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普通の男子高校生、色々あってハーレムの主になる~記憶を失くした神様が十二人の花嫁と幸せになるための話~  作者: 没
二章 何でも屋"夜桜"へ

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アクセサリーショップと謎の揺れ





次はどこに行こうかと考えていると、朱華から買った服に合うヘアゴムかピンが欲しいとリクエストが入った。

ならばと買い物を()えた俺たちはアパレルショップを出てエスカレーターに乗り、三階に上がって映画館の近くにあるアクセサリーショップに向かう。

ここはピアスやリング、ヘアゴムやバレッタなどのヘアアクセなど、かわいい系から大人系まで様々なアクセサリーを()(あつか)っていて、広い客層(きゃくそう)に人気を(ほこ)る有名なお店らしい。

たしか藤沢駅近くにも支店(してん)があったような。


「お、これなんか花恋(かれん)に似合うんじゃないの?」


棚においてあったサンプルのアクセサリーを手に取る。

値札(ねふだ)によると、"ワンポイントストーンネックレス"という商品らしい。

その名の通りチェーンの先に雫型(しずくがた)の石が付いていて、シンプルながら美しさを(かも)し出している。

俺が選んだのはその紫色のやつで、花恋が着ているピンクのロングコートに合うかなー、と思いまして。

と言ってもあんまり俺ってこういうのを選ぶセンスが無いから、本当に合っているかは付けてみてからじゃないと分からないけどね。

そう思い(ねん)のため(ため)しに花恋に付けてもらおうとすると。


咲夜(さくや)につけて欲しーなー・・・・・・・」


上目遣(うわめづか)いにそう頼んできた。

・・・・・・・そんな風に頼まれたら絶対にやらざるを()ないじゃないっすか、いやマジで。

こらそこ、チョロいとか言わない!


「じゃ、失礼して・・・・・・・」


ネックレスの()()(はず)して花恋の首に手を回す。

・・・・・・・うぅ、近い・・・・・・!

自分でオッケーしといてあれだがめっちゃ恥ずかしい。

抱きつくような体勢(たいせい)至近距離(しきんきょり)の花恋と目が合い、自分の顔が赤くなるのを感じながら、手探りで髪を()けて留め具をパチリとはめる。


「どうかな」

「うん、いいと思うよ。大人っぽい雰囲気になるね」

「ふふっ、ありがとー。じゃあ私はこれを買おうかな」


うむ、どうやら俺のセンスは間違ってなかったらしい。

喜んでもらえてなによりだ。

嬉しそうに笑った花恋は首につけていたサンプルを外して元の場所に戻し、そのまま横に置いてあった正規品(せいきひん)の入った箱を手に取った。


「お兄ちゃんお兄ちゃん、これどう?」

「どうでしょうか、咲夜さん!」


服の(すそ)をクイクイッと引かれて振り返ると、朱華(あすか)皐月(さつき)が自分の髪につけたヘアアクセを見せてくれた。

朱華の方は、"リーフヘアピン"と呼ばれる、ヘアピンの一部が葉の形をしているやつ。

皐月の方は、"サテンBIGリボンヘアゴム"と言う、大きめのリボンの両端(りょうたん)()れ下がったデザインのヘアゴム。


「へー、こんなのもあるんだ。二人とも良く似合ってるよ」

「えへへ、ありがとうお兄ちゃん!」

「嬉しいです!」


ぱぁっと笑顔を咲かせた二人はいそいそとアクセサリーをカゴに入れる。

どうやら俺の感想が決め手となったようだ。

三人とも買うものが決まったらしいので、レジの行列(ぎょうれつ)の一番後ろに並ぶことにする。

俺たちの前にもそこそこの人数が並んでいるので、少し時間がかかりそうだ。

列が進むのをボーッと待っていると、不意(ふい)にポケットに入っているスマホが震えた。

取り出して画面を見ると、着信(ちゃくしん)"父さん"の文字。

あれ、なんだろ。

花恋たちに断ってから列を離れて店を出て、近くに手頃(てごろ)なベンチを見つけたのでそこに座る。


「もしもし、父さん?」

『おう、咲夜か。実は今仕事が終わって家に帰ったんだが、誰もいなくてな。どこか出掛(でか)けてるのか?』

「あ、ごめん、言うの忘れてた。昨日(きのう)さ、新しいバイト先の見学に行くって言ったじゃん?その前に・・・・・・・・・」

『・・・・・・ああ、なるほど。ってことは今デート中か?邪魔(じゃま)しちゃって悪かったな』


え、何その(さっ)する早さ。

予知能力(よちのうりょく)でもあるんですかね・・・・・・・。

どうやったら"バイトの見学の前に・・・・・・・"だけでデートしてるって分かるんだか。


「ううん、大丈夫。あ、朱華はお昼食べたら帰るだろうからよろしく」

『おう。じゃ、デート楽しんでこいよー』

「へーい。バイバーイ、っと」


スマホを耳から離して通話を切る。

やー、親に報告するのすっかり忘れてたわ。

ラインか何かしとけばよかったな。


「電話終わった?」

「うん、ありがとう」


三人は俺が電話している間にお会計が終わったらしく、それぞれ小さな紙袋を持っていた。


「はいこれ、お兄ちゃんの!」

「お、ありがと・・・・・ちょっと待って、俺のって?」


反射的(はんしゃてき)に紙袋を受け取ってからふと気づく。

このアクセサリーショップは色々な種類が売っていて、男子が付けるようなピアスなどもあるので、お土産(みやげ)として買うのは何ら変ではない。

駄菓子菓子(だがしかし)、なんだろうこの嫌な予感は。


「まあまあ、とりあえず開けてみてください!」


・・・・・・・もう嫌な予感しかしないんだけど。

おそるおそるテープを()がして包み紙を開けると、中からは二つのヘアピンが出てきた。

ピンク色のハート型のと普通の黒いヘアピン。

・・・・・・・・・やっぱりね。


「これを俺につけろと?」

「うん。あ、もしかして付け方分からない?」

「ちがわい。それくらいわかるけど、そういう事じゃなくてね・・・・・・?」

「ほら、じっとしててねー」

「いやなにナチュラルにつけようと・・・・・って。朱華、皐月、なぜ俺の腕を(おさ)えてるのかな?」

「花恋さんやってください」

「咲夜さん、(あきら)めて可愛くなってください!」


諦めて可愛くなるって何!?

ハート型のヘアピンを持った花恋が俺の前髪を右側に()せる。

どうしようどうしよう、逃げたくても動けん!

くっ、ここで都合良(つごうよ)特殊能力(とくしゅのうりょく)とかに覚醒(かくせい)したりしないかなぁ!?

パチリ。

あっ・・・・・・・・・・・・。

もちろんそんなミラクルが起こることはなく、ヘアピンをつけた花恋は俺の髪から手を離す。


「うん、やっぱり可愛いねー」

「はわ〜っ、すごいです!咲夜さんが女の子です!」

「さすがお兄ちゃん!」

「・・・・・・・・ぁぅ・・・・・・!」


顔がかつて無いほど真っ赤に染まり、羞恥(しゅうち)のあまり顔を()せてしまう。

当然ながら周囲の人からも注目されてる(わけ)で、チラチラ見られてるのが分かるから死ぬほど恥ずかしい。


「おい、あそこの子超可愛くね?」

「それに見ろよ、周りの子もすごいぞ」

「俺、あの座ってる子どストライクなんだけど。話しかけてみようかな」

「止めとけって。お前なんて相手にされるわけないだろ?」

「悲しいこと言うなよ・・・・・・・・」


・・・・・・・・・俺は何も聞いてない何も聞いてない何も聞いてない。

そうだ、そろそろお昼食べに行こう。

もういい時間だしね。

現実逃避気味(げんじつとうひぎみ)にそんなことを考える。


「そうだねー。そろそろご飯食べに行こっか」

「どこ行きます?」

「この下にあるフードコートはどうですか?」

「いいですね!じゃあそこに行きましょう!」


俺の心情を(さっ)してか(原因は彼女たち)満場一致(まんじょういっち)で決定したので、そろって下の階にあるフードコートに向かう。

もちろんヘアピンは取りましたよ?

フードコートはさすがにお昼時(ひるどき)だったのでかなり混んでいて、席を見つけるのにかなり時間がかかっただけでなく、席に着いてからもお店の行列がすごすぎて注文するだけでえらく時間がかかった。


「こりゃ、呼ばれるまでも時間かかりそうだな・・・・・・」

「ですね・・・・・・」


思わず苦笑いしながら手元(てもと)のアラームを見る。

これがなると注文した料理を受け取りに行けるのだが、この混み具合(ぐあい)からしてまだまだみたいだ。

暇つぶしとして、みんなで協力プレイが出来るパズルゲームをすることになった。

六色のパズルを動かして、各色三つ以上のパズルを揃えて消すやつね。

花恋と皐月はわざわざ入れてくれた。

そして、ちょうど六個目のステージをクリアしたタイミングで朱華のアラームがなった。


「私が一番最初だったかぁ。じゃ、受け取ってくる─────────────」


そう言って朱華が立ち上がった瞬間。


ズズッ・・・・・・・ズドドドッッ!!!


とてつもない揺れが起こり、辺りから悲鳴が上がる。

くっ、これは・・・・・・・!?

近くで、ズドンッと巨大な何かが落ちる音がした。







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