Episode 41「再来、カグヤ――“空席”に目を落としながら、彼女が静かに告げる未来のこと」
午後のグルモス亭。
今日はゆったりとした時間が流れている。
グルモス:「……来るな。今日は、あの上品な足音」
扉が開く。
ウルトラヒロイン・カグヤ、再び来店。
いつもと変わらず、物腰は優雅で静か。
けれど、彼女の目は、まっすぐ**“あの席”**を見つめていた。
そこはかつて、アカリたち出禁三人娘が賑やかに座っていたテーブル。
今は静かに空いている。
カグヤ:「……あの席。
いつか、また皆で座れたら……
そんな日が来れば、きっと、笑顔も戻るでしょうか」
グルモスは無言で厨房へ。
しばらくして出されたのは――
【本日の特別一皿】
星月夜の蒸し菓子と宇宙蜜茶のセット
しっとりした銀杏風味の蒸し菓子
中には“星芋”のあんが月の形に包まれている
苦みの少ない宇宙蜜茶と共に、**“夜明けを待つ静けさ”**を味わう一皿
カグヤ、そっと口元を綻ばせて、
それを静かに食べる。
カグヤ:「……まるで、“静かな約束”のようなお味ですね」
グルモス:「その席が埋まるかどうかは――
あいつらの“空腹”次第だ」
【店内・空席を見つめる常連たち】
スビョーン:「なんかさ、今日は誰もその席座らないよな……」
ピヨヨヨ:「カグヤさんの言葉、ちょっとずつ俺らにも響いてきてる気がする」
ゴローニャ:「“帰ってくる場所”って、空けとくからこそ価値があるのかもな……」
カグヤ、帰り際にふと振り返って言う。
「グルモス殿……
あの子たちの“胃袋”は、あなたに“まだ満たされたい”と申しておりますよ」
グルモス:「なら、俺は“うまい”を作り続けるだけだ」
次回予告
Episode 44「本日のメニューは“銀星のあったかポトフ”――迷い込んだヒロイン志望の見習い娘、初来店!?」
ウルトラヒロインを目指している、まだ訓練生の少女が道に迷い、空腹のままふらりとグルモス亭へ。
そこで出会うのは、“強くなる”よりも“あたたかくなる”一杯――。




