小鬼(ゴブリン)を狩る者(スレイヤー) 中編
桜は帝国グループの事務所を出ると壁の街分署の近くの異世界生体研究所に向かう、
倒したゴブリンはここに運ばれた、生体研究所はその名の通り異世界の生体研究所が目的で、博士号持ちの医者や研究者がここで働きながら洞窟(地球)の向こうの学会に発表する研究をしている。
桜は地下の解剖室に向かうとスタッフの1人に声を掛けた。
「スカリー先生、ご無沙汰してます」
スカリーは合衆国から来たアメリカ人の白人女性で、前はLAPD」ロサンゼルス市警)の解剖医だった人物でゴブリンの生体を調べにここ異世界に来た変わり者だ。
スカリーは桜の方を見ると笑顔で
「一度に五体なんて大漁じゃない!!」
そう言って嬉しそうに解剖の準備をしている、桜は先生に被害者の身元のわかる物が無いか調べに来たと言い。
「身元のわかる物が無いか聞きに来たんですけど」
そう言うとスカリーは電動ノコギリの調子を見ながら。
「それならあそこに纏めてあるからお好きにどうぞ!」
そう言ってテーブルの一角を指差した。
桜がそこに行こうとした時に、突然ゴブリンの1つが動き出した。
「ゴワァアアアアアアアアッ」
それを見て悲鳴をあげるスタッフ達
桜は素早くゴブリンに近づくと、右手をポケットの中に入れてメリケンサックを嵌めると、ゴブリンのコメカミに右フックを入れた。
「ふんっ!!」
気合いを入れてゴブリンを殴るとゴブリン脳が揺れて、ゴブリンが気絶する。
ワンアクション、ワンキルでゴブリンを屠った桜は、側のスカリーに声を掛ける。
「大丈夫ですか?先生?」
スカリーは最初、呆然としていたがやがて再起動すると。
「で、………出たわ!!、皆んな!………ゴブリンのゾンビの生体が手に入ったわよおおおおおお!!」
それを聞くとスタッフの目がギラギラしだした。
「解剖台に縛り付けろ」
「録画だカメラ準備しろ、全部撮れ」
「メスを、ありったけ用意しろ、標本サンプルを細かく取るぞ、準備しろ」
「防護服と滅菌処理まだ?………早くして何やってんの?」
あっとゆう間に皆が気絶してるゴブリンを解剖台に縛り付ける
「麻酔?そんなもんいらん、それより電動ノコギリ寄越せ」
………桜はそれを見て、気絶してるだけなんです………なんて言えなくなった。
被害者の私物を持って、解剖室を逃げ出すと後から、ゴブリンの悲鳴が聞こえて来た。
そのゴブリンの悲鳴は途切れる事なく、長時間続いた。
後日、生きたゴブリンを切り刻んだ呪われた施設と呼ばれる事になる生体研究所は、肝試しのコースとして有名になる。
桜は被害者が居る病院に投げ込む様に転がり込むとオタと合流した
「桜さん?なんか汗かいてません?」
そう言うと桜は
「気、気のせいよ………多分」
処置が終わったと看護師に言われて病室に入ると先生がカルテを書いていた。
「先生………どんな容体ですか?」
桜がそう聞くと医者はカルテを書きながら、
「外傷はかすり傷程度なんだが………」
医者は言いにくそうに
「ゴブリンの巣の中にしばらく監禁されてたからな、今処理が終わった所だ」
そう言うとゴブリンの話をし出した
「最近の研究でゴブリンは全てある種類の複製だと言う研究結果が出ている」
複製?と桜が繰り返すと。
「普通は生命は父親と母親の遺伝子の影響で固体に差が出る」
同じ兄弟、同性でも個性が出る、体型、髪の色、肌の色など個体差が出る。
「しかしゴブリンは皆同じ固体、男性の固体で遺伝子配列も変わらない………つまり」
ある1人のクローンばかり産まれる、そう医者は言うと。
「自然界にはこんな者は存在しない、つまりゴブリンは人為的に作られた存在の可能性がある」
誰が何のために作ったのか?謎は残るが
そこまで聞くと桜が
「存在とか、何でもいいんですよ、女の敵なら殲滅させる」
そのうち、絶滅させてやる。
そう桜が仮面の様な顔で言うと、医者とオタはガクガク震え出した。
「あの人………全てのゴブリンの玉を潰して回るつもりでは?」
医者が玉ヒュンしながら、そう言うとオタが
「小鬼を狩る者ちゃう……………破壊神や」
同じく玉ヒュンしながら股間を抑えて震える
その時、警察無線から連絡が入った、帝国グループから連絡で、尋ねていた身元がわかったと。