青いカラスの呪い
彼は、長年探している。彼にかけられた奇妙かつ残念な呪いを解く鍵を。
今でこそ、全身くすんだ青羽に覆われたやせっぽっちな彼は、かつては艶黒の美しい翼を持つ逞しい男だった。
同性にも慕われ、女にもモテる彼は毎日優雅な生活を送っていた。
ある日、彼は青い髪の女に告白をされたが、「俺は何者にも束縛されたくない。それに黒を持つものしか愛せないから」と彼女の告白を突っぱねた。
青の髪の女はそれを聞くと激高し、「そんなに黒以外を認められぬのなら、お前の姿も変えてやるわ」と叫んで、彼を皮と骨ばかりでくすんだ青色のカラスに変え、謎の言葉と共に姿を消した。
『いつか愛するものに身を任せられるまでその呪いは続くだろう』と。
その鍵を求め、空腹な身体を引きずりながら、彼は今日も呪いを解く術を捜している。