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episode 2 変化

本日3話目、第2話です。

よろしくお願いします!


俺は逃げるように家を出て学校へと向かう。


田舎道を歩きながら、母さんに言われた将来のことを少し考えてみたりもする。


将来か......特にやりたいこともなりたいものもない。だから、きっとこのまま無難に勉強して、普通の大学に入って、普通の企業に就職する。


そんなところだろうと思うし、きっとここにいるほとんどの人が同じような人生だろ?


もう人生を送ることすらできない人もいるけどな......


「結城ーおはよー!」


「あー楓か。おはよ」


「なによーその反応!朝から白けた顔してたら幸せ逃げちゃうぞー?」


どうやら、色々考えごとをしていた俺の顔は相当暗いものだったらしい。


「逃げるような幸せが俺にあるかなー?」


ついそんな自虐が口に出る。


「うーん......言われてみればないかもっ!まっ!今日も元気よくいこうね!」


「その元気分けて欲しいくらいだよ。全く」


須藤楓、同じ高校に通う同級生でなぜかよく俺に話しかけてくる不思議なやつ。


高校に入ってから積極的に話すのは、いや話しかけてくるのは楓くらいなものだ。


本当、よくこんな暗い俺にクラスの元気ちゃんが話しかけてくるものだと不思議になる。


あの頃、仲の良かった幼馴染たち?


5年前と変わってしまったもの......


それは凪が亡くなったことだけではない。


彼女の死で俺たち3人の人間関係も同じように無くなってしまった。


幼馴染の1人、伶奈とは顔を合わせば話す。


当時、凪が死んだ直後は俺の事気にかけてくれていた。凪が死んだショックを俺と同じくくらい感じていたはずなのにいつも俺を励ましてくれた。


凪は居なくても3人まで離れる必要はないって言ってくれたのも伶奈だ。だけど凪がいない、それを受け止めきれない俺は結局それを拒んでしまった。


そして中学を卒業したあたりからだろうか?いつからか俺に対しての態度が余所余所しくなり、2人でいる時間は減っていった。


そしてもう1人の幼馴染、隼人とはいつのまにか犬猿の仲と噂されるまでになっているらしい。


流れてる噂を鵜呑みにするのなら、何事にもやる気を出さない俺に隼人が怒っているらしい。


確かに、昔から隼人とはぶつかることも多かった。


だけど、それはあくまで競う意味合いの方が強く、いいライバル関係といった感じだった。何故かいつも俺がやろうとすることと同じことをしてみたり、本当にあいつも負けず嫌いだったよな。


そう考えるとやはり伶奈のことはともかく隼人、そして凪が死んだのも俺たちの関係が崩れたのも全部自分のせいなんだと痛感する。


誰にでも優しい伶奈は彼女らしく生きている。


隼人も文武両道のイケメン、何をやっても完璧、上下関わらず告白の嵐だ。そう、きっともう俺たちが交わることはない。


それぞれが違う道を選んだんだ。


だけど......


あいつらは凪のこともう忘れちまったのかな?


答えのない質問を俺は1人で繰り返した。


いくら考えても無駄か......


もう5年が過ぎたんだ。


凪はもういない。それだけが事実だ。


だから、俺たち3人が凪のこと含め、また再び関わることはないのだとこの時は......


そう思っていた。


ここまでご覧いただきありがとうございました!

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