Episode 44「ボソボソ記録特集:常連怪獣たちの“うまい日常”回!!」
今日は特別な事件もなければ、目立つ客もいない。
でも、店は静かに満席。
カウンター、テーブル、小上がり、外の縁側。
それぞれに、**“いつもの奴ら”**が座っている。
グルモス:「……今日のメニューは“地味で最高”だ」
【本日の定食】
銀根ごはんと小宇宙漬け盛り定食
香ばしい銀根を炊き込んだふっくらご飯
自家製の小宇宙野菜漬け5種
出汁と塩の効いた具なし味噌スープつき
“派手さゼロ。うまさマックス。”それが常連のための定食
【カウンター・ピヨヨヨ&スビョーン】
ピヨヨヨ:「なぁ…ここの漬物、日によってちょっと味違うよな?」
スビョーン:「気づいた?あれ、グルモスの“気分”が出てんだってさ」
ピヨヨヨ:「あいつ、無言で機嫌が漬け物に出るのやばない?」
スビョーン:「今日は……やや甘い。つまり誰かに優しかった日だな…」
【小上がり・ゴローニャと謎のぬるぬる系怪獣】
ゴローニャ:「最近思うんだが、俺ら……もう誰とも戦ってねぇよな」
ぬるぬる:「俺なんか戦う気力もない。飯と風呂があればいい」
ゴローニャ:「ここ、帰る前に寄ると“明日も生きてみるか”ってなる不思議な場所よな」
【外席・おっさん怪獣たちの人生相談会】
怪獣A:「息子がヒーローに憧れててよぉ…複雑なんだよ」
怪獣B:「あーうちもそれ。“地球の味”食わせとけ、だいたい落ち着くぞ」
怪獣C:「グルモスの白飯、精神安定剤説あるからな…」
グルモスは何も言わず、ただ**“いつもの量より少しだけ多め”**に盛っていた。
そして――
空っぽになった食器が、何も言わずに返されていく。
【ボソボソ記録帳・本日追記】
「今日は誰も怒らなかった」
「椅子が壊れなかったの3日ぶり」
「漬物がちょっと優しかった」
「“戦わない奴”が、今日も全員、生きて帰った」
次回予告
Episode 45「本日のメニューは“黒星豆の月見焼きカレー”――グルモス亭、静かなる満月の夜!!」
その夜、店にやってきたのは、“満月しか来ない謎の怪人”。
何も言わず、ただカレーを見つめる。
月を眺めながら食う一皿、静かな夜の静かな来訪者。