追憶のMEMORIA
このような作品に興味を持っていただきありがとうございます。
これは主人公が、日記のMEMORIAを辿り、パラレルワールドの世界を破滅から救う物語・・・
にしようかなと思っております。
第二話も読んでいただけると光栄です。
エピソード#零
私のよく知る男が、泣きながら私に銃口を向ける。
「すまんな、だがこれは命令。どうか赦してくれ。」
その言葉を最後に、彼は引き金を引く。
ダァン、という音とともに発射された弾丸が、私の頭蓋骨にめり込んだ。
また、だ。
どうしても、やり遂げられない。
何回も何回もあいつに邪魔される。
激痛が走り意識が遠のく頭で、こうなった元凶を罵った。
あいつが渡した日記のせいで、私は、私は・・・
思い出すのは、忘れぬあの日。
恩人の老人の、
「天野さん、私はね、もう長くないと思うんだぁ。」
この一言からはじまった。
私は恩人から告げられた一言に
「そうですか。」
とだけ返す。
教授はもう110歳だ。
いつ死んでもおかしくない。
それに教授は長くない、長くないと言いながらかれこれ十年は生きている。
心配するだけ無駄なのだと思う。
「冷たいねぇ天野さんは。この前だって・・・」
「ところでお話とはなんですか?」
長い教授の愚痴を綺麗に流し、話を本題へ進める。
そしてあの日記を渡されるのだ。
「この日記を託すから、読んでくれ。頼んだよ。」
と言われて。
魔法かあるいは悪魔のいたずらか、私は日記らしきものを開いた途端意識を失ったのだ。
そしてまた、振り出しに戻る。
エピソード#零ー1
追憶のMEMORIA
ここは僕の日記の中。
とある世界のたくさんの人の記憶を体験できる、追憶のMEMORIA。
記憶を体験できるのはなんでかって?
僕の魔法だよ。
あ、信じてないね?
でもいいや、君が信じなくとも魔法はすでにかかってる。
いやいや、もとはといえばこの日記を開いた君が悪いんだろ?
そんな顔をしないでくれよ。
ま、そんな事はどうでもいいんだ。
この世界のルールを説明しよう。
第一に、自分が大切だと思った人以外は殺しても構わない。
煮るなり焼くなり解体業するなり自由にしてくれたまえ。
良心は傷まないのか?
んなもんゴミ箱に捨てちまえ。
情けなんていちいちかけてたら自分が死ぬぞ。
第二に、他人の妻や娘、息子や夫を許可なく攫う、などなどのモラルに欠ける行為は辞めていただく。
見苦しいからね。
あ、別に殺人は構わないよ。
僕には良心っていうものが欠けてるからね、目の前で誰かが切り刻まれようと僕が大切な人以外は眉一つ動かさない自信がある。
第三に、メメニック孤児院の奴らのことだ。
あいつらに関しては、攫ってもモラルに欠ける行為をしても一向に構わない。
最低な奴らだからね。
メメニック孤児院は、どんな事があろうとも必ず会う相手だ。
覚えておきたまえ。
あとこれはルールではないけど、このペンダントと髪飾りをプレゼントしよう。
気まぐれに君を助けてくれる。
さて、この世界のルールは以上だ。何か質問があるかい?
無いようだね。
ではGood Luck。
幸運を祈る。
最後の餞別だ。
僕の正体ぐらい教えて上げる。
僕の名前はーー
スタート画面
《追憶のMEMORIA》
スタートしますか?
➢はい いいえ
データの読み込みを開始します。
・・・読み込み中・・・
データの読み込みが完了しました。
MEMORIAに転移します。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
第二話も早めに公開する予定なので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。