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Episode 4「正義と料理は相容れぬ!?ウルトラヒロイン襲来」


星塩を手に入れ、次なる食材探索へと旅立ったグルモス。

彼が立ち寄ったのは中立惑星ラ・レーヴ。

そこはウルトラヒロインたちが巡回する“戦略星域”。


グルモスはその一角で、野外調理中だった。

香るのは星塩を使った銀河サーモンの塩釜焼き――。


が、その時。


「発見。危険種認定怪人、グルモス=コードD‐K‐001。即時、討伐対象とする」


空から降り立ったのは、青と銀のスーツに身を包んだウルトラヒロイン。

名前はまだ明かさず、冷徹な目でグルモスを見下ろしていた。


「へぇ……正義の味方ってのは、まず“名乗らずに殴る”んだな?」


「問答無用。君の戦闘記録は複数の星で確認されている。

 “食わせることで戦闘を止めた”という報告は、むしろ精神干渉の疑いがある」


「おいおい……“うまい飯”が罪になる星、初めてだぜ」


次の瞬間、閃光が走る!!


【バトル開始!!】

ウルトラヒロインの連撃――光の刃、重力圧縮キック、波動ブレード。

対するグルモス――鍋フタガード、油煙閃光、フライパンリフレクト!

金属音が宇宙に響き、星塵が宙を舞う。

互角。まさかの互角。


(この料理怪人、戦闘センスも化け物…!?)


だが、グルモスはとどめを刺さない。


代わりに、戦闘の合間に炙っていた銀河サーモンの切り身を、トンッと差し出す。


「食ってからでも、殴るのは遅くねぇよ」


――沈黙。

やがて、スーツのヘルムが外され、露わになる黒髪ロングの凛とした顔立ち。


「……私は“セレナ”。ウルトラヒロインNo.2。……一口だけ、だ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







あくる日


ここは、ウルトラステーションの中枢休憩ルーム。

任務明けのウルトラヒロインたちが集まり、ひとときのオフモードに入っていた。


集まっていたのは――


セレナ:No.2、黒髪ロングのクール美人。例の“銀河サーモン事件”の当事者。

ルミナ:元気系後輩、ポニテ娘。やたら食い意地が張ってる。

カグヤ:大和撫子系、情報分析担当。敬語キャラ。

イグニス:火属性エース、情熱家。すぐ燃える。

オフェリア:超エレガント系、完璧主義の参謀型。

「ねえ、みんな。“筋肉料理怪人”って聞いたことある?」


最初に話を切り出したのはルミナだった。

タブレットで開かれているのは、銀河SNSのグルメトレンド記事。


「フライパンで暴れる伝説の怪人、料理で争いを止める!?」

「その筋肉、無駄に熱い!だけど料理は繊細!? 注目の怪人シェフ“G”の正体とは――!」

「いやそれ完全に“あの人”やろ…」とセレナが呟くと、周囲がザワッと反応する。


「えっ!? セレナさん、知ってるんですか!?」

「会ったんですか? どうだったの? 怖かった!?」

「まさか…口説かれたんですか……!?」


「……戦ってた。で、気づいたらサーモン食べてた」


「おい!!!!」


【妄想膨らむヒロインたち】

ルミナ:「でかいフライパン持って料理しながら戦ってるとか、超カッコよくない!? 絶対うちの星に呼びたい!」

カグヤ:「戦闘能力Sクラス、調理技術Aランク、栄養バランス完璧。……交渉価値あり、かと」

イグニス:「私も会いたい!!勝負したい!!辛さで勝てるか試してみたい!!」

オフェリア:「……くだらない。そんな筋肉に惑わされてはならないわ……(でも気になる)」

最後、セレナのひと言:


「アイツは敵じゃない。たぶん――“包丁よりも、心を研いでる奴”だよ」


その言葉が、静かに響いた。


そして彼女たちは知らなかった。

そのグルモスが、ちょうど新たな旅路に出たばかりだということを――

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