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転生大聖女の目覚め~瘴気を浄化し続けること二十年、起きたら伝説の大聖女になってました〜  作者: 錬金王
三章

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原因の調査


「ソフィア様、おはようございます」


「おはよう、ルーちゃん」


 ルーちゃんに身体を揺すられた私は、目を開けてベッドからむくりと身体を起こした。


「今日は寝起きがとてもいいですね」


「うん、サウナで汗を流せたし、久しぶりにベッドで眠れたから」


 五日程度でたどり着いたとはいえ、ここにやってくるまでの寝泊まりは基本的に馬車だった。旅慣れている方ではあるが、やはり疲れが溜まっていたのだろう。


 昨日に比べると身体がとても軽くなっている。


 そんなわけで今日の目覚めは最高だった。


 速やかにベッドから出ると、寝間着から聖女服へと着替える。


 井戸で汲み上げた水で顔を洗うと、ルーちゃんが髪の毛をブラッシングしてくれる。


 別に自分でもできるのだが、ルーちゃんがやりたがっている様子なので任せることにした。


 屋敷に住んでからはエステルにやってもらうことが多かったので、ずっとやりたかったのかもしれない。


「ソフィア。起きてるかー?」


「起きてるよ」


 髪の毛を整えたところでリーナが入ってきた。


「村長が朝飯くれたから食べようぜ」


「うん、わかった!」


 寝室を出てリビングに向かおうとしたところで、ルーちゃんがリーナを引き留めた。


「少しお待ちを。リーナ様の御髪を整えさせてください」


「あん? 別にいいよ」


「よくありません。リーナ様も聖女なのですから、言動はともかくとして、見た目くらいは気を遣っていただかないと」


「うげっ、ルミナリエがエクレールやラスティみてえなことを言いやがる」


 面倒くさそうにするリーナの身体を動かし、ストンと椅子に座らせた。


 すっかりやる気満々のルーちゃんの様子に、リーナは観念したように大人しくなった。


 ルーちゃんの手によってリーナの髪が整うと、三人で有難く朝食を頂いた。


 メニューは昨日狩ってきた獲物を使った料理が中心だ。


 グリズリーのステーキや、イノシシ肉と山菜のスープとてもボリューミー。


 とはいえ、しっかりとお肉とパンが食べられるのはそれだけで嬉しいことだ。


 作ってくださった村長の夫さんに感謝しながら、あっという間に平らげることができた。


「んで、今日はどうすんだ?」


「怪我人の治癒は終わったし、村に侵食してきた蔓も浄化した。だから、今日は瘴気の原因を突き止めようと思う」


「そんで見つけたら浄化だな!」


「うん」


「それで問題ないと思います」


 拳を力強く突き出すリーナと、異論はないとばかりに頷くルーちゃん。


「じゃあ、まずは被害に遭った村人たちに聞き込みをしよう」


「おう!」


 方針が固まったとなれば、早速行動だ。


 蔓の侵食速度を目にする限り、瘴気への早急な対処が求められるからね。


 朝食を片付けて私たちは、早速聞き込みをすることにした。



 ●



「村人の言葉から推測すると、東側が怪しいですね」


 村長やルードさんをはじめとする怪我人のところの周り、聞き込みを終えるとルーちゃんが呟いた。


 そこで狩りをしていたルードさんをはじめとする村人が瘴気持ちの魔物に襲われ、蔓が爆発的な勢いで侵食してきた。


 具体的な瘴気の発生源は誰も見ていないものの、初期の被害は東側に固まっている。


「うん、私もそう思う。まずは村の東側を調査してみよう」


「わかったぜ」


 村人の証言から東側が怪しいと睨んだ私たちは、カルネ村の東に進むことに。


「「クエエエエッ!」」


 カルネ村の外に出ようとすると、厩舎で休んでいたキューとロスカがいななき声を上げた。


 二匹の様子を見ると、私たちも連れていけと言わんばかりの様子。


「そういえば、キューとロスカは聖力を宿しているんだよね」


「よろしいのではないでしょうか? キューとロスカならば、汚染地域でも問題なく活動できますし、魔物だって蹴散らせます」


 そうだった。そのことをつい忘れていて、連れていくという選択肢がまるでなかった。


 だって、普通のキュロスは汚染地域で活動なんてできないし。


「これから向かうのは、汚染地域だけどキューとロスカもついてきてくれる?」


「「クエエエッ!」」


 駆け寄って尋ねてみると、キューとロスカは羽を広げて激しく頷いた。


 付いていくのが当たり前といった様子だ。


 聖力を宿しているとはいえ、危険な場所なのだが勇敢なキューとロスカには問題ないらしい。


「わかった。なら、頼むよ?」


「「クエエエエエッ!」」


「でも、二匹しかいねえな。体力には自信があるし、あたしは一人で走るか」


「いえ、私とソフィア様が一緒に乗るので大丈夫です。キュー、行けますね?」


「クエエエッ!」


 ルーちゃんがそう言いながら撫でると、キューは当然だとばかりに頷いた。


「クエエエ~」


「ごめんね、ロスカ。次はちゃんと乗ってあげるから」


 私が乗らないことにしょげていたロスカだが、そのようにフォローをしてあげると元気を取り戻した。


 そんなわけで私たちはキューとロスカに乗って移動することに。


「さあ、ルーちゃん! 私の前に乗って!」


 キューの背中に乗った私は、ポンポンと空いた前のスペースを叩く。


「いや、普通逆だろ? ルミナリエが前に座ったら、前が見えねえだろ」


「ええー、ここはお姉さんとして私が前に座りたいー!」


「申し訳ありませんが、ソフィア様は私の前でお願いします」


 駄々をこねている間に、ルーちゃんは颯爽と後ろにまたがり、私を後ろから持ち上げて前に座らせた。


「あっ、ルーちゃんに包まれてる感じがする。これはこれで悪くないかも」


 姉貴分としての威厳はまったくないかもしれないが、凛々しいルーちゃんの腕の中に収まっているのは中々に安心感があった。


「それでは出発いたします。ソフィア様、しっかりと掴まっていてくださいね」


「うん」


 私が頷くと、ルーちゃんが手綱を操作し、キューは勢いよく走り出した。


「わっ、わわわっ! 馬車に乗っている時とは迫力が違う!」


 いつもは御者席に座っていたが、今回はキューの背中に直接乗っている。


 流れる速度や風を切る感覚の臨場感が段違いだった。


 今回は重い馬車を引いていないこともあってか、キューの速度もいつも以上に速い。


 二人乗りということで、速度を気にしていたが私とルーちゃんの重み程度ではまったく問題ないようだ。


「うっひょー! 速い速い! こりゃ最高だぜ!」


 ロスカの背中に乗っているリーナは、無邪気に喜びの声を上げていた。


 これから汚染地域に入るというのに、リーナがいると随分と明るい気持ちになる。


 きっと、これはリーナの人徳の一つなのだろう。


 すごい速度で景色が流れていく。


 キューは背中の毛もとてもモフモフで、乗っていると体温を感じられた。


 任務がなければ、キューの背中でゆったりと昼寝と行きたいところだが、そうはいかない。


 カルネ村の人たちを救うために瘴気の原因を突き止めなければいけない。


 モフモフの毛という誘惑に堪えながら、私は必死に瘴気の索敵をした。



新作はじめました。


『異世界ではじめるキャンピングカー生活〜固有スキル【車両召喚】はとても有用でした〜』


異世界でキャンピングカー生活を送る話です。

下記のURLあるいはリンクから飛べますのでよろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n0763jx/


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こちら新作になります。よろしければ下記タイトルからどうぞ↓

『異世界ではじめるキャンピングカー生活~固有スキル【車両召喚】は有用だった~』

― 新着の感想 ―
更新されるのをいつまでもお待ちしております。
一年…更新無いけど、これまでの分を読みながら、気長に待ってます
ふぅ~w 錬金王さんという女性に対する理解の浅いオッサンの書く少女って読んでて色々とキツい物がある。 今回は文量が少なくて助かった。
感想一覧
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