傷を負う
「二人とも遅いなぁ」
昨日妖の被害があったので局長と土方さんは仕事のため新鮮組屋敷には居なかった。
でも二人は次の日になった今日もすでに昼、まだ帰ってきてないのだ。
「まさか…二人とも私をおいて旅行に行ったんじゃ…」
すこし涙がでた。あの二人ならありえる。
私とこんぺいとうだけじゃまともに仕事できない。本気でそう思っていたときに1人現れた。
「沖田さん、大変です。」
そう発言した者をみると、幕府陸軍の格好をした兵隊がいた。
「私は幕府陸軍奉行、土井利善と言います。」
うな土井と名乗った彼女は自分を陸軍奉行と言った、なぜ彼女のような奉行がこんなところにいるのだろうか、そう思ったとき、彼女から信じられない一言が出た。
「昨日、近藤勇、土方歳三の二人が妖に襲われ意識不明の重症になりました。一命はとりとめましたが意識が戻っていません。二人とも手練れの剣士であることはよく知っています。しかし彼女たちでさえ太刀打ちできなかったことを重くみた私たちは妖討伐の任を受けました。そこで私は貴方に協力を要請しにきたのです。受けてくれますね?」
彼女は何を言っているのだろう?
局長と土方さんが襲われた?
妖に負けた?
そんなはずはない。私は手合わせで二人に一度も勝ったことがない。そんな二人が負けるわけがないよ。
でももし本当だとしたら私は勝てるのだろうか。二人に勝てない私が二人を倒した妖に勝てるのか。
「もし協力してくださるなら明日の丑の刻、討伐を開始しますのでこちらまでおこしください。」
場所の書かれた紙を私の前におき去っていった。
二人が負けた。
そう思うだけで私は震え、動けずにいた。
そうして一日は過ぎていった。