一
途中から主人公目線に変わります。
突然だけど君は幽霊や悪魔…それから神の存在を信じるかい?
そうか…じゃぁ…そんな君の為にこの物語を見せてあげよう。
ここはとある学校の教室だよ
え?大丈夫だよ…僕たちの姿は誰にも見えないから…だからって女の子のパンツとか覗くのはダメだよ?くぷぷ…冗談冗談!君がそんな事しないって事くらい僕だって分かってるよ。
あ!ほら!見て!物語が始まるよ!
「明美…ちょっといい?」
「…………」
あの不機嫌そうに帰り支度してる黒髪ちゃんが加賀橋明美でその側でおどおどしてる三つ編みちゃんが中川瑠璃。
こないだまではお互いに「親友」って言ってたくらい仲が良かったんだけどね…ちょっと色々あってさ、今はあんな感じ
「あのね…」
「言い訳なんて聞きたくない!どいて!」
「………」
あ~ぁ、話くらい聞いてあげればいいのにね?ほら、三つ編みちゃん泣いちゃった…
ん?二人に何があったのかって?それはね…………あ!電話だ、ちょっと待って……ゴニョゴニョ…ゴニョゴニョ…………ピッ
ごめーんo(T□T)o信霊協会から呼び出されちゃったよ…Σ(ノд<)え?大丈夫!これ持ってれば好きに移動できるから、僕が戻って来るまで好きにしてて!!じゃ!行ってきます!!
「わかった」と言おうとした次の瞬間には黒夢の姿は見えなくなった。
俺の手に残ったのは、黒い勾玉が1つ。
それにこの物語だけだった。
俺の名前は神澤春馬、今日は会社で珍しく誉められた俺は帰りに意気揚々と飲みに出かけた、少し飲みすぎたからなのか、家に帰ってスーツも脱がずにベットに入った記憶がある。
そして……夢のなかに先程の男が現れ「信霊協会から派遣された、黒夢だよーん♪よろぴく☆」なんて馬鹿げた自己紹介しながら握手を求めて来た。見た目は二十歳前後、全身黒一色の髪や服、だがそれと対照的な生きてるとは思えない程に白い肌…そこに飾られた紅い瞳。『綺麗だ…』それが黒夢の第一印象だった。
それから「突然だけど…」とこの物語が始まったのだ。まあ、この物語ってのも黒夢も全部俺の夢…なんだろうけど。