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普通の男子高校生、色々あってハーレムの主になる~記憶を失くした神様が十二人の花嫁と幸せになるための話~  作者: 没
三章 最初の依頼

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VS大嶽丸 決着





「んぎぎっ・・・・・・・・・!」


増幅していく闇が縛る氷の根にヒビを入れ、それに比例するように踏ん張っている足がズズっと押されて、俺と花恋は少しずつ後退していく。

うわぁ、この魔力の高まり方どうなってんの・・・・・・・?

色も山吹(やまぶき)色から漆黒に変わってるし、やばい雰囲気がプンプンするんだけど。


『【凶魔化】』


勢いよく放出した闇はついに氷を粉々に砕き、直前にその場を離れた俺たちさえも飲み込んで巨大な渦の奔流を作り上げた。

ちょ、ちょっと、あそこからさらに強くなるとかあり?

まだ俺は二回の変身を残している、的なやつかなぁ!?


『安心しろ、封印される前よりは【凶魔化】による強化も格段に弱くなっている』


いや、そういう問題じゃないと思うけど!

弱くなってるって言ってるけど、この肌で感じる魔力は十分大きいと思う。

同じ漆黒と言っても、般若の面をかぶっていた時のドロッとしたヘドロのような漆黒ではなく、本質が違うようだ。


「ふ、ふふん!ちょっとびっくりしたけど、慣れればなんてこと・・・・・・・ってえぇぇぇ!?ちょっと待って待ってそんなの聞いてなへぶぅ!?」


魔力が吹き荒れる中、前傾姿勢で上手くバランスを保っていると、突然渦が大嶽丸の元に収縮し、支えを失った俺はその引力に重心を持っていかれ、腕をブンブン振りながら地面に叩きつけられた。

身体の前面がものすごく痛い!?


「ちょ、咲夜大丈夫!?やばい音してたんだけど」

「今ドゴンっていましたよ、ドゴンって!あわわ、痛そうです!」


二人は特にダメージがなかったようで、大嶽丸の相手をしながら俺を気にしてくれている。

な、なんとか大丈夫です・・・・・・・・。

思いっきり鼻頭をうってジンジンするけど、その他に目立った怪我はしていない。


「よっこいせっ!」


車で轢かれたカエルのような体勢から素早く立ち上がって再び俺も参戦し、炎を纏わせた拳を大嶽丸の足元に打ち込む。

放射状にヒビが入ってその割れ目から火炎が吹き出し、瓦礫と共に俺達の視界を塞いだ。


「"花流(かりゅう)の舞"!」

「"天晶(てんしょう)閃牙(せんが)


『む・・・・・・・・ぐっ!?』


片や、極小の隙間を水のように滑らかにくぐり抜け、もう片や、一瞬重なったいくつもの隙間を閃光のように駆け抜けて、それぞれ大嶽丸を斬りつける。

俺もそれに続いてアッパーを喰らわせ、ダメ押しに連続技を叩き込んだ。


「"光焔乱紅(こうえんらんぐ)"!」


纏う炎がより紅く輝き、爆発的な破壊力を生んで大嶽丸を吹き飛ばす。

しかし、すぐさま勢いを殺して地を踏みしめ、追いかける俺たちの攻撃を次々と捌いていく。


『数が多い分、一撃一撃の威力が低いな。もっと深く突け』

・・・・・・・・・・・・まじか。

クリーンヒットしたと思ったんだけど、期待してたほどダメージがないみたい。

剣撃と拳撃(けんげき)が何度も衝突し、交わった焔と閃光、流水、闇によって大きな魔力爆発が起こった。


『"黒渦(ブラックホール)"!』


大嶽丸の(てのひら)に現れた黒い渦から強力な引力が発生し、抵抗虚しくそこに向かって引き寄せられていく。

くおっ・・・・・・これ、横からかかる圧がすごい・・・・・・・!


『【ブラッディウェーブ】!』


赤黒い血の色をした波状の斬撃が全方位に放たれ、相互の速度がプラスされて威力が増したそれが、俺たちに襲いかかる。


「いっ・・・・・・・!?」

「わわっ!」

「きゃっ・・・・・・・!?」


反対側からきた衝撃を受けて地面を転がり体を起こすと、【ブラッディウェーブ】が当たった場所が薄く斬られているのが目に入った。

え、なんで!?

さっきのが威力が上がっていたとは言え、他の攻撃よりも強そうには見えなかった。

何か特殊な効果のある魔法なのだろうか。

・・・・・・・・あれ、でも皐月はほんの数センチの、傷かどうか怪しいくらいの痕だし、花恋に至っては無傷なんですが。

これ、俺の実力不足なだけなのかな?

・・・・・・・・・・いや、特殊な効果に違いない。

うんそうに決まってる、皐月もうっすら傷あるし。

それにまあ、今はあの"黒渦(ブラックホール)"の対策について考えなきゃね。

引き寄せられてる間は引力で上手く動けない上に、その後の攻撃がほぼ必中。

厄介すぎる・・・・・・・・・・って。


『"黒渦(ブラックホール)"!』


「またあぁぁぁっ!?」


さっきと同じコンボを喰らってまた吹き飛ぶ。

しかもまだ黒渦は健在で、地面に着いた途端また吸い寄せられる。

ぬーーーーーー!もうこれエンドレスループだね!?


「うーん、しょうがないかー」


そんな声がした次の瞬間、光の軌跡が一閃して黒渦が真っ二つに両断され引力が消滅し、それとともに聖なる(くさび)が大嶽丸を縛って身動きを取れなくする。

おおっとぉ・・・・・・?


『ぬぅお・・・・・・・!?う、動かん・・・・・・』


抵抗するたび楔がギシギシと軋み、より強固に大嶽丸を縛っていく。

どうやら抜け出せないみたいだね。


「ほら、咲夜と皐月はとつげーき!」


あいあいさー!

楔を抑えている花恋の横を駆け抜け、間合いに踏み込んだ俺と皐月はそれぞれ技を放つ。


「"黒聖一閃・(ほむら)!"」

「"蒼天・天之河"!」


焔と流水が混ざった剣(拳)撃が大嶽丸を守るように立ち塞がる闇や障壁を喰い破り、大嶽丸に突き刺さる。


「「はあぁぁぁぁっ!!」」


『ぬぅおぉぉ!?』


渦巻く真紅と蒼の魔力が閃光となり視界を染めた。





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