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「あの写真見た?」

「見た見た、瑠璃ちゃんって見かけに寄らず最低だね」

「ほんと…横山くんも明美ちゃんもかわいそう」


ここは例の教室だ…キスシーンの写真は学校中の生徒に拡散した。

もちろん犯人は横山悟とその他3人だ。

中川瑠璃は親友の加賀橋明美を裏切り、横山悟を校舎裏に呼び無理矢理キスした…。噂の内容はこんな感じだった。


横山悟は「俺は、加賀橋さんの事がずっと好きだったんだ…だから告白されたときはすごく嬉しかった…それなのに中川さんに…「キスしてくれなきゃ、明美と絶好する」って脅されて、俺は加賀橋さんが中川さんの事を大切に思ってるの知ってたから!悲しませたくなかった……」と加賀橋明美に伝えたらしい、キスシーンの写真に学校中の噂、そして大好きな横山悟の言葉が重なった結果 加賀橋明美はそちら信じた。


被害者のはずの中川瑠璃は加害者扱いを受けた挙げ句、真実を話す事も出来ず加賀橋明美からも拒絶された。


「明美…」


生徒達が帰りの身支度を始めた頃、中川瑠璃は意を決して加賀橋明美に声をかけたが


「言い訳なんて聞きたくない!どいて!


加賀橋明美はそれだけ言い放つと教室を出ていった。

その場に取り残された中川瑠璃はクラスメイトの目も気にせず涙を流した…


俺は加賀橋明美の方を追いかけるべきか迷った結果、帰り支度をする中川瑠璃を待つことにした。

別に可哀想だからって訳じゃない…親友の話もろくに聞かず、裏切られたと決め付けるような女より、親友の為に被害者になった中川瑠璃を見ていたいと思っただけだ…まあ、どっちを選ぼうがこの勾玉に願えばいつでも好きな場面に飛んでくれるのだから…正直どちらでもいいが。


『いつまで泣いてんだよ…』


帰り支度を済ませ帰路に就いた今も 中川瑠璃の目からは涙が止まる事はなかった。

女の涙には正直弱い…「可哀想」とか「何かしてあげたい」とは思わないものの、何故か胸の辺りがモヤモヤするんだ…『女の涙は武器』って言葉もあながち間違っていないのかもしれない…。


住宅街の一角にある白い一軒家の前で中川瑠璃の歩みが止まった、どうやらここがこの子の家みたいだ…玄関の前まで来ると鞄からおもむろに鏡を取り出し眼と頬の涙を拭ってから「ただいまー!」と元気な声で扉を開けた。


ローカの先から母親らしき人物が現れて「おかえりなさい」と中川瑠璃を出迎える、先程まで泣いていたのが嘘のように笑顔を見せるが、さすが母親だ「何かあった?眼が少し赤いわよ?」と直ぐ様娘の異変に気づいた。


「今日は一段と花粉が酷くて…お母さん明日から目薬持って行くから出しといて?」そう言い残すと中川瑠璃は階段を上がった先の自分の部屋へと向かった。

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