Episode 25「出禁!?グルモス、鉄の掟発動――ウルトラヒロイン、強制退店!!」
いつもの、にぎやかでうるさいグルモス亭。
昼営業のピークも過ぎ、みんなでまかないを食べる和やかな時間――
……になるはずだった。
【発端は、ほんの些細な一言】
アカリ:「ねーセレナ先輩、今日のプリン、ちょっと固くなっちゃってさ〜」
セレナ:「……その程度で出すくらいなら、最初から私のオムライスで締めた方が良かったわね」
アカリ:「なっ……なんでそういう言い方するの!?」
ナユ:「え、じゃあスパイスちょっと足せばさ、もっと深み出たんじゃない?」
シルフィーナ:「スイーツにスパイスを?正気とは思えんな」
あれよあれよと、口論が加速。
カウンター越しにグルモスが鍋のフタを“カコーンッ”と叩く音が響く。
グルモス:「……おい」
全員:「っ……」
グルモス:「――出てけ」
アカリ:「えっ……?」
グルモス:「ケンカすんのは勝手だ。けど、ここは食う場所だ。戦場じゃねえ。
口で殴り合う奴に、“うまい”を出す資格はねえ。……今日から出禁だ」
言葉は静か。でも、その目は一切の容赦なし。
鍋の前に立つ彼から、誰も何も言い返せない。
ヒロインたちは、しゅんとしながら出ていく。
アカリ:「……ごめん」
セレナ:「……次、来たとき、謝るから」
ナユ:「おっちゃん、プリン置いといてくれても……いや、無理だよね……」
【店内・その後】
客席の隅。
超大型のゴツい怪獣たちがブルブル震えてる。
火山怪獣ゴローニャ:「……オ、オレ、昨日ちょっと文句言ったけど、グルモスさん怒ってないよね?」
水滴型ぬめり獣スビョーン:「コショウ入れすぎって言っちゃったの、アレ、セーフ……?」
三目ダンサー星人ピヨヨヨ:「カトラリー落としたの謝ったの聞こえてるかな!?」
常連客・**ゲリュア様(スライム貴族)**が静かに言い残す。
「……“彼の怒り”は、静かで深い味のようだ。
戻ってこれるかは、“次の皿”次第だな」




