Episode 48「皿洗いの日常、そして――“料理怪人の弟子、爆誕！？”」
グルモス亭・朝――
開店前の厨房には、
マントを脱ぎ、バンダナを巻いた**スパイダー公爵（皿洗いver）**が立っていた。
スパイダー公爵：「……なぜ我は“泡立てネット”と格闘しているのだ……？
昨日までの私は、銀河を論じていたのに……」
グルモス：「うまい料理は“うまく洗った皿”に乗せる。
お前の理論、泡に流して出直せ」
【公爵、修業一日目の記録】
野菜の皮むきで、「この食感はアート！」と詠う → 怒鳴られる
スープの味見で感動して勝手に命名 → 怒鳴られる
ゴミ出しの袋に香りを感じて泣き出す → 無視される
それでも、彼はふと気づく。
スパイダー公爵（内心）：「この場所には、“評価”も“点数”も存在しない……
ただ、誰かの“今日”のために、皿が並び、誰かの“心”が回復していく……」
グルモス：「食わせて、帰らせる。
それで、今日も誰かが“また明日”を言えれば、それでいい」
その言葉に、公爵の全触肢が震える。
スパイダー公爵：「……私は、料理を“満たすため”に作ったことが、なかった……」
【その夜、厨房の端で小さな“まかない”が出される】
グルモス：「これが今日のお前用。“皿洗い定食”だ」
出汁茶漬け with 昼のまかない野菜
派手さゼロ、優しさ全振り。
“今日もよう頑張った”の味しかしない。
一口。
スパイダー公爵、泣く。
「この味……私のために……私だけの、ために……」
【店内・常連ボソボソ応援団】
スビョーン：「公爵、皿割ったの3枚で止まったらしいぞ」
ピヨヨヨ：「すげぇ成長……昨日6枚だったもん」
ゴローニャ：「あいつ、“料理の沼”に片足突っ込んだな。抜けられねぇぞ」
次回予告
Episode 49「本日のメニューは“爆辛星のふわとろスープ”――“辛さ以外信じない”灼熱怪人、来店！！」
「辛くなきゃ“味”じゃねぇ！！」と叫ぶ、灼熱系怪人が店に現れた！！
でもグルモスが出したのは――“ふわとろ”！？
味覚の激突、その真意は…！？
