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普通の男子高校生、色々あってハーレムの主になる~記憶を失くした神様が十二人の花嫁と幸せになるための話~  作者: 没
夏だ!海だ!神殿だぁ!

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違和感



いつもより短めですすいません!




「そ、そろそろ桃花手伝いに行ってくるよ。膝枕ありがとね」

「え〜、もうちょっとゆっくりして行ってもいいのにぃ・・・・・」

「そうしたいのは山々なんだけど、桃花たちも待ってるだろうし、さすがにもう動かないとダメ男になっちゃうからさ」

「別にダメ男でも良いんだよ?おねーさんが一生養ってあげるよ?」


それはもはや紐じゃん。

そこまで思ってくれてるのは素直に嬉しいが、俺が行かないと桃花たち料理組は人数不足になってしまう。

ただでさえ料理できる人が少ないのに、さらにそこから減れば残りの人の負担が大きくなっちゃうからね。


「うぅ、咲夜君優しい・・・・。な、なら私は我慢して送り出さないと・・・・・!」

「ちょ言動と行動が一致してないよ!?気持ちは分かるけどズボンは引っ張んないで!?」


我慢すると言いながらも、立ち上がった俺の腰に手を回してひっつき離れようとしない、未練タラタラな様子の美海。

逃げようとする度に引きずられるようにずるっと下にずれるため、これ以上動くと俺の水着が大変なことになってしまう。

あとパッと見あまりよろしくないシュチュエーションな気がするので、美海には申し訳ないが諦めて放してもらった。

・・・・・・涙目になってもダメなものはダメです!


「分かった、咲夜君の手料理を楽しみに待ってるね・・・・・!」

「是非そうしてもらえると助かります。じゃ、手伝いに行ってくるよ」


まあみんなで作るし手料理と呼べる代物か怪しいが、わざわざそれを言うのは野暮だろう。

テントから少し離れたところ(と言ってもほぼ真横だが)に設置されたバーベキューコンロを見に行くと、桃花と数人の女子があっちに行ったりこっちに行ったりと忙しそうにしていた。


「桃花、約束通り手伝いにきたよー」

「咲夜くん!よかった、ちょうど良いタイミングだよ!」


これから少しの間、桃花が手が離せなくなってしまうようなので、その代わりとして野菜を切ったりなんなりして欲しいとのことだった。

今作っているのは焼きそばで、人数分作るためにはプレートが三つも必要。

桃花は炒める担当で、俺は次から次へと食材を切ってプレートに入れていく。

三つもプレートが必要ってすごいよね。

十数人前でしょ?飲食店かよ。

あっちで焼いてるお肉の量も、冷凍ボックスの中身を含めてえげつないほどある。

こりゃあみんな大変だ。

追加の食材を持ってきてくれた花恋に手伝ってもらいながら、ひたすらに切りまくる。

あらかた切り終えると、お肉と一緒に焼くものとまだ使わないものに分けてタッパーに詰めておき、それを花恋に預けてプレートを手伝いに行く。

ジュージュー音を立てる焼きそばを時々かき混ぜながら、隣に醤油を塗ったトウモロコシを並べて良い焼き色が着くまで放置。

頃合いを見て近くで遊んでいたやつらを呼び、焼きたてのトウモロコシを手渡した。


「お肉そろそろ焼けそー。焼きそばは?」

「こっちももうすぐ完成かな」

「じゃあ海で遊んでる子たちも呼んでこよっか」


あとは盛り付けだけなので、俺と花恋は抜けて二手に分かれみんなに声をかけにいく。

ほーら、朱華たちもご飯ですよ〜。


「おー、私もうお腹ペコペコだよ!颯馬行こう行こう!」

「はしゃぎすぎると危ないぞ・・・・・って聞いちゃいないな」


颯馬は走る楓の後を苦笑いで着いていく。

最後に残った朱華は、何故か訝しげに海を見つめたまま動かない。

急にどうした我が妹よ。


「朱華さんや、早く行かないと冷めちゃうよ?」

「あ、うん・・・・・・」


チラチラ海の方を気にしていたものの、すぐに頭を振って俺の元に走ってきた。

何か気になることでもあったんだろうか。



        ◇◆◇◆◇◆



「ふ〜、お腹いっぱい・・・・・」


レジャー用の椅子に座り、コップに注いだオレンジジュースを飲む。

くぅ、運動の後のジュースは染みるねぇ!

・・・・・・・誰よ今おっさんみたいって言ったの。

俺の気のせいじゃ無いとしたら、怒らないから早く出てきなさい!


「・・・・・・やっぱり気のせいじゃない・・・・・」


だよね!

ほんとにもう、こんなにピッチピチの若者に対しておっさんみたいって─────────。


「そっちじゃなくて。私が言ってるのは、あっちの方からするおかしな気配のことだよ・・・・・!」


俺にだけ聞こえるようにヒソヒソとそう話す。

えっ、あ、違うのね。

てっきり"おっさんみたい"のくだりで話しているのかと。


「ピッチピチとは昭和感がすごい発言しといて、おっさんじゃないって言い張るのは無理がない?」

「こら楓、事実でも言って良いことと悪いことがあるんだぞ」

「ぐふっ!?」


楓と颯馬の正論が胸に突き刺さる。

ええぃ、そこの二人はだまらっしゃい!

誰が昭和感がすごいおっさんじゃこらぁ!

・・・・・・・・てかおかしな気配って、そんなのいつから感じれるようになったんすか朱華さん?


「たぶんサキさんに会ってから。そういう気配とか魔力を感じられるようになったのは」

「ほー。やっぱり聞くのと体験するのじゃ訳が違うってことか」

「そんなことで感心してないで聞いてよ・・・・!たしかに力を捉えることが出来るようになったけど、今回のは何か違うんだって!」

「違うって言われても・・・・・俺はそんな気配感じないし。朱華可愛いから、飢えた男たちに目をつけられてるんじゃないの?」

「か、可愛いって・・・・・!」


照れ隠しに口元を押さえながらバシバシしてくるのも可愛い。


「て今はそこじゃないんだって。お兄ちゃんはほんとに何も感じないの?」

「そう言われてもなぁ・・・・・・特にこれといったものは。一応魔法で調べてみるか」


探知魔法を周辺に放ち、目をつむりながら伝わってくる情報に耳を傾ける。

・・・・・・うん、特に異常は────────っ!?

何か考える前に瞬時に探知を打ち切る。


「つぅ、それでも頭ジンジンするな・・・・・・」


あと一歩切るのが遅かったら、脳が焼き切れていたかもしれない。

たしかに朱華の言う通りあったね、神殿っぽい建物が。

どうやら人間が不用意に近づくとそれに反応して結界が作動し、それによって注がれる"力"によって脳が拒絶反応を起こしオーバーヒートしてしまうようだ。

今までに見ないタイプの結界だね。

こりゃあ花恋に報告ものだな。


「ありがとな朱華。朱華が気づかなかったら、このまま放置するとこだったよ」


感謝を込めて頭をなでなですると、"みんなの前でしないでよ・・・・・!"と恥ずかしそうにしながらも満更でもなさげな様子だ。


「ヒューヒュー、二人とも熱いですなぁ!」

「当分の過剰摂取の一歩手前まで来たぞ!」

「君たちも人のこと言えないからね!?」


くそぅ、こいつらここぞとばかりに寄って集っていじってくる。

しかし、そんなふうにニヤニヤしながら野次を飛ばす楓と颯馬に反撃が。


「うぅ、そんなこと言って、楓と颯馬くんたちも何気なく恥ずかしいことしてるじゃん!」

「ちょお!?恥ずかしいことって酷くない・・・・・!?」

「いーや、否定はさせないぞバカップルども!日頃俺たちがどれだけ糖分を取らされて苦労してるか知らないだろ!」

「それこそ咲夜も人のこと言えないと思うけど・・・・・・」


しまった、花恋に報告に行こうと思ったのに、めんどくさいけど負けられない戦いが発生してしまった。

俺でも感知できないほどの結界となると、そうとうきな臭い予感がするのだが、これでは全然締まらないよ・・・・・。

・・・・・・・・あれ、何で"俺でも感知出来なかった結界"を、朱華が見つけられたんだ・・・・・・?




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