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一つの新撰組
月が街を照らす。
街灯など無く月明かりだけが街を照らす。
そんな中一人の男が歩いている。
手に刀、着物には返り血。
辻斬り、江戸時代存在した夜道を歩く人殺し。
そんな男はただの人殺しだが、男を追う人物から見ると違う。
妖にとりつかれ悪事を行う。
妖から男を救う存在。
「貴方には恨みはありません。ですが妖から救うためです。お許しを。」
男を肩から切り落とす。
「あ……私は何をしていたのだ……」
男は生きていた。男を救う存在は妖を切った。
「あなたは妖にとりつかれていました。その傷は救うためにつけてしまいました。お許しを。」
「あぁ……ありがとうございます。救ってくださったのですね……」
男は傷を負いながらも感謝した。男を医者に送り救った者は去ろうとした、その時に
「名前だけでも教えてもらえないでしょうか……」
男がそう尋ねると、その者は
「……新撰組、沖田総司と申します。」