水遊び
ウンディーネさんが歩き始めたのでついていくが、ウンディーネさんが向かっている先は湖。もしかして住処って湖?そう思っていたら
「これから湖の中に入りますが安心してください。濡れることはないですし、泳げなくても溺れることはありませんので」
「やっぱり湖の中にウンディーネさんは住んでいるの?」
「うーん、半分当たっていて半分ハズレ、といったところでしょうか。とりあえず行ってみればわかりますよ」
といってウンディーネさんが湖の水に触れた瞬間消えた。何が起こったのかわからないが似た現象をフォレスガーデンでも経験しているので躊躇わずに行くとそこは水の中ではなく建物の中だった。目の前にウンディーネさんが立っているのでどこなのか聞いてみた。
「ここが私の住処です。湖の中でもあり、湖の中ではない場所ですね。広さ的には一般的な2階建ての建物の広さと同じくらいです」
ウンディーネさんはそういっているがそれなりに広く感じる。今いる場所はリビングのようで、テーブルと椅子がおいてあった。テーブルの周りにも椅子が置かれていて、テーブルに6脚、周りに6脚で合計12脚あった。リビングの隣にキッチンもある。他にも部屋はあるようだし一般的なのかなと思う。そんなことを考えていたらみんなもやってきた。
「さて、ではそちらにある椅子にお座りください。テーブルが小さいので周りにも椅子を置きましたがご了承ください」
「わかりました。えーとウンディーネさんとエレナさんはさすがにテーブルがある椅子に座らないといけないからあと4人だね」
「それならわしらは周りに置いてある椅子に座るとするかの」
白雪が魔剣たちを連れて周りに置いてある椅子に座った。そしてテーブルの方に左の奥からウンディーネさん、自分、ルナ。右の奥からエレナさん、ラナ、アルティアさんの順に座った。ちなみに魔剣たちはエレナさんの後ろから時計回りで白雪、瑠璃、飛翠、橙香、黄珀、紫苑の順に座った。
「ではニア様に聞きたいことがあるので私からお聞きしてもいいでしょうか」
「いいよー。でも答えられるのだけ答えるからね」
エレナさんの肩に乗ったままニアは答えた。まあテーブルの上に立つわけにもいかないからいいのか。
「ニア様はなぜ妖精の国から出てから何をしていらっしゃったのですか?」
「いろんな国を見て回って、そして今はとなりにいるエレナと一緒にいるの」
すごい簡潔、というか全く質問に答えていないように感じる。ウンディーネさんもこれまでずっと笑顔だったが一瞬眉をひそめたように見えた。隣にいるので顔はよく見えないが。
「なぜここに来たのですか?」
「それはもちろんディーネに会いたかったから!」
「そうですか。私もニア様を探しに妖精の国から出てきましたが見つけることが出来ませんでした。仕方がなく水がきれいなこの国にいさせてもらったのですが、まさかニア様がこちらに来てくれるとは思ってもいませんでした」
「まあ私とディーネの仲だからね」
「それなら何も言わずに国から出ていくことはなかったと思うのですが。ユグが『ティターニア様がいなくなった』といったときは嘘だと思いましたが、ユグがニア様を探しに行ったと聞いて私も出たのです」
「そ、それは私も唐突に『そうだ、国を出て世界を見に行こう!』と思ったから……だからみんなに伝えることが出来なかったんだよ」
「そういうことにしておきますね。サラも心配していましたよ。サラとユグも今はどこにいるかわかりませんが」
「ユグはフォレスガーデンにいるよ。全く変わっていなかったね。サラはわからないけど」
「そうでしたか。また時間があるときにユグに会いに行ってみましょう」
ウンディーネさんとニアは楽しそうに話をしていた。そのせいか自分たちのことを思いっきり忘れている。まあニアはウンディーネさんに会いたがっていたから仕方がないのかもしれないが。それが顔に出ていたのかウンディーネさんがこちらを見て慌てながら
「ああ、すみません。2人っきりで話してしまって。ニア様、皆さんを紹介してもらってもよろしいですか」
「ごめんごめん、話に夢中になっちゃって。じゃあエレナから自己紹介よろしく!」
「はじめまして、私オルステイン王国の王女、エレナ・オルステインです。ニアと一緒にいます。そしてウンディーネさんの隣にいるユートの婚約者です」
「あら、婚約していたのですね」
「はい。ではお次は私の隣にいるラナお願いします」
「私はラナと申します。私もユートさんの婚約者です。よろしくお願いします」
「ユートさんはお二人の方と婚約しているのですね。もしかしてここにいる皆さんと?」
ウンディーネさんが誤解しているので自己紹介もかねて誤解を解く。
「いえ、婚約しているのは先ほど自己紹介したエレナさんとラナだけです。でこんなタイミングですが僕がユートって言います。冒険者をやっていていろんな国を見て回っている最中です」
「ごめんなさい。変なこと言ってしまって」
「いえ、誤解が解けたなら大丈夫です」
その後、アルティアさん、ルナ、魔剣たちの自己紹介も何事もなく終わった。
「そういえばニア様はずっと妖精の姿ですが、人間の大きさにはならないのですか?」
「今はこの姿しかなれないの。でもこの姿が本当の姿だから全く問題ないけどね。あ、そうだ。ディーネに聞きたいことがあるんだ」
ニアさんがウンディーネさんの耳の近くまで飛んでいき何か話していた。
「ええ、大丈夫ですよ。それならここを使ってください」
「ありがとう!じゃあユート。悪いけどちょっと外に出てもらえる」
「え、いいけど何をするつもりなの?」
「悪いことはしないわよ。むしろユートにとっていいことかもしれないよ」
「何のことかわからないけどとりあえず外にいるね。ウンディーネさん、先ほどの場所から外に行けるんですよね」
「はい、ユートさん一人だと危ないかもしれないので私も一緒に行きますね」
自分はウンディーネさんと一緒に先ほどの湖に行った。女性たちが何をしているかわからないが時間がかかると思ったのでウンディーネさんに先ほど疑問に思ったことを聞いてみた。
「ニアとウンディーネさんって仲がよかったのですか?」
「はい、大妖精3人とはみんな仲が良かったですが特に、ですね。気が合うと言った方がよろしいかと」
「あとサラさんって誰だか聞いてもいいですか?」
「サラは大妖精でサラマンダーのことです。ちょっと怒りっぽいですがとてもいい妖精ですよ」
「そうなんですね」
それで話が切れてしまった。沈黙が気まずいが特に話すことが思い浮かばないので湖を見ていたらエレナさんが出てきた。しかし服装が変わっている、というより水着だった。
「え、エレナさんなんで水着なの?」
「それはもちろんこれから泳ぐからだよ。ユートを外に出したのは水着に着替えるためだったんだから」
そのあとほかのみんなも出てきたがみんな水着だった。
「まさかみんなが買い物したいって言ったものって水着だったの?」
「はい、ハルカさんからここの湖では泳ぐことが出来ると聞いたので、行く前に水着を買うことにしたのです。あの……似合っていますか?」
さすがに水着に詳しくないので凝った感想は言えない。ラナの水着は薄い黄色のビキニでフリルや花などがついていてかわいいが、胸が大きいため視線が自然とそちらの方に行ってしまう。救いはフリルなどで露出面積が少なくなっていること。きわどい水着とかではなくて本当によかった。
「可愛いけどその……ごめん、胸に目が行っちゃうかな」
「えっと、じっくり見ないのであれば別にいいですよ?」
「はーい、ラナはここまで!私はどう?感想聞かせて」
エレナさんがラナの前に出てきてその間にアルティアさんがラナをみんながいる場所に移動させてしまった。なんという連携プレイ。
と感心している場合ではない。エレナさんの感想を言わないと何をされるかわからない。エレナさんの水着はラナと同じビキニだったが、定番と言うべき三角の水着だった。色がピンクでシンプルだからこそいいのかもしれないが、ちょっと攻めすぎておりせいかエレナさんには合わない感じがする。それこそラナと同じようなカワイイ系の方が似合っていたかもしれない。
「僕の好みかもしれないけどエレナさんはラナのような水着の方が似合っていたかもしれないね。これはこれでいいけど、なんかセクシーすぎる気がする」
「ほら、ミナさんが言った通りラナと同じ種類にすればよかったのに。エレナにこの水着は合わないよ」
「むー、こういう水着の方がいいかなーと思っただけなのに!」
エレナさんは走ってみんながいる場所に行ってしまった。
「さて、次は私の番ね。どうかしら」
アルティアさんは上がタンクトップになっている森をイメージしたような柄の水着だった。エレナさんのように攻める水着かと思ったら全然違った。ギャップもあるせいかとてもいい。
「いつものアルティアさんからエレナさんのように攻めるかと思ったけど、とてもよく似合っているよ。デザインもいいね」
「ミナさんが考えたデザインなんだって。私を見たときに閃いたらしいの。ありがと」
そういった後自分の方に近づいてきて、しゃがむようジェスチャーしたのでしゃがんだら頬にキスをしてきた。突然のことに頭が真っ白になる。遠くでは『あー!』という声が聞こえた。我に返った時にはアルティアさんはもうみんなのところに戻っていた。ラナとエレナさんに何か言われているがアルティアさんは全く気にしていないように見える。
さて、全員の感想を言うとなるとあと7人。後半似たような感想にならないよう少ない知識を使って頑張らないと。




