異世界へ
内容は変わっていません。段落の先頭を1字下げたり『・・・』をきちんとしたものにしました。
音がなくなり無のような状態になる。しばらくした後風を感じたので目を開けてみた。すると目の前には青い空と海、草原が広がっていた。本当に異世界に来たのか戸惑っていたら
「優人さん、戸惑うのはわかりますが、ここにいても何も起こりませんよ」
と隣から声が聞こえてきた。確かパートナーは隣にいると言っていた。だからパートナーだと思ったから急な声に驚きはしなかったが、なぜか声に聞き覚えが…
「初めまして、ではないですね。先ほどぶりです。私が優人さんのパートナーのラナです」
「まさかラナさんがパートナーとは……でもなんでまた」
「天使はみんな異世界に詳しいので案内役としては適役なのです。なので神様にお願いして優人さんの案内役、パートナーとしてもらったのです」
だから神様と電話している時に「ありがとうございます」って言ったんだな。でもなんでラナさんは僕のパートナーを希望したのかわからないけど。
「僕もさっき会ったばかりだけど知らない人じゃなくて良かった。これからよろしくね、ラナさん」
「はい!よろしくお願いします!それではまず神様からのプレゼントをお渡しします。最初にオサイフをお渡しします」
渡されたオサイフとやらをよく見てみた。見た目はがまぐちで、手のひらサイズ。口を開けると片手がぎりぎり入る程度。中は真っ暗で何も入っているように見えないどころか底が見えない。
「そのオサイフはお金がいくらでも入ります。ちなみに金貨10枚分入っています。この国のお金は鉄貨、銅貨、銀貨、金貨があり先ほどの順で価値が上がります。10枚ごとに一つ上の貨幣になります。お金を出す方法はオサイフに手を入れて、出したい金額を思い浮かべるだけで取り出せます。試しに銀貨を1枚出してみてください。」
お金は鉄貨10円、銅貨100円、銀貨1000円、金貨1万円というところかな。そんな簡単に出せるのか、と手を入れて銀貨1枚と心の中で言ってみたら、手に何かふれた気がして出してみたら銀色の硬貨が出てきた。誰かわからないが人の顔が描かれている。
「今持っているのが銀貨です。すべての硬貨にこの国の王様が描かれております。描かれていないのは偽物なので注意してください」
描かれているのは王様なのか。偽装防止だと思うがこれで大丈夫なのかなと思う。
「次にこちらアイテムボックスです。こちらもオサイフと同じでいくらでも入りますしどれだけ入れても重さは変わりません。何でも入りますが片手で持てるもののみです。オサイフも入りますので入れておきましょう。取り出し方はオサイフと一緒です」
とオサイフの次に渡されたものはアイテムボックス。ボックスと言っておきながら巾着袋そのものである。
「そして最後にステータスプレートです。特別な素材で出来ていて優人さんのステータスが見れます。異世界に行く前に設定した通りなので見てみてください」
大きさ的には文庫サイズ、厚さはかなり薄いスマートフォンぐらい。ステータスは細かいとこまでは設定しなかったので見てみたいと思っていたが、神板のように何も書かれていない。
「これどうやって見るの?まさか神板と同じで見れないとか?」
「おかしいですね。ちょっと待っていてください」
そういってラナは神板を操作し始めた。しばらくして
「わかりました。ステータスププレートの下に小さな○があると思います。そこに人差し指を当ててください。そうすれば個人認証されて起動します」
よーく見ると確かに親指くらいの○があった。そこに言われた通り人差し指を当ててみる。するとステータスプレートがひかりだし、
『個人認証完了』
という文字が出てきてステータスが表示された。
名前:ユート・サクライ
年齢:16歳
種族:人(貴族)
体力:55/100
筋力:64/100
魔力:98/100
敏捷:94/100
スキル:毒無効 浄化(派生スキル)
麻痺無効
凍結無効 寒さ耐性(派生スキル)
火傷無効 暑さ耐性(派生スキル)
腐敗無効
魔法耐性(達人)
物理耐性(達人)
剣術(達人)
薬師(達人) 医師(名人)(派生スキル)
会話(達人)
超幸運
……要望通りだけど色々ツッコミどころ多すぎる。あとなぜか知らないスキルが多い。一つずつ聞いていこう。
「ステータスについて聞きたいんだけど、まず何で僕の名前『ユート』なの?」
「この世界では漢字がないのでカタカナになるのですが、『ユート』ですか?神様のミスかもしれません」
神様のミスって神様ミスしないでほしい。一応ユートでも元の名前とほぼ同じだし名前が違うことで問題にはならないから気にしないでおこう。
「次に種族が人なのはわかるけど、なぜ貴族?一般人とかじゃないの?」
「この世界ではファミリーネーム、名字があるのは貴族や王族のみなので一般人にはつきません。人以外の種族には名字はなく名前のみです」
あっちの世界ではほとんどの人に名字はあったし、サクライまで名乗るとなると貴族になってしまうのか
「そういえば、ラナは名字ないの?」
「天使、といいますか神には名字はないです。そして私はこの世界では優人さんと同じ『人』です。一般人です!」
「細かいこと言うけど、この世界では『ユート』だから優人じゃなくてユートでいいよ」
「いえ、優人さんは優人さんですから。優人さんと呼ばせてください!」
「ほかの人にはユートって呼ばれると思うけど、一人だけ優人だと変に思われるよ?気づく人いるかわからないけど」
「では優人さんと二人きりの時だけ優人さんと呼びます。ほかの方がいるときはユートさんと呼びます」
なぜそこまでこだわるかわかないけど、本人がいいならいいか。
主人公の名前が「ユート」になりました。ラナと二人っきりの時は「優人」です。自分で考えておいて間違えそう・・・名前が変わったことに意味はないと思います。