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普通の男子高校生、色々あってハーレムの主になる~記憶を失くした神様が十二人の花嫁と幸せになるための話~  作者: 没
義兄妹

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VSリリス 咲夜編(1)




四方から迫る魔力弾の嵐をかいくぐり、連続で炎の斬撃(ざんげき)を繰り出すが、全て魔力障壁(しょうへき)を張った手によって受け流されてしまった。

距離を取ろうと空中に逃げるリリスをすかさず追い、止まることなく剣撃(けんげき)と魔法で攻撃する。


「【ロックブラスト】っ!」


突き出した俺の(てのひら)から大小様々(だいしょうさまざま)岩石(がんせき)が生成され、リリス向けて飛び出していく。

かなりのスピードがあったのだが、リリスには簡単に()けられてしまい、そのまま地面に突き刺さった。

むぅ、今のをそんな楽々避けられるのか。

絶対あたると思ってたんだけどな、っと。

お返しとばかりに左右の魔法陣から放たれた炎と水の槍を両断し、素早く(ふところ)に潜り込む。

ガギンッと金属がぶつかりあったかのような音と衝撃波(しょうげきは)()き散らしながら、空中で剣と障壁が鍔迫(つばぜ)り合いをする。


随分(ずいぶん)と積極的なのね〜」

「攻撃は最大の防御(ぼうぎょ)って言うから、なっ!」


至近距離(しきんきょり)でもう一発【ロックブラスト】をお見舞(みまい)する。

ほぼ触れているような距離から撃ったから、これはさすがに当たるはずだ。


「甘いわよぉ?」

「え!?」


リリスの姿がブレたかと思うと、抵抗を失った剣が(くう)を斬り、続いて岩石が身体をすうっと貫通していった。

それと同時に真横から雷で造られた(とら)が噛み付いてきて、牙が貫通した左肩から膨大は電気が感電する。

あばばばばっ・・・・・・・!

くっ、常人なら消し炭になってんぞこれ!

かなりの魔力抵抗がある俺でも結構効いているので、素ではとんでもない威力を発揮(はっき)するのだろう。


「むぁっ!?こ、こんにゃろっ、【カマイタチ】!」


引っかかれそうだったので、(しび)れる腕をなんとか動かして虎の口に突っ込み、真空の斬撃を四方に飛ばして雷を払う。

そのスキをついて接近してきた魔法弾も蹴り落として、はるか上空にいるリリス向けて飛び上がる。

高速で衝突するたびに余波(よは)岩壁(いわかべ)や地面が破壊され、あれだけあった岩山は見るも無惨(むざん)な姿になってしまった。

くそっ、やっぱり思うように技を喰らってくれない・・・・・・・!

まだかすり傷すらつけれてないぞ。

全部受け流されるか相殺(そうさい)されて、リリスまで届いていないのだ。

隙がまったくない。


「"光焔乱紅(こうえんらんぐ)"!」


一瞬で紅い剣閃(けんせん)が六つ走り、障壁で守られたリリスを吹き飛ばして岩山に激突させた。

巻き起こる粉塵(ふんじん)を一直線に突っ切って、瓦礫(がれき)に埋もれるリリス向けて突きを繰り出す。


「っ!」

「おしかったわね〜」


直前で首を傾げる最小限の動きで(かわ)され、ほおを浅く斬り裂いただけで留まっていた。

無防備に(さら)されていたお腹に横蹴りを喰らい、真反対にあった岩山の(ふもと)に叩きつけられ、先程と負けず劣らずな粉塵が立ち上る。


「【インフェルノ】」


追い討ちの黒い炎が命中し、空気を焦がしながら岩山をも飲み込んで燃え盛っていく。

やっべ、埋もれてる場合じゃない、蒸し焼きになっちゃう!

て言ってもこんなのそう簡単に消えるわけないし・・・・・一時的に風で彈きながら脱出するか?

いや、どうせなら俺の攻撃に利用させてもらおう。

俺の魔法が効かなくても、リリス自身の魔法なら効くかもしれないからね。

両の掌を正面に向けて魔力の力場(りきば)を作ると、そこに吸い寄せられるように辺りの黒い炎が収束(しゅうそく)され、密度の高い一つの球状にまとまった。


「【不死鳥の炎(フェニックス・バーン)】!」


不死鳥(ふしちょう)の姿を形取(かたちど)った炎は火の粉を撒き散らしながら飛来し、羽ばたくリリスに被弾(ひだん)する。

どうよ、自分の魔法の味は!

少しは効いただろ・・・・・・・・・・なんて、思ってた時期も俺にはありましたよー、っと。

爆炎(ばくえん)の中、リリスの周囲だけ円形に炎が入り込めないエリアがあり、彼女の身体には全く傷がついていなかった。

こっちはあちこち焦げてるってのに。

リリスが翼をはためかせて爆炎を払うと当時に飛び立ち、今度は体術を織り交ぜて攻めてみる。

斬ると見せかけてわざと外し、それを弾くために出された腕を組んで関節とは逆方向に力を加え折ろうとする。


「むわっ!?」


力をかけてすぐにリリスが後ろへ倒れ、(ともえ)投げの容量で投げ飛ばされてしまった。

きりもみしながら体勢を立て直している間に接近され、目の前で反撃の魔法が発動する。


「【ダークレイ】」

「っ、【ロックブラスト】!」


置き土産の【ロックブラスト】を放ち、真っ黒の光線に飲み込まれた。

地面に叩けつけられた直後に爆発で身体が(ちゅう)を舞い、派手(はで)に吹き飛ばされる。

地面をガリガリ削りながら勢いを殺すことでなんとか無事に済んだが、(くる)(まぎ)れの【ロックブラスト】はやはり(くう)を切ってしまったようだ。

それにしても、結構離されちゃったな。

まあ俺としては好都合か。

痛む背中を擦りながら立ち上がり、リリスに気づかれないように()()()()()をする。


「さっきから同じ技ばかりね〜。そんなに私に岩を当てたいのかしらぁ〜?」


薄く微笑みながらわざとらしく首を傾げる。

む、どうやらリリスには何か(たくら)んでいることがバレてしまったらしい。

さすがにこう何度も同じ技ばっかり使ってたら、そりゃバレますよね。

まあちょうど準備も終わったし、ドンッと一発かましてやりますかー!

リリス向けてかまえていた剣をクルリと回して地面に突き立て、魔力を流し込む。

すると、共鳴するように五箇所の岩石が白く輝き、全てが線で交わってリリスを中心に五芒星(ペンタグラム)を造りあげる。


「これは・・・・・・!」


膨大なエネルギーがスパークを繰り返し、もはや逃げることは不可能な鳥かごと化した。

ふっ、リリスの予想通り、俺はただバカスカ魔法を撃ってたわけじゃなかったのさ。

当てるふりをして付与(ふよ)魔法を施した【ロックブラスト】の岩石を配置し、その中央にリリスをおびき出したのだ。

この付与つきの五芒星(ペンタグラム)は魔力の循環を良くする効果があり、これから使うものの威力を底上げできる。

仕上げに大量の魔力を流し込むと、五芒星(ペンタグラム)の上空に丸いエネルギー体が生成(せいせい)され、ゆっくりとリリスの元に落ちてゆく。


「くらえっ!禁呪(きんじゅ)世界の終焉(アポリガプス)】!」


次の瞬間、圧縮されていたエネルギーが解き放たれ、ドンッと空間ごと揺らす衝撃が辺りに響き渡る。

俺が読んでいた文献(ぶんけん)によれば、これを使うと大陸そのものが消滅したり、世界の半分が跡形もなく消し飛んだりしたらしい。

そのため記録されているものは、(ゆう)に片方の指で数えられるほどしかない。

本当にその通りなら俺たちも巻き込まれて終わりだが、今回は五芒星(ごぼうせい)に閉じ込めて使ったので、範囲が小さくなり、その分収束されて威力が上がっているはずだ。

まあ魔法に()けた賢者(けんじゃ)や魔法使いが使ってそれなんだから、俺が使ってもそこまでの威力は出ないと思うけどね。

もしこれが効かないのならば、完全にお手上げなんだけど・・・・・・・・・・・・。


「たくっ、もうちょっと(こた)えてくれてると嬉しかったんだけどなぁ」


大地は底が見えないほど円形に消滅していたが、(とう)のリリスは無事だった。

ダメージは負っているようだけど、それでも全然元気そうだ。


「ふふっ、今のはさすがにびっくりしたわぁ〜。

咄嗟(とっさ)にガードしなかったら、もっとダメージを喰らってたかもね〜」

「びっくりしたって・・・・・・・。むぅ、一応切り札の一つだったんだけどね!」


岩石も消滅してしまったし、さっきので魔力を半分くらい使ってしまったので、もう一度【世界の終焉(アポリガプス)】を撃つことは出来ない。

たぶん撃てたとしても効かないだろうけど。

これで決められなかった以上、もうひとつの切り札を使わざるを()ないかな。

あれは長時間使うと身体への負担が大きいから、あんまり使いたくなかったんだけど、そんなこと言ってる場合じゃないもんねー。

突き立てていた剣を引き抜き、再び構えをとる。


「そうねぇ〜、次はどうしようかしら・・・・・・・・うふっ、これにしましょう」


空間に小さな黒い穴が開いたかと思うと、そこからバラの意匠(いしょう)があしらわれたレイピアが現れた。

人目見ただけで相当な人物が作ったものだと分かる。


「げっ、リリスって剣も扱えるのかよ・・・・・・」

「言っておくけれど、"七つの大罪"の中では下の方だからね〜」


左右に振り払ってから構えをとる姿は、敵ながらなかなか(さま)になっている。

"七つの大罪"で下の方と言っても、そもそも"七つの大罪"自体が規格外(きかくがい)の強さなので、期待はしない方が良いだろうな。


「さて、続きを始めるとしましょう〜」





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