表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通の男子高校生、色々あってハーレムの主になる~記憶を失くした神様が十二人の花嫁と幸せになるための話~  作者: 没
義兄妹

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/122

様子がおかしい・・・・・?



あっさりした回で申し訳ないです!

章の始まりということで、プロローグ的な何かとして読んでいただければと・・・・・・・!




「おーにぃちゃーん!朝だよぉ♪」

「ぐえぇっ・・・・・・」


寝起きに突然乗っかってきた重みに、潰されたカエルみたいな声が漏れる。

うぅ、しまった。

平日はアラームかけてるから、この起こされ方はしないのに、今日に限ってアラームに気が付かなかったとは。


「怪我人になんて仕打(しう)ちするんだ、朱華(あすか)よ」

「いつもより優しくやってるじゃん」


やらないという選択肢はないんですかね・・・・・・・。

ボーっとする頭でツッコミながら起き上がり、大きなあくびをする。

いててっ、もう数週間()つってのに、まだ傷残ってんのか。

リバイアサンとの戦いから時間が経ち、季節は夏に差し掛かろうとしている。

それなのに受けた傷は完治しておらず、このくそ熱い中、俺は色々な場所に包帯(ほうたい)絆創膏(ばんそうこう)などをつけていた。

まあ、もう日常生活に支障がない位には治ってるんだけどね。

そろそろ包帯も取っていい頃合いだろう。

とりあえず眠気を覚ますため顔を洗いに行こうとしていると、横に避けていた朱華に止められてしまった。


「ほら、お兄ちゃん()いで」

「あいあ〜い」


言われるがまま着ていた大きめの部屋着(上)を脱ぎ、ベットにちょこんと座る。

正面に膝をついた朱華は俺の身体に触れると、巻かれていた包帯を取って、その下のガーゼを遠慮(えんりょ)なく剥がした。

いてっ!?

ガーゼを止めるためのテープが勢い良く剥がされ、肌にちょっとした痛みが走る。

いや、剥がすの雑かて。


「眠気、覚めたでしょ〜!」

「たしかに覚めたけどさ・・・・・・あたっ!?」


にししっ、と笑いもう一つのガーゼも剥がすと、今度は両腕の包帯や絆創膏を取って、綺麗になった俺の身体をあちこち眺めている。


「ふへへ、君ぃ、良い身体してるねぇ」

「オッサンかよ」


うちの妹、悪そうな顔でセクハラしてるオッサンみたいなこと言い出したぞ。

ひとしきり俺の身体を見回し、持ってきていた箱から絆創膏を一つ取り出す。


「まあ冗談はさておき、傷がほとんど治ったみたいで安心したよ。あとはここだけだね」


よかったよかったと言いながら、治りかけの胸元の斬り傷にペタリと貼ると、そのままさり気ない動作で俺のズボンに手をかけ・・・・・・・・・ってちょっと待ったぁ!

下げられる直前になんとか止めに入る。

あ、危なかった。


「何してんすか?」

「え、ズボンを下げようと・・・・・・・・?」


そんな何で止められたんだろう、みたいな顔されましても。

そりゃ止めるよね、普通。


「だって、太ももの包帯も取らないといけないし」

「下は自分でやるよ」

「えー、見られて減るものじゃないじゃ〜ん!」

「それは見るものが"ナニ"かにもよるかなぁ」


諦め悪くズボンを下げようとする朱華を引き剥がして、申し訳ないが部屋の外に出てもらう。

あっ、こら、お腹ペチペチしないで!

部屋のドアを閉めて鍵をかけると、すぐさま外から抗議の声が聞こえてきた。


「むー、お兄ちゃん!今まで動けなかったお兄ちゃんをお世話してあげた恩を忘れたか!」

「それに関してはありがとうございます!朱華のおかげで助かりました!でもこれはさすがにアウトだよぉ!」


少しの間ドアの前で粘っていた朱華だったが、どうやらもう諦めて自分の部屋に戻ったようだ。

ふぅ、危機一髪だった。

ベットに腰掛けてズボンを脱ぎ、太ももの包帯を剥がす。

・・・・・・・・・なんか最近、朱華の様子が変なんだよね。

いつもより俺にくっついてる時間が長くなったし、さっきみたいな逆セクハラ紛いのことも増えてきた。

どこか焦っているようにも見えるんだけど・・・・・・・・どうしてそうなったのか、心当たりが全く無いんだよなぁ。

朱華に取ってもらった包帯と絆創膏と一緒にビニール袋に入れ、口を縛ってからゴミ箱にスローイン。

放物線を描いた袋はガサッと擦れる音がして、見事にゴミ箱に入った。

そそくさと脱いでいた部屋着を着直し、アラームのスヌーズを止めていると、隣の部屋から朱華が出て階段を降りていく音がする。


「お兄ちゃん、そろそろ朝ごはん食べないと、学校間に合わなくなるよー!」


スマホの現在時刻を見ると、たしかに危なめな時間だ。


「うん、すぐ行くよ」


まあ特に害がある訳でもないし、むしろ妹に好かれるのは兄名利(みょうり)に尽きるからね。

俺はスマホ片手に部屋を出て、下の階へ向かって行った。



         ◇◆◇◆◇◆



最近、お兄ちゃんの様子がおかしい。

なんて言うかこう・・・・・上手く言えないんだけど、妹だからこそ分かることがあるのですよ。

朝に花恋さんや皐月さんが来ることも多くなったし、時々お兄ちゃんがいつもより早く家を出る時があるけど、絶対二人と待ち合わせしてるでしょ!

この前なんて美海さんって言う、年上のお姉さんまで家に連れ込んでたし・・・・・・!

もしかして、誰かとできちゃったの!?

でもそんな話聞いてないし・・・・・・・・。

むぅ、誰だろうと負けるわけには行かないもん!

・・・・・・・て息巻いたは良いものの。

お兄ちゃんめ、何をしても全然動揺してくれない。

完全に一人の"女の子"として意識されていないことがよく分かる。

お兄ちゃんの中では、私はあくまでも大事な妹なだけ。

今日なんてズボンを下ろそうとしたのに、普通にツッコまれて部屋からつまみ出されたんですけど。


「お兄ちゃんのばかばかばかぁ・・・・・!」


ベットに寝っ転がり枕に顔を埋めてじたばた悶える。

せっかく私が勇気出して頑張ったのに、ガンスルーしてたよあのバカ(にい)ぃ!

もうあんなのじゃあ動じないってこと!?

分かったよ次はもっと凄いのやってやるもん!

絶対お兄ちゃんは誰にも渡さないもん。

私を妹としてじゃなくて、女の子としてしか見れないようにしてやるぅ!


「ぅぅぅぅ〜〜〜・・・・・・・・」


最後に枕に顔を押し付けて唸ると、ガバッとベットから起き上がる。

よし、落ち込むの終了!

頭上に置いてあったスマホを手に取りホーム画面を開く。


「むふふ、このお兄ちゃん、いつ見てもかわいぃ〜・・・・・・・・って!もうこんな時間!?やばっ、朝ごはん食べてない・・・・・・」


スマホをベットに放り投げて部屋から出ると、隣の部屋にいるはずのお兄ちゃんに声をかける。


「お兄ちゃん、そろそろ朝ごはん食べてないと学校間に合わなくなるよー!」

「うん、すぐ行くよ」


お兄ちゃんの返事を聞いて、私は階段を降りていった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ