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視力1.5の筆者、眼鏡デビューしました!

掲載日:2026/10/07


視力1.5。眼鏡とは無縁の人生を送ってきた。


しかし近年、眩しさに拍車がかかり、外では常にサングラスをかけていた。店内の照明も眩しい。


そんな折、湯兎さんの「視覚の感覚過敏」について書かれたエッセイを読んで、私は調光レンズの眼鏡を作ってみようと思い立った。


眩しさを少しでも軽減できるなら、試してみる価値はある。


そうして眼鏡店を訪れ、視力検査を受けたところ、思いがけない事実が発覚した。


「ちょっとだけ遠視と乱視がありますね」

「はい?」


どうやら、私は遠視と乱視を持っていたらしい。


検査をしてくれたお姉さんに詳しく話を聞くと、遠視は、ピントを合わせるために目が常に頑張らなければならない状態。乱視は、ものの像がブレて見える状態らしい。


「レンズに度を入れます?夕方の眼精疲労が楽になると思いますよ」

「じゃあ、お願いします」


試験用の眼鏡フレームをかけてみる。


「乱視用のレンズは視界が四重に見えます」

「では、今回は遠視だけのレンズにしましょう。右が0.5、左が0.25で入れるので試しにかけてみてください」


乱視用のレンズを抜いて再装着。


「……おお、くっきりとは見えないけど、なんか見やすい」

「良さそうですね。ではこれで作りますね。今調光レンズの在庫が無いので、10日後に受け取りに来てくださいね」

「……は、はい(遠いな!?)」


こうして私は、10日後、人生初の度入り調光レンズ眼鏡を手に入れた。


店頭で早速、眼鏡をかけてみる。


その瞬間、視界が平面化した。

3D画面から2D画面になったような感覚。目の前の景色が、少し遠くに引いたようにも感じる。


例えるなら、4K映像を常に見続けていた視界が、眼鏡越しだとブラウン管テレビくらいの画質になった。


いや、画質が落ちたというより、余計な力を抜いて見られるようになった、というべきか。


高解像度の視界を常に見ていれば、それを受け取る目も、処理する脳みそも疲れる。


おお、目が楽だ。


少し視界が歪むのは気になるものの、頭が一キロ軽くなったのではないかと思うほど、軽快さを感じる。


これは、長年の首こり肩こりも良くなるのでは?

そう期待しながら、るんるん気分で帰宅した。


調光レンズの実力は、あいにくの雨天であまり確認できなかった。けれど、度入りレンズの効果は、店を出る前からしっかり実感できた。



三日後、ようやく晴れた。


我が家の三歳児を保育園バスに送り届けるため、朝日が燦々と差し込む野外へ繰り出す。


まず、レンズが反応してスゥッと暗くなる。眩しくない。ちらっと眼鏡を外してみると、結構濃いめに暗くなっていた。これは期待できそうだ。


しかし、朝日の直射日光が当たるバス停に出ると、状況は一変した。


視界は暗いのに、めちゃくちゃ眩しい。


どうやら、斜め上から入ってくる朝日の光線が、目に直撃しているようだった。瞳孔が開いているところに直射日光。


そりゃ眩しい。


次の日から、帽子と眼鏡はセットになった。



五日後。


眼鏡をかけ続けているせいか、元々あった肩こりが尋常じゃなく痛み始める。


眼鏡を外すとスッと痛みが引くので、食事中などは外すようにして、様子を見ることにした。



かけ始めて一週間。


視界の歪みはほぼ無くなり、裸眼でも眼鏡をかけていても、あまり変わらない視界を確保できるようになった。


一方で、子どもに顔面をすり寄せられて眼鏡が鼻にめり込み、着替えれば眼鏡が吹っ飛び、温かいミルクティーを飲もうとすれば湯気で視界が真っ白になる。


眼鏡のある生活、思っていたよりイベントが多い。


ちなみに、眼鏡をかけ続けても肩が痛まなくなった。ただ、期待していた長年の首こり肩こりは、そこまで変わらなかった。



そして、思わぬ変化があった。


今まで私は、目の「しょもしょも感」を、疲労を測る指標にしていた。


目がしょもしょもしてきた。そろそろ疲れているな。そんなふうに、体全体の疲れ具合を判断していたのだ。


ところが、眼鏡をかけ始めてから、その「しょもしょも感」がぱったり消えた。


もちろん嬉しい。眼鏡を作った甲斐はあった。

ただ、疲労を教えてくれていたセンサーが一つ消えたような感じもする。


目が疲れないからといって、体まで疲れていないとは限らない。


今の私は、自分の疲労具合をうまく把握できていない。この新しい「疲れの感じ方」には、もう少し慣れる必要がありそうだ。



そんなある日、職場の健康診断があった。


眼鏡をかけた状態で視力を測ったところ、結果は1.5。うむ、かなり馴染んできたらしい。


ただ、ランドルト環は、意識してピントを合わせにいかないと見えなかった。今まで私は、これを無意識のうちに、目に入るすべての景色に対してやっていたのか。


そりゃ疲れる。


そういえば、直射日光は別として、眩しさがだいぶマイルドになった。


というか、眩しさの一部は、眼精疲労から来ていた可能性もある。


眩しさを自覚したのは中学生の頃。遠視が生まれつきのものだとしたら、その頃から、目のピント調節には人知れず負担がかかっていたのかもしれない。


視力が良いからといって、目が楽に働いているとは限らない。


今、視力に困っていなくても、眼精疲労が気になる人は、一度気軽に検査を受けてみてほしい。


私の周りに遠視で眼鏡をかけている人はいない。


でも、私自身がそうだったように、視力が良いことを理由に、目の疲れを見過ごしている人は案外いるのかもしれない。




眼鏡をかけたことで、「外す」という動作を手に入れた。


ここぞという時に眼鏡をスチャッと取り、覚醒ごっこができるようになったのは、とても大きな収穫であろう。



みんなが困っている!そこへ白鐘登場!


眼鏡、スチャッ!



「私に任せておけ」



うん。超カッコいい。


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― 新着の感想 ―
調光レンズに寿命があるのですか!? とたった今びっくりした調光レンズユーザー湯兎です。知らなかった……。 さっそくエッセイを書いていただいてありがとうございます! 自分ではわからない体験に目から鱗が…
私も35歳くらいからめっちゃ眩しさを感じるようになりました_:(´ཀ`」 ∠): 調光レンズは帽子とセットで使うべし。これは初めて知ったので目から鱗です! 白鐘さんのエッセイほんと読みやすくて好き♩
長年の眼鏡ユーザーです。 乱視って、視力関係なく発生するものなんですねぇ……浅学ゆえ知りませんでした。私も目ん玉乱太郎なので眼鏡を外してると色んなものが分身して見えます( ´∀`)ノ ナカーマ! ちな…
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