表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/165

2-1


10月に入っても無視と激しさを増した怪文書でのいじめは続いている。

これだけの数の怪文書に学校側は気づいてないのか?

気づいてはいるが学校としての体外的な体裁なんかのために黙殺ということなのか?


そして10月の最終週に事件が起こった。

杉本希望が騒ぎ始めた。

希望は柚葉の右側の席だ。

いろんな意味で十分に警戒はしていた。


騒いでいる原因は希望の財布の紛失だ。

確かに鞄の中に入れておいたと主張している。

その発言を間違いないだろうと認めているのが常につるんでいるニ本木真穂と加納花瑠だ。


他の生徒たちはそんな3人をただ見てるだけ。

あまり関わりたくないのだろう。

でもこれではっきりした。

いじめを推進しているのはこの3人に間違いない。


ニ本木真穂が提案があると切り出した。

こんな学校内に泥棒が入ってくるわけがない。

希望の財布をピンポイントで狙ったのなら犯人は必ずこのクラスにいる。

そう主張している。


「先生に相談する前に、希望が誤って落としたかもしれない財布をひろってくれた人はいませんか?

返してもらえたらなんの問題もありません」


真穂が芝居がかったかのように朗々(ろうろう)

と声を上げる。

おそらく父親の真似をしているんだろう。

父親は新宿区議会議員だ。

そしてこの窃盗事件。

昔の小学生がやってたようないじめ古典的パターン。

ターゲットにあらかじめ財布を忍ばせておいて被害者役が財布が失くなったと騒ぐ。

そしてターゲットの机の中から財布が発見される。

まさか現代でそんな古くさい幼稚なことをやるとは思わなかった。

他の生徒たちの中にもそう思ってる者がいるはずだ。


「あっ、これは···」


加納花瑠が大声を上げた。

そしてかがんで柚葉の席の椅子の下から財布を拾い上げる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ