小鬼を狩る者 前編
「ゴブリンが出た?」
出勤すると所長室に呼ばれての第一声がゴブリン退治に出る猟友会のサポートだった
「猟友会なんてあったんですね、異世界開拓地に」
「斎藤さんと熊先生が作ったそうだ」
何でも畑に出る害獣は昔はギルドに討伐を頼んでいたが今は違うらしい
「自前で銃があるからな、見つけたら即撃つらしい」
「あーなるほど!ギルドに頼むとお金かかるし」
その為ギルドへの討伐要請は危険な物ばかりになったらしい
「魔狼とか魔大蛇とか魔熊とか」
「何そのヘビー級は!!逆に食われる予想しか出来ない!」
その為、ギルド員も領兵になったり建築現場で働いたりで
「命のやり取りが無くなって助かったって人も多い、食い詰め者の集団のイメージだったからな」
そして弊害も出る、ベテランの小鬼を狩る物が居なく無った
「山狩りは猟友会でするから巣穴へのアタックは頼むわ」
「特殊鎮圧部隊(SAT)は?」
所長は桜を見て
「桜巡査長、辞令を渡す、本日より異世界開拓地分署、特殊鎮圧部隊(SAT)の隊長を兼任してもらう」
桜がこの世の終わりみたいな声で
「所長おおおおおおお!!」
場所は分署地下の装備課にて桜とオタが装備を借りていた
「なん僕までなんですかぁ!!」
「あんた射撃上手でしょ?元は国体強化選手だし」
オタはMP5、桜はテーザーガンを借りる、後はフリッツタイプのヘルメットに透明な盾防刃ベストに手袋に暗視ゴーグルに閃光手榴弾を借りると現場にランクルパトで赴く
聴いていた場所に行くと斎藤さんと熊先生がオレンジのベストとキャップを被って待っていた他にも犬を連れたメンバーもいる
「駐在さんご苦労様」
斎藤さんに労いの言葉を貰ってから状況を聞く
「ここでゴブリン数匹が出てきてゴブリンを撃ったらしい、血の跡がある」
犬を離して匂いを追わせる、やがて洞窟の入り口にたどり着いた
斎藤さん達に入り口を見張ってもらい中に入る暗視ゴーグルを付けて見ると、白黒の世界が広がる
ライオネットシールドを装備した状態で前に進むと矢が飛んで来た
シールドで弾いて右手の親指でMP5のセフティを解除するとオタが単射で撃つ
桜は閃光手榴弾のピンを抜くと前に投げながら
「「スタン!!」」と言って眼を瞑りシールドの影で身を守りながら耳を塞ぐ
閃光と轟音が続いた後に前に出る
小鬼が床でのたうち回って居るのを確認しMP5で単射しながらトドメを刺す
そのまま前に進むと粗末な扉があり脚で蹴り開けると女性を盾に小鬼が威嚇して来た
半裸の女性の陰に隠れてながら、喉にナイフを当てて何かを叫びながら威嚇している小鬼にテーザーガンを向けると
「交渉はしない」
そう言うとテーザーガンを発射するゴブリンに刺さるのを確認するとさらに引き金を引いて通電させると
「ガァアアアアアアーーーー!!」
「きゃああああああああーーーー!!」
と言う叫びが聞こえて来た
「何で2つ!!ーーー?」
そう桜が叫ぶとオタが
「……………桜さん人質にも刺さってます」
「え!?」
見ればテーザーガンの針は2つあり1つは人質にも刺さっていた
「ね、交渉はしない!!」
震え声で言う桜にオタが
「……………中、索敵して応援呼びましょうか……………」
見なかった事にしたいオタが、現実逃避し出した
結果小鬼は5匹
人質の女性は1人が確認され応援の警察官に寄ってゴブリンは死体安置所に運ばれた
女性は病院に運ばれた明るい所でよく見ると褐色肌のエルフの女性だった
女性の顔をカメラで撮影してプリントアウトするとオタに女性に付き添って病院に行くように指示してから
「ちょっと身元を確認してくる」
そう言って壁の街のウオーストリートの風俗街の店、エルフ学園に向かう
総支配人のナターシャに面会を頼むと受付のロックこと睦月六郎に言うと直ぐに事務所に通された
机に座ったナターシャは桜を見ると
「今日は何の御用ですか?」
そう言うナターシャに女性の写真を見せると
「今日、保護されたエルフ女性なんだけど身元がわかったら連絡して欲しいの」
そう言って写真を渡すと部屋を出る
ナターシャから写真を貰ったロックは
「嬢達に聴いてみるわ」
そう言って部屋を出た後ナターシャは
「嫌な感じだねえ」
そう言うと書類仕事に戻った
初の試み前後編
二話で終わるのか?