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episode 5 交流

今回も開いていただきありがとうございます。

あらすじに追いつくまでもうしばらくお待ちください。


学校のチャイムが鳴り、俺たち学生の大半が望んでいる放課後の幕が上がる。


「なあ、今日はカラオケ行かね?」


「「さんせーい!」」


「よし、なら行きたいやつはこの後玄関集合な!遅れんなよー!」


「「りょうかーい」」


湊阿須賀、クラスの中心的存在。そして阿須賀は小学校からの長い付き合いになるのだが、昔の自分を知られているせいかあまり関わってこない(純粋に俺のことが嫌いなだけかもしれないが)


おそらく、昔はみんなの中心に立つようなタイプじゃなく、クラスの端にいる本ばかり読んでるタイプ、いわゆる隠キャラだったことを知っている俺を近くに置いておきたくないのだろう。


まあ、それを言う気はさらさらないけど。


まあ、高校デビューを見事成功させ、カーストトップ女子の、カーストトップ女子による、カーストトップ女子のためのモテ男ランキングにも名を連ねるようになった彼にとっては小学時代は黒歴史なのだろう。


俺たちが通う清灯高校は、先週、中間考査も終わり夏休みまで1週間を切っていた。


テスト期間が終わったことと夏休みがもう間近なところで浮かれている彼らが少し眩しかった。


夏休み、そのワードはどうしてもあの日のことを思い出してしまう。


凪に嘘をついた、凪が亡くなったあの日のことを。


「ボケっとしてどうしたの?」


ふと前を見ると不思議そうな顔で楓が目の前に立っていた。


「俺、ボケっとしてたか?」


「自分がボケっとしたことすら気づいてないって相当じゃーん。結城はカラオケ行くの~?」


「みんなにノッて行くタイプでもないだろ?俺はパスするよ」


「えー絶対結城が来るって言ったらみんな喜ぶから~ほら行くよー♪」


「いや、だから行かないって」


「大丈夫!結城に拒否権ないから!」


向日葵のような笑顔を見せる楓。


ほんと、何が大丈夫なんだか......


行くつもりもなかったのに楓に強引に手を引かれ気づけば集合場所の玄関に辿り着いてしまっていた。


俺はもしかすると楓のその笑顔と彼女に似た強引さに凪を重ねてしまったのかもしれない。


だが、楓は楓。


それでも少しだけ自分に向けられたその眩しい笑顔が少し嬉しかった。


「よし、ここで人数締め切ろう!って結城もくるのか?」


「俺がいちゃ悪いか?」


「いや、別にいいさ。人数多い方が楽しいからな」


「えー結城くんも来るんだ!」


「やったね楓!」


「ほんと、マジそんなんじゃないから~」


ふと、メンバーを見渡してみるとその中には幼馴染の一人、伶奈もいた。


「伶奈、お前もカラオケ行くんだな」


「岳こそ......こういうの好きじゃないくせに」


「楓から誘われたんだよ。ほぼ強引にな」


「ふーん、岳は楓のこと好きなの?」


女子ってのはすぐそういう話に繋げたがる。


まさか伶奈からこの質問を受けるとは思わなかったけど。


「なんでそうなるんだよ。俺に好きな人なんて今更できねえよ」


「ふーん、そっか。やっぱり岳はまだ......」


「なんか言ったか?」


「な、なんでもない。早く行かないと遅れちゃうよ!」


そう言い、伶奈はクラスの輪の中に戻ってしまった。


やっぱりあの頃のように伶奈と話すのは無理なのかもしれない。


俺はあの頃とは全く違う現実を見せつけられたような気がした。


……


「よっしゃ、じゃあまずは俺から歌いまーす」


「よーし、歌ったれー!」


「......~夢の咲く場所がここにある~♪」


「よっ!さすがにっしー。同じ苗字なだけはあるねえ」


「俺の名前は北島だよ!」


「へーい!ナイスツッコミー!」


結局、楓に誘われたカラオケは2時間続いた。


何故かはわからないが、気づけばマイクを握らされ、伶奈とデュエットすることになっていたのはいまだに謎だ。


しかもガンガンのラブソング。


楓もデュエット後からは不機嫌で俺に話しかけようとすらしなかったな。


ともかく、今年初?のクラスとの交流は終わった。


ほとんどの高校生が楽しみにしている夏休みがもうすぐ始まる。


そしてこの日から1週間経った、夏休みの初日を迎える俺は不思議な夢を見るのだった。


ここまでご覧いただきありがとうございます。

よろしければブクマ、評価、感想お待ちしております。

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