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4-2

朝の挨拶なんかより計画優先だ。

すでに顔は汗びっしょりだ。

これから行うことに対しての汗ではない。

真夏の暑さのせいだと塚本は思いたい。

長田は極度の緊張のためか話をする余裕がないみたいだ。

それでも遅れることなくやって来てるのでヤル気でいっぱいだ。


ここに来るまで、3分だか4分ほどを歩いてる間に人を見かけたのはわずか3名。

2人の中学生が朝から歩いてたって特に怪しまれてはない。

たいしたことじゃない。

そう思いたい。


塚本と長田は矢波の手招きで玄関に入った。

外観からもわかるように中に入っても古さがわかる。

リフォームなどはされてないようだ。

奥に進むにつれてこの家の経済事情がわかる。

塚本も長田もこの家の中には初めて入った。

中学生にだってわかってしまうほど家電なんかが古い。


居間に入るといた。

矢波英房がいびきをかいて寝ている。

周りには缶ビールや焼酎の瓶が散乱している。

おまけにタバコの吸い殻もあって汚くて臭い。


「なんか酷いな。

これがアル中ってやつか···」


長田が小声でささやく。

塚本は返事もせずに部屋の中を物色。

そして窓のカーテンを静かに引く。

外から見られないようにするためだ。

用心する必要がある。

それと音の問題もあるがそれはシミュレーション済みだ。

担当は長田だ。


室内は薄暗くなっている。

完全にまっ暗ではない。

闇に慣れてくるほどなんとなくは見えてくるほどの暗さだ。

その中で3人は準備を始めた。

それぞれの役割分担はできている。

実行に移すだけだ。


塚本が熟睡中の英房の首にロープをゆっくりと巻いていく。

英房はまったく起きる気配はない。

ロープは2メートルほどの犬の散歩用のリードだ。

できるだけ頑丈なものをと探してたら見つけた。

ペットショップで2,000円もしなかった。


「いいか、やるぞ。

3、2···」


塚本の合図のゼロで3人はいっせいに動いた。

塚本は渾身の力でググッとロープを締め上げていく。

長田はバスタオルを英房の口元に被せてうめき声などが漏れないように全力で押しつける。

同時に英房の体の上に覆い被さって身動きできないようにする。

これは矢波も一緒だ。

目標は2分。

やれるならそれ以上。

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