Episode 35「本日のメニューは“銀河焼きおにぎりセット”――ご来店、喋らない子ども怪獣」
朝の仕込み。
グルモスは、米を研ぎながら黙って空を見上げていた。
グルモス:「今日はな、“言葉のいらねぇ日”だ。
俺の“握り”で、全部伝える」
【本日の定食】
銀河焼きおにぎりセット 〜星海苔・銀胡麻・甘みそダレ付き〜
外はパリッと、中はふっくらな焼きおにぎり
味はシンプルに、“塩”“味噌”“胡麻”の3種から選べる
小さな手でも持ちやすく、“温度が心に残る”よう調整された一握り
その日、店の隅にひとつの影が現れる。
ちっちゃな子ども怪獣。
手はもぞもぞ、言葉は出ない。
お腹が鳴って、ぺたんと座ってしまう。
グルモス、なにも聞かず、ただ無言で厨房へ。
三種の焼きおにぎりを、それぞれ“子どもサイズ”で握る。
皿を出す。
スプーンも、箸もない。
ただ、手でつかむだけ。
子ども怪獣、
両手でぎゅっ…と持ち、
ぱくっ。
……
……ぽろっ。
涙が、落ちた。
グルモス:「そいつは“言ってほしいこと”じゃなくて、“食ってわかること”だ。
うまいって言わなくていい。
“ここで食った”って、それだけで十分だ」
【店内・ボソボソ感涙回】
スビョーン:「うおお……あのサイズ……マジで反則……」
ピヨヨヨ:「オレもあんな頃あったかな……焼きおにぎりで思い出すとか泣ける…」
ゴローニャ:「グルモスの握力って、物理だけじゃねぇよな……魂ごと包んでんだよな……」
子ども怪獣、帰るときに、
小さな石をひとつ置いていった。
それは“名前のない星の、お守り石”。
次回予告
Episode 36「本日のメニューは“銀河ソース焼きそば”――再来、ウルトラヒロイン出禁組の“謎の変装チャレンジ”!?」
出禁中のアカリ&セレナ、どうしてもグルモス飯が食べたくて、まさかの“変装入店”大作戦!?
バレないつもりが、最初のひと口で即バレ!?
“焼きそばで暴かれる正体”とは――!!




