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普通の男子高校生、色々あってハーレムの主になる~記憶を失くした神様が十二人の花嫁と幸せになるための話~  作者: 没
三章 最初の依頼

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戦いが終わって






大嶽丸との戦いは無事に俺たちが勝利を収め、それから数日が経った今日この頃、俺は激しい全身筋肉痛に襲われていた。

これによって起きた弊害の内、まず歩くことすらもままならず、学校では桃花に、家では朱華に諸々手伝ってもらっている。

一緒に登下校したり、桃花の書いたノートをコピーさせてもらったり。

俺の担当だった家事は全部、朱華が代わりにやってくれた。

本当に申し訳ない・・・・・・・・・。

最初は自分一人で何とかしようと頑張っていたのだが、何故か二人がものすごい勢いで協力すると言い出したので、それに甘えることにした。

なんでも、"弱ってる咲夜くん(お兄ちゃん)が可愛すぎる。"らしい。

・・・・・・・喜んでいいのか分からん・・・・・・・・・。

まあそれはともかく、二人には感謝だ。

筋肉痛が治ったら何か埋め合わせしないとね。

普通はこんなことにはならないらしいのだが・・・・・・・・・・・まさか、運動不足が原因・・・・・・・・?

たしかに中学校でテニスをやっていた時に比べて筋力が落ち、お腹やほっぺたには余計なお肉がついた気がするけども!

自分の頬を軽く引っ張り伸ばしてみる。

・・・・・・・・・うんほら、もちもちしてて気持ちいいってことで・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、今度筋トレとかランニングします。

昨日報告に来た篠原さんによると、結界を破った黒幕はまだ見つかっていないらしいので、今後もなにか動きがあるかもしれない。

そんな時に、またこんなことになる訳には行かないからね。

あと普通に太りたくない。

・・・・・・・・そこ、既に太ってるとか言わないよーに!

大嶽丸ほどではないにしろ、少しは筋肉をつけないと今のままでは頼りない気がする。

そういえば、件の大嶽丸は鈴鹿山でもう一度封印された。

何故か元から傷ついていた魂がまだ完全に治りきっていないのに、さらに禁呪(凶魔化)を使った影響でまともに動けなかったらしい。

本人が言うには、数百年回復に専念すればすぐに治るとか。

それってすぐなのか・・・・・・・・・?

人間の寿命を軽く超えてるんだけど。

だから別れ際に、"じゃあもう会えないのか・・・・・・"って言うと含み笑いを浮かべた大嶽丸は、"()()()()()"と口にした。

あれって何だったんだろ。

ただ別れの定型的な言葉として言った訳じゃなさそうだし、何か意味があると思うんだけど・・・・・・・・。

まあ考えてもしょうがないか、答えはもう聞けないんだから。

あ、ちなみに話を戻すけど、魔力操作の練習は筋肉痛とか全然関係ないので普通にやってるよ?

ちょうど今、練習中。

針に糸を通すような細かな作業・・・・・・・・・と言うか、まんま針に糸を通す練習。

魔力で糸を作り、穴の空いた棒のような魔法具に指先の動きだけで糸を通らせるんだけど、その穴の大きさが成功する度に段々小さくなっていくから、より小さい糸をより精密に動かす必要がある。

見た目の地味さとは裏腹に、実際はかなりきつい。

集中力が持たんのよ・・・・・・・・・・・。

今のところ俺の最高記録は穴の直径が0.65ミリで、これはだいたい、市販のふとん針の太さが0.97ミリだから、その三分の二くらいだ・・・・・・・・って言ってもわかんないよね。

えーっと、グーグル先生によると、トランプの短編(横)の長さが6センチらしいから、その百分の一くらいの大きさってことかな?

ほお、これ聞くとなんかすごく感じる。

だってさ、花恋は魔法具の限界である0.01ミリ、皐月は0.12ミリまで通せたらしいんだよ?

目安としては0.2くらいで超一流以上って聞いてたんだ

けど。

レベルが高すぎて、自分が出来てるのか分かんなくなってくる・・・・・・・・・っと、出来た。

はい、0.60ミリ成功っと。

あーー疲れた、ちょっと休憩しよ。

ぎこちなく立ち上がり、お茶を飲もうとキッチンに繋がるドアを開ける。


「あ、ごめん。電話中だった?」


中にいた花恋が冷蔵庫に寄りかかって電話しているようだったので、小声でそう尋ねると、ジェスチャーで"あっちの部屋使わせて"と言うので、OKマークを出した。

隣の部屋に行く花恋と入れ違いで冷蔵庫を開け、中から緑茶のペットボトルを取り出す。

さすがにポットだと開けられないからね。

指を器用に使い蓋を開けてコップに入れ、一気に煽った。



         ◇◆◇◆◇◆




ポケットで震えるスマホを取りだし、通知を見た途端私は飲んでいた麦茶を吹き出しそうになる。

あ、危なかった。

乙女として有るまじきことだよー・・・・・・・。

でもしょうがないじゃん、まさかこの人から電話かかってくるとは思ってなかったし!

アイコンをスライドしてスマホを耳に当てる。


『あっ、もしもーし。花恋ちゃんかな?』

「久しぶり、()()()()()()()。どうしたの?」


電話の相手は、異世界にいるはずのアリス叔母さんだった。

え、あの人スマホ持ってたっけ。

電話番号はデタラメだったから、魔法でパスを繋いで会話できるようにしてるのかな。


『いくつか教えておきたいことがあってね。魔神王派の魔族が本格的に動き出そうとしてるの。地球にも何体か魔物行かなかった?』

「うん、二体来たよ。あ、あと大嶽丸っていう妖怪の封印が解かれちゃったんだけど、その解いた犯人も魔族かもしれないかな」

『えー、ほんとに?あの結界破るとかどんな魔族よ・・・・・・・・』

「あの封印ってやっぱり、アリス叔母さんがやったものなの?」

『そだよ。世界に干渉できるように人化(じんか)した状態だったけど、そこそこ力込めたんだけどなー』

「でもなんでアリス叔母さんは地球に・・・・・・・・・・まさか、サボりじゃないよね?」


私が産まれる前の話だけど、普段から仕事なんていやぁ!って言ってるこの人ならありえる。


『ち、ちがうよ!ちゃんとお仕事の一環で行っただけだもん!だいたい花恋ちゃんは私のことなんだと・・・・・・・・・・・』

「あ、ごめん。電話中だった?」


スマホの向こうで慌てたような声が聞こえてきたと思ったら、それと同時にドアが開いて咲夜が入ってきた。


『・・・・・・・・花恋ちゃん、隣の部屋行って?』


先程までとは打って変わって弱々しい声。

やっぱり寂しいんだなー。

"あっちの部屋使わせて"とジェスチャーし、咲夜がOKマークをするのを見てから隣の部屋に移動する。


「話さなくてよかったの?」

『・・・・・・・・うん、今はまだダメなんだ。咲夜くんの記憶を刺激する訳には行かないしね。でも近い将来、咲夜くんと笑って話せるように私も頑張るよー!』


スマホを片手に腕を振り上げているアリス叔母さんがありありと想像できる。


『じゃあそろそろ私は仕事に戻らなきゃいけないから。またねー・・・・・・・・・っと、言い忘れてた!』

「ん?なに?」

『地球人の一部にも魔神王派の協力者がいるから、気をつけてね!』


最後にそう残して通話が切れた。




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