Episode 3「宇宙一の調味料“星塩”を求めて、命がけの採掘ツアー!」
「料理に必要なのは、技術、魂、そして――素材だ」
スピカとの勝負を終えたグルモスは、ふと空を見上げた。
燃えるような夕陽の中、彼の脳裏に浮かんだのは一つの調味料。
“星塩”
それは、銀河でも限られた星でしか採れない奇跡の結晶。
ただし――
「採れる場所、惑星グラヴィータ。重力400倍、地殻崩壊の名所だな…こりゃあ、骨が砕けるわ」
【惑星グラヴィータ】
重力:地球の400倍。普通の生物は到達前に押しつぶされる。
地質:地割れ・火山噴火・落石が常に起こる“不安定星”
採塩条件:星塩は地下鉱脈に封じられた“光る塩結晶”。数分おきに閉じる地殻の合間に掘り出すしかない。
伝承:「星塩は“命を捨てた者だけが手にする塩”」
「へっ、こう見えて俺は料理怪人。火山でピザ焼いてた時期もあるんでな!!」
重力対策のフライパン型ブーツを履き、強化調理装甲を纏って、
グルモスは坑道に突入した。
道中、倒れている採掘員を救い、地割れに飛び込む奴を止め、
しまいには地熱噴出をフライパンで受け止めて通路を作る。
“戦わずして助ける。だが全ての行動が、最終的に「料理」のため。”
彼の背に宿るその哲学は、どんな星でもブレない。
【ついに星塩発見】
地殻の奥、輝く青白い結晶が脈動していた。
「これが……星の涙か……」
触れると、パァッと光が溢れる。
塩なのに、ほのかに甘く、舌の奥に静かなうまみが広がる。
それは、料理の“余白”を埋める最終ピース――。
採掘を終えて地上に戻ったグルモスに、待っていた者がいた。
スピカ・バーニア。
「……なぜそこまでして、調味料を追う?」
「ただ食わせるだけなら、今のままでも十分だろうに」
グルモスは少しだけ笑った。
「食わせるためじゃねぇ。**“もっと笑わせたい”だけさ。あんたを。誰かを。世界全部をな」」
その瞬間、スピカの顔にふわりと影が差した。
そして、誰にも見えないように、背を向けながら――
「……バカだな、お前は」