ギルドにて
修正しました。
ラナと一緒にギルドに入ってみた。人がそれなりにいて左側に掲示板のようなものがあり奥がカウンターのようになっている。会話ができるようにかテーブルとイスも少しだがある。とりあえずカウンターにいる女性に声をかけてみた。
「すみません、冒険者になりたくて来たんですけどどうすればいいですか?」
「冒険者ですね。ではここにお名前と年齢、魔法を使える方は得意な属性もお書きください。何かわからないことあればお聞きください。私ギルドの受付をしています、マリエです。」
とマリエさんは紙を渡してきた。1枚だけなのでラナは冒険者にならないと思ったのかもしれない。あと属性とはなんだろう。たぶん火属性とか水属性のことだろうけどどんな属性があるのかわからない。
「すみません、隣にいるラナの分もください。あと属性ってなんですか?」
マリエさんは一瞬驚いた顔をしたがすぐに笑顔を取り戻した。
「えっとまず魔法は使えますか?」
「はい、まだ慣れていませんが使えます」
「そうですか……いえ知らないのでしたら説明します。この世界には属性が6つあります。火、水、風、土、光と闇ですね。得意な属性だと魔力の消費が少なくなったり威力が高くなったり、また制御が簡単になります。逆に不得意な属性もあって、不得意な属性だと魔力の消費が多くなってしまったり、ひどい人は魔法を発動させることができなくなったりします」
この世界には属性が6つあるのか。定番といったら定番の属性で想像しやすい。でも属性の説明をラナはしてくれなった。なぜだろうとラナの方を見るとそっぽを向いて口笛を吹いている。たぶん忘れていたんだろう。
「もっと細かいこともあるのですが今回はこのくらいで。属性を知らなったということはあなたの得意属性も知らないということでよろしいですか?」
「そうですね。でもどうやって得意属性がわかるんですか?」
魔法を使っていけば自然とわかるものなのかなと思っていたら、マリエさんが席を離れ、奥から水晶のようなものを持ってきた。
「それはこの魔法具を使えばわかります。この魔法具に手を乗せてもらうと魔法具が光ります。光った色で得意属性を判別します。火は赤、水は青、風は緑、土はオレンジ、光は黄、闇は紫です。では手を乗せてみてください」
と言われたので魔法具に手を乗せてみた。すると数秒後魔法具が光り始めたが先ほどの説明にはなかった色、白く光った。
「あれ、なんか白く光りました。これって何ですか?」
「白……ですか?すみません、初めて見ました。ギルドマスターに聞いてみればわかるかもしれませんが、今王都の外に出ていて本日は帰って来ません。なにかわかりましたらお伝えします」
「わかりました。では得意属性のところは空白でもいいですか?」
「はい。お名前と年齢だけでいいです。あっ、お仲間さんの得意属性も今調べちゃいますね」
と言ったがラナは背が低いのでカウンターに置いてある魔法具に手が届かない。なので近くにあった椅子を借りてそこに乗ってもらってやっと届いた。すると黄色く光った。
「あなたの得意属性は光ですね。光属性は回復魔法が得意でサポート役ですね」
「ではユートさんが傷ついたらなおしてあげますね!」
「スキル的にあまり傷つくことないと思うけどその時はよろしくね」
ラナが得意属性を調べている間に名前と年齢は書き終わっていた。ラナも名前と年齢は書いてあったようなので得意属性のところに『光』と書いて女性に紙を渡した。
「仲がいいんですね。と書き終わったんですね。では確認します。えーとお名前はユート・サクライさんとラナさんで……ってまさか貴族様ですか!?」
とマリエが大声で言ったせいでギルドにいた人たちが僕の方を見る。それほどまでに貴族が珍しいのかと思ったら
「すみません、貴族様が冒険者になることはないので驚いてしまいました。先ほどの無礼をお許しください」
「いえ、僕の名前を名乗っていませんでしたし、それに普通に接してください。僕もその方がいいので」
「そうですか。それでは次に年齢ですがお二人とも16歳ですか……16歳?」
とマリエさんはラナの方を見た。いろんな意味で16歳に見えないのだろう。身長とか胸とか……
「ちゃんと16歳です!確かに身長が低いですが……」
いや、そこだけじゃないだろうとツッコミを入れたかったが言わないでおいた。マリエさんも何か言おうと口を少し開けたが何も言わなかった。
「ま、まあ嘘はついていないようなのでいいです。ではこれから冒険者登録してきますので少しお待ちください」
僕たちは待っている間、椅子に座って待つことにした。待っている間に疑問に思ったことをラナに聞いておこう。
「この世界って時間、月日ってどうなっているの?」
「時間は優人さんがいた世界と同じ24時間です。ただ時計は貴重で王族か貴族しかもっていません。そうすると一般人の方々が時間がわからないので、お城の近くに時計塔があり、鐘のなる回数でも時間がわかるよう朝6時から夜10時までの間1時間ごとに鐘が鳴るようになっています。次に月日ですが1年12ヶ月は変わりません。ただ1ヶ月すべて30日となっていて曜日はありません。ちなみに今は優人さんがいた世界と同じで4月20日です。」
そんなに前の世界と変わっていなかった。ただ時計は貴重でどこにでもあるわけではないらしいがあんな大きな時計塔があれば大丈夫だろう。
「ユートさん、ラナさん、冒険者登録が完了しましたので受付に来てください」
マリエさんに呼ばれ僕とラナは受付に向かった。
「冒険者登録が完了しましたのでギルドカードをお渡しします。個人認証しますのでギルドカードに触れて『認証』と言ってください」
ギルドカードを見てみると、名刺くらいの大きさの金属の板に名前と名前の横に『F』と書かれている。カードに触れたまま「認証」と言ってみるとかすかに光っただけで特に変化はない。
「これでギルドカードの認証は終わりです。カードにはお名前とギルドランクが書かれています。身分証明書にもなりますのでなくさないでください。なくしますと再発行に金貨1枚必要になりますので注意してください。ギルドランクはFランクからSランクまでで、最初はFランクからです。ランクは依頼をいくつか受けて達成すると上がっていきます。依頼はランクごとにあって基本ご自身のランクの依頼しか受けられません。ランクが高い依頼は危険ですが報酬も高いのでランクアップ目指してください。説明は以上ですが何か質問ありますか?」
「今のところ大丈夫です。また依頼受けるときに聞くかもしれませんが」
「わかりました。ではすぐ依頼を受けますか?」
「いえ、今日は登録だけにしておきます。明日から依頼に挑戦したいと思います」
「では明日受付に他の方がいましたら呼んでください。対応しますよ」
ありがとうございますと言って僕とラナはギルドから出て行った。
ユートの適正属性の色は『白』です。物語のキーワード(一部)だと思います。タイトルに入れようかと思いましたが、作者はネタバレが嫌いなのでやめました。あらすじも短いのはネタバレを避けるため。それなりに物語が進み、読んでくれる人が増えたら変えるかも。