緩みそうになるけど、私はそっぽを向いたまま何とか平静を保とうとする。

今この顔をサクヤに見られたくないよ・・・・・・・!

私自身もどうして自分がこんな気持ちになっているのか分からない。

でも自分がどんな表情をしてるかくらいは分かるから、絶対にサクヤと目を合わせることだけは避けなきゃ。

サクヤが離れるのを待ってから、私は大きなため息をついた。

・・・・・・・・・・温かかったなぁ。

離された掌には、まだサクヤの温かさが残っている。

私、何でこんな気持ちなってるんだろう・・・・・・・。

今まで感じたことの無い気持ちが、止まることを知らず次から次に溢れてくる。

そんなことないって思いたくても止まらない。

いつもの私なら、きっと今日は色々あったから疲れているんだとか、言い訳がましいことを言っていただろうけど。

今日はそんな事を言ってる暇がないくらい、ずっとドキドキしている。

そうだよ、あの時思わず言いかけたのだって本当は・・・・・・・・・。

まったく、サクヤがあそこまで鈍感だとは思わなかった。

たしかに私もまだこの気持ちは整理がついてなくてあやふやだけど、少しは気づいてくれてもよかったじゃん!

私は複雑な気持ちで顔を逸らしたまま、ディーネの元に戻っていくサクヤをチラッと見るのだった。




まだサクヤは気づいていない。

本人はあやふやだと言っているけれど、明らかにフレアの彼を見つめる瞳は───────────。



        ◇◆◇◆◇◆



      水の大精霊の場合。



ディーネは今まで、胸にぽっかり穴の空いたような寂しさを感じてた。

理由は何となくわかっていて、きっと生まれた頃から親と呼べる人が周りに居なかったからなの。

皆もそれは同じだけど、ディーネはみんなに比べてちっちゃく生まれちゃったせいで、もっとそう言う気持ちが大きくなってるんだと思うの。

いつまでもこんな風じゃダメだってことは分かってる。

"大人"にならなきゃいけないっていうのも分かってる。

それでもディーネは、この気持ちを何とかしてくれる温かい存在を探してた。

ずっと、ず〜〜っと。

そしてついに、奇跡は起こった。


『これから私たちの主となる、サクヤさんです』


ユグドラシルが連れてきた、女の子と見間違っちゃうような可愛い男の人。

一目見て、ディーネはズガーンッて雷が落ちたみたいな衝撃を受けたの。

もちろん良い意味でだよ?

この人なら・・・・・・うぅん、この人じゃなきゃダメなんだって思ったの。

ディーネはすぐにお兄ちゃんのところに行って、"パパになって!"ってお願いしたの。

そしたらね、笑顔でいいよって言ってくれたの!

むふ〜、うれしい!

しかもね、"スーティラ"って言う新しい名前もくれたの!

そのあとパパが言ってたんだけど、最初からディーネの視線には気がついてたんだって。

娘のそういうのに気がつくのもパパの務めなのです!

やっぱりディーネとパパの相性はバツグンだね!

・・・・・・・・でもね、パパが思ってるのとはちょっと違うんだよ?

パパは憧れとか、そういう風な事だと思ってるけど、本当はそうじゃなくて────────────。



       ◇◆◇◆◇◆


      風の大精霊の場合。



彼との出会いは、ボクが草むらから引き抜かれた時だった。

・・・・・・・おい、誰だ最悪の出会いとか言ったやつ。

出てこい相手してやるぅ!

・・・・・・・・まぁいいや。

さくにぃも最初は驚いてたけど、何やかんや言いながら結局はかまったりお菓子をくれたりした。

しかも手作りだと・・・・・?

女子力高いな。

クッキーうまうま〜。

なんて事だ、こんなに世話焼きで家庭的で女子力も高い、ボクのダラダラスローライフのお供に適した人は他に居るだろうか。いや、居ない!

というわけでさくにぃはボクのもんだぁ!

おいこらユグドラシル、早速さくにぃを奪おうとは良い度胸じゃないか。

・・・・・・・・んぅ?なんか今モヤッとしたような・・・・・・・・。

いつもはこんな事ないのに・・・・・・おかしい、寝不足?

とりあえず一旦それは置いておいて、ムカついたので抵抗。

え?ゴロゴロしながら言っても説得力ない?

ふぅ、文句が多いなぁ。

しょうがない立ってやろうじゃないか。

さくにぃカモン!

・・・・・・よいしょ、よいしょ・・・・。

さくにぃに手伝ってもらって雲に乗る。

これでどうよ。

キメ顔でそう言ったら呆れられた。

何故だ解せぬ。

むぅ、ユグドラシルなんかにさくにぃは渡さない。

と言うか、ユグドラシルなんて相手にもならない。

さくにぃはもうボクのもの。

ユグドラシルと威嚇し合っていると、ボクを探していたというノームが来た。

皆が待っていると言うので、しょうがないから円卓の元に行くことにした。




・・・・・・・・・・・しまった、さくにぃの事を甘く見ていた。

ディーネのあの瞳、さくにぃは気づいてないみたいだけど、あれは・・・・・・・。

シェイドやルーチェだって。

"アイラ"っていう新しい名前をくれたのは素直に嬉しい。

だけど・・・・・・・・むぅ、ここまで皆があからさまだとさっきは誤魔化せたけど、この気持ちを抑えられそうにないな・・・・・・・。

さくにぃ恐るべし!






今回はこの3人だけです!

何でかって?単純に私が寝落ちして書き終わってないからです、すみませんでしたァァァァ!!

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