Episode 42「本日のメニューは“銀星のあったかポトフ”――ヒロイン見習い娘、空腹と迷いのまま初来店!?」
夕方近くのグルモス亭。
今日は、やけに風が冷たい。
グルモス:「……風の中に“未熟”が混じってる。
でも、“まっすぐ”だ」
ドアが開く。
ちょっと大きめのスーツに身を包んだ、
見習いウルトラヒロインの少女が、フラフラと入ってくる。
名前はルーナ。
訓練生。まだ変身もできない。
背伸びして強がるけど、お腹だけは正直。
「強くなれば何も怖くない」って言い聞かせてる最中。
ルーナ:「す、すみません……ここ、“戦闘支援ステーション”じゃ……ない、です……よね……?」
グルモス:「いや、“戦闘支援”にはなってるかもな。
心と腹のな」
【本日の一皿】
銀星のあったかポトフ 〜ふろふき根菜と重力肉団子入り〜
銀星の根野菜をじっくり煮込み、体に染み渡るスープ
重力環境で育てられた肉団子は、ぎゅっと凝縮された旨味
薄味だけど力強い、“育てる味”のポトフ
一口目で、ルーナの瞳が揺れる。
「……あれ……?なんか、なみだ……で、ちゃうのって……
つ、つよくなりたいだけ、だったのに……」
グルモス:「強くなる奴ってのはな、“誰かの味を忘れねぇ奴”だ。
お前は、今それを食ってる。
それだけで、もう十分ヒロインだよ」
ルーナ、ぽろぽろ泣きながら、
全部飲み干したあと、小さく敬礼。
「いつかまた、変身できるようになったら……
この店のために、戦えるくらい強くなります……!」
グルモス:「いいから、次もちゃんと腹空かせて来い。
“強い”はその後だ」
【店内・ほっこり見守り会話】
スビョーン:「新人ちゃん……泣きながらポトフって……もうヒロイン認定じゃん…」
ピヨヨヨ:「あの子に“帰れる店”ができたことが、もう強さだと思うわ」
ゴローニャ:「グルモスが“見習いに渡す初メニュー”って、いつも本気なんだよな……沁みるぜ」
次回予告
Episode 43「本日のメニューは“宇宙チーズの焦がし焼きリゾット”――怒れるウルトラヒロイン、謎の“ヤケ食い”来店!!」
その日現れたのは、なぜか全身ピリピリ怒ってるウルトラヒロイン。
話しかけても無言、でも箸は進む――!?
グルモス、**“黙って怒りを和らげるメニュー”**で迎え撃つ!!