アイリーンギリシャにて魔狼と出会う
アイリーンは今ギリシャの地に立っていた
「まずった、油断してた」
パスポートの期限が切れるとトカレフ主任からメッセージが届き、慌ててパスポートを確認するとあとひと月で期限切れだった
ついでにギリシャの実家に帰省する事になり慌てて異世界から日本そしてギリシャへ
パスポートを更新すると実家に帰って久々に家族と食事をしたり、飼っている犬達と遊んだりしてくつろいでいた
その魔狼は片目が潰れ、身体に数発の拳銃弾を受けて手負いになっていた
魔石山脈の霧に包まれて迷いながら歩くと霧はいつの間にか消えて、魔狼が気が付いた時には嗅いだことの無い匂いの場所に着いていた、
アイリーンは外の騒ぎに気が付いた、犬達が吠えている!
アイリーンの実家の犬達はシェパードの血を引く狩猟犬として訓練された犬達で無駄吠えはしない
アイリーンは机の引き出しからグロックの45口径版、グロック21Cを取り出した
グロックはオーストリアの拳銃でその独自のアイデアにより世界の警察や軍隊で使われている
スライドに安全装置は無く引き金にある安全装置解除レバーが引き金と同じ位置にあり
引き金を引くと同時に安全装置が解除される
安全装置を解除する動作が無い、これはとっさに撃ち合いになる警察、軍隊に受けてバリエーションも豊富に作られた
また強化プラスチックを多く使う事により軽量化に成功している
グロック21Cに同じく取り出した13発入りのマガジンを取り出すとグリップにマガジンを叩き込み、スライドを引くと軍用懐中電灯を持って外に出る
犬舎の方に行くと犬達が盛んに吠えていた
犬舎の入り口に回って中を見た瞬間だった
後ろで唸り声が聞こえた瞬間、軍用懐中電灯を向けながら右手を後ろに回して軍用拳銃を構える
光の中に魔狼が現れ目を光らせていた
とっさにグロックを撃つと、魔狼が横に動いて銃弾を避ける
(ヤバイ!足止めがいる)
そう判断するとアイリーンは犬舎の入り口を解放して犬達を外に出す
犬達は吠えながら魔狼を取り囲んで威嚇していた
「そのまま足止めしといて」
そうアイリーンは犬達に言うと、家の中に入りガンロッカーのある部屋に入る
指紋認証のガンロッカーを人差し指で解除して扉を開けると中には軍用散弾銃が入っていた、12ゲージの一発弾を5発弾倉チューブに入れると一掴み弾を掴んで外に出る
魔狼は犬達の攻撃に手こずっていた
前で吠える犬を威嚇している隙に後ろに回られて、後ろから噛み付かれる
アイリーンはポケットに弾を押し込むと軍用散弾銃のスライドを引いて魔狼に構えると引き金を引く
轟音を立てて一発弾が魔狼の胴体にめり込んだ、熊用の弾丸は近距離ならヘタなライフルより威力がある
スライドして5発の一発弾を胴体に撃ち込むと、流石の魔狼もダメージを受けていた、
アイリーンはさらに5発を再装填し魔狼に撃ち込むと、骨を砕かれたのか魔狼はその場に崩れ落ちた
軍用散弾銃を左手に持ち替えると、右手を後ろに回して軍用拳銃を構える、魔狼の耳の穴を狙って数発撃ち込んで魔狼の脳を吹き飛ばした
終わってその場で座り込むと犬達がアイリーンにまとわり付く、アイリーンは犬達を撫でながら褒めていると、やがてパトカーのサイレンが聞こえて来て目の前にパトカーが止まった
警察の銃を捨てろの要請に素直に従いパトカーの中で事情聴取を受けたのち、警察署に任意で行く事になった
犬達を犬舎に入れて、戸締りをすると警察署で調書を取られる
銃は証拠として警察預かりになり終わる頃には日が昇っていた、警察署を出ると今度はマスコミに取り囲まれ、動物愛護団体には何で殺したと責められた
銃があれば撃ち殺しそうな殺気を発散して睨み付けると
「じゃあ、あんた達が魔狼に襲われてたら手を出さずに見守っててあげる、警察も多分そうするでしょうね」
そう言うと動物愛護団体は周りの警官達を見ると冷たい視線を浴びて居るのを自覚したのか、その場を撤収し出した
家に帰ると家族に
「ほとぼりが冷めるまで異世界に行っとくわ」
そう言うと荷物を素早く用意して空港に向かう
車で送ってくれた家族に
「お祭りの季節(秋)には一旦帰って来いよ」
そう言われて家族に見送られ飛行機に乗り込むと、トッポを咥えながら異世界を目指した