Episode 49「本日のメニューは“爆辛星のふわとろスープ”――“辛さ以外信じない”灼熱怪人、来店!!」
カンカン照りの昼下がり。
にも関わらず、店の入り口が**ボゥッッ!!**と発火。
現れたのは、灼熱怪人バルファルド。
体温1000度。火山地帯でしか生きられない。
食事のモットー:「辛くない=存在価値なし」
舌も胃袋も焼き専用。温度と刺激が生命線。
バルファルド:「オレに出す料理はただ一つ――“辛いか死ぬか”だ!!」
常連たち(ボソボソ):「うわ……出た、“味覚破壊者”だ……」
「前の店じゃスープ飲んで爆発事故になったって……」
グルモス、厨房にて無言。
「なるほど。“熱しか知らねぇ奴”か。
なら、“ぬくもり”でブン殴るしかねぇな」
【本日のメニュー】
ふわとろ“月卵”と銀根の滋養スープ
宇宙銀根をじっくり煮込んだ出汁に、月卵(高栄養卵)をふわとろ状態で落とし込む
辛味はゼロ。代わりに、じんわり芯まで温まる構造
胃が“初めて優しくされた”と思うレベルの一杯
一見地味、しかし“熱いだけじゃない熱”で殴る
バルファルド:「なんだこれは……辛くない……?ふざけてるのか?」
グルモス:「辛いだけが“火”じゃねぇ。“芯から温める”のも、“炎”だ」
ぐっ……
ずずっ……
バルファルド:「…………あれ……?
なんだこれ……胃が、……泣いてる……?」
ふわとろが喉を通るたび、
バルファルドの内火が、静かに和らいでいく。
バルファルド:「こんな味……初めて……
今までの辛さ、全部“傷を隠してただけ”だったのかも……」
グルモス:「辛さで殴るだけじゃ、誰も満たされねぇ。
“味”ってのは、“心”の火加減だ」
バルファルド、立ち上がって――
手を合わせる。
「……ありがとう。“辛くないのに、燃えた”料理……だった」
【店内・火傷未遂の常連コメント】
スビョーン:「バルファルド、初めて汗じゃなく涙出したな」
ピヨヨヨ:「あいつ、“俺、明日から温泉通う”って言ってた」
ゴローニャ:「グルモスって、味で“性格”まで直すんだな……」
次回予告
Episode 50「本日のメニューは“今日も元気なうどん”――スパイダー公爵、まかない“初挑戦”の回!!」
ついにスパイダー公爵、グルモスから“まかない料理”のチャンスをもらう!!
テーマは「今日も元気に出ていけるうどん」!?
美学と現実のはざまで、公爵のまかない戦争が始まる――!!




