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Prologue
「行かんといて…
行かんといてや愛華」
今でも時々思い出す
あの日を。
泣き虫な男の子を。
顔も覚えてないくせに、
懐かしさばかり胸の内を支配するんだ。
だからきっと、
私が忘れてはいけないことのはずだった。
「これなくしちゃあかんよ」
手渡されたソレには、一体どんな意味があっただろう。
私はほとんど忘れてしまった
ごめんね
想い出のあの子。
キミはどこまで憶えているのかな…
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『愛色SHERBET』
まだ小さな弟だと思ってた
昔は私がお姉さんだったのに。
そりゃ変わるよ。
「5年もたったんだから」
_でも、男女の友情もありえる、よね…?