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異世界へ招待されたので行ってみました  作者: ユイ
第4章 ウォーチア
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吸血鬼

「クルルさん、なんでこんなところにいるんですか。それに『言うこと聞かないなんておかしい』ってクルルさんが今回の元凶ですか?」


 クルルさんは自分の方を見て驚いた顔をした。しかしすぐに元の表情に戻り


「こんなところで奇遇ね。お城にいると思っていたけど?」


「質問に答えてください。場合によってはクルルさんを止めないといけないですから」


「うーん、私でもあるけど私でもないって感じかしら。私はユーリ様の指示に従っているだけだし、この魔物たちも同じように従っているだけ」


 ユーリ?初めて聞く名前だ。様をつけているし従うってことはクルルさんから見て上の人なんだろうけど。


「ユーリって誰ですか?」


「あら、もう会っていると思うけど?でもユーリ様は名乗ったりしないかも。ならヒントで魔物達を操ることなんてできる人、っていえばわかるかしら」


「まさかあの少年!」


 自分がその少年のことを思い出し、大きな声で言うとクルルさんは苦笑いした。


「確かに背は低いけど年はあなたとそんなに変わらないわよ。名前を知らないからそう呼んでいたのかもしれないけどユーリ様の前では言わないようにね。意外と背のこと気にしているから」


「わかりました……って違います!なんでウォータルを襲っているんですか」


「それはもちろん水の魔剣が王城にあると聞いたからよ。なかなか見つからなかった理由が隠し持っていたとはね」


「なんでお城に魔剣があることを知っているんですか?」


 クルルさんがお城に入ることが出来たとしても謁見の間での会話は聞こえないはず。後は客間での会話を聞かれていた?それだとすると魔物を用意する時間が短い気がする。


「あまりタネを話すのはよくないけど簡単に言うと盗聴かな。謁見の間での会話を聞いていたの」


「謁見の間での会話は外には聞こえないはず……まさか盗聴器とか?」


「盗聴器?なーにそれ?」


「あ、えーと、しかしどうやって魔物を連れてきたんですか?警備にもばれずに」


 盗聴器のことは知らないようなのでごまかすように話を変える。


「それは影を使ってユーリ様に用意してもらった魔物を持ってきたの。今アニマにいるようだからさすがにユーリ様をウォーチアに連れてくることはできなかったけど」


「影?そんなことできるんですか」


「私、吸血鬼だから。影を使って色々できるの」


 吸血鬼って確か血を吸ったり、太陽がダメだったりするけど、影を使うことが出来るなんて聞いたことがない気がする。


「今ユートが思っているような吸血鬼とは違うわよ。血を吸わなくても生きていけるし、銀が苦手ということもないわ。ただ太陽はあまり好きではないわね。浴びたら死ぬことはないけど」


 確かに太陽を浴びたら死ぬならとっくに死んでいるはず。今はちょうど太陽が大活躍の時間である。


「ところでここでおしゃべりしていて大丈夫なのかしら?ここにいる魔物たちは第2陣。1陣はとっくに王城についている頃よ」


「まさか僕の質問に答えていたのは時間稼ぎだったのか!」


 質問ばかりしていた自分もいけないがまさかそのために色々答えてくれていた?


「いや、ただユートと話がしたいだけで別に時間稼ぎとかではないわよ。私はとりあえず凍らせられた魔物と街にいる魔物は回収して撤退するけど、王城に行った魔物たちはご自由に。もしユートたちがやられたとしたら魔剣を回収に戻ってくるけどね」


 そういってクルルさんは影の中に消えて行った。その後、魔物たちも陰に吸い込まれるかのように消えていった。


「すぐにお城に行かないと。警備の人たちがいるとはいえ危険だし」


「そうじゃの。しかしまずはラナたちに伝えておいた方がいいじゃろう。どこにいるのかも確認しといたほうがよいしの」


「そうだね」『ラナ、聞こえる?』


『ユートさん。どうしましたか?何かありましたか?』


『今どこにいる?』


『お城にいます。怪我をした人たちの治療をしています。他のみんなもお城にいて手伝っていますよ』


 ラナ達のいる場所を聞き、つい自分は頭に手を当ててしまう。


『お城に魔物たちは来ていない?』


『大丈夫ですよ。警備の人たちもいま』


 途中で念話が切れてしまった。念話が急に切れる時は、念話に集中できなくなったときや意識を失ってしまったときなど。魔力切れもあるらしいがラナがそんなことになることはないと思う。そうなると何かあったとした考えられない。


「白雪、みんなお城にいるらしいけどラナとの念話が急に切れた。もしかしたら魔物たちがお城に攻め込んできたかもしれない。全速力で向かおうと思う」


「わかったのじゃ。しかし飛翠がいればすぐに行けるのじゃが。わしでもできなくはないがやはり専門には負ける」


「白雪でも出来るならやったほうがいいんじゃない?どうやるの?」


「風に乗って建物の上を行くのじゃ。それなら一直線で行けるが操作が難しくての。飛翠なら簡単にやってのけるのじゃが」


「確かにそれなら速いけど僕もいきなりやるのは怖いね。とりあえず飛翠がいない今、走るのみ!」


 自分はお城に向かって走った。曲がり道や細い道もあるので全速力で走ると危険なため6割くらい。たまに魔法を使って壁をこえたりはしたけど。

 もうすぐお城に着くというところで飛翠と合流した。飛翠はリムとリアを避難所に連れて行ったあと、自分がお城に向かっていくのを風から聞いたのでお城近くで待っていたらしい。飛翠も念話しようとしたが走っているからやめたらしい。今度走りながら念話する練習でもしようかな。

 お城に着くと入口の前に警備の人たちが倒れていた。魔物も倒れている。警備の人たちを確認すると怪我をしていたりしているようだが死んでいる人はいない。魔物はさすがに死んでいたが。


「お城に魔物が入ってしまった。数は10体ほど。申し訳ないがグラッド様を守ってくれないか」


「わかりました。その後に救護の人たちを連れてきます」


 比較的怪我が軽い人に話を聞いた後お城に入る。グラッドさん達がいた広間に行くと魔物と騎士団たちが交戦していた。その後ろ、少し離れたところにグラッドさんとみんながいた。自分はジャンプしてみんなのところに行く。


「ラナ、念話が急に切れたから心配したよ」


「すみません。魔物が襲ってきたと警備の人が知らせてきて驚いてしまったのです」


「とりあえずここにいる魔物たちをどうにかしないといけないね」


「ユート、どうにかできないか。魔物がかなり強くて押されてきている」


 グラッドさんに言われ見てみると確かに魔物たちが押してきている。騎士団もやられてしまっている人が多い。


「わかりました。でもあの魔物たちは操られているだけなのでなるべく殺しませんがよろしいですか?」


「とりあえず今の状況を打破できればいい。頼んだぞ」


 自分は白雪を手に持ち、いつも通り魔物たちの足元を凍らせる。武器を持っている魔物もいたので武器と手、両方凍らせた。


「すごいな、まさか氷魔法が使えるとは。しかしこの後どうするんだ」


「会話できればいいんですが、操られた状態だとできないんです。とりあえず動くことはできないので少し考えたいと思います」


「それなら私の出番なのです!」




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