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8-3

あらら、まったりしてる場合じゃないね。

ラテを片手に退店。

歩きながら、それでは午後1時15分ジャストに「呪い」と返信。

ハッホハッホとちょっと強歩で帰ることになった。


東条明流は二本木真穂に貼りついていた。

「集め人」から画像が送られてきていた。

本庁舎5階のエレベーター前でスマホを見るふりをして待っていた。

すぐに見つかった。

「呪い」が実行されるまでにはもう少し時間がある。

ゆっくりと尾行だね。


区役所の外に出るものだとばかり思っていたら違った。

区役所の1階に食堂があった。

職員食堂だろうか?

一般の人も入れるようなので二本木真穂の後を追う。

わりと混んでいるが離れた場所に座っても目は離さない。

食後に区役所の外に出た。

それとなく尾けていくとコンビニに入った。

こちらの存在には気づいてないはずだ。


しばらく待っているとコンビニから出てきた。

真冬や雨の日じゃなくて良かったよ。

時刻は午後1時9分。

そろそろだ。


二本木真穂は区役所内に戻った。

エレベーターには乗らずトイレに入った。

午後1時13分。


そっとトイレの中を覗いてみると姿がない。

メイク直しではなく完全にトイレのほうか。

個室で閉まっているのは1ヶ所だけ。

午後1時14分。


「呪い人」見角七月美は準備ができていた。

午後1時14分だ。


「恨み晴らしてさしあげます」


右手人差し指から出た針が粘土の胸に突き刺さる。


その瞬間、区役所内1階の女子トイレにいた明流の耳にガンとドアにぶつかったような音が聞こえた。

急いで空いている隣の個室に入ってドアを閉める。

便器の蓋を閉めて上に乗る。

スマホで隣の個室を撮影。

念のため数枚撮っておく。


明流は個室のドアを開けた。

人はいない。

今がチャンス。

人がいない今のうちに脱出。

見つかると後々面倒なことになる。

トイレから出ても人に見つからないように注意しながら区役所の外、区役所のある歌舞伎町の街に出た。

撮影した画像の確認。

二本木真穂が便器に座って前傾姿勢でおでこをドアに押しつけている姿が写っていた。

おそらく放尿している最中に逝ってしまったわけだ。

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