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4-2

新嵩は目覚めた。

体は東海道本線(びわ湖線)草津駅前の隣の南草津駅で眠っていた。

ここでレンタカーを借りた。

住宅地のアパートの駐車場に車は停めていた。

車の中で仮眠を取っているといったていを装っていたので長時間でなければ大丈夫なはずだ。

例のおじさんは現地調達だった。

名前も知らないしどこの誰かなんてどうでもよかった。

気をつけたのは爆発に巻き込まれないようにしなければならないという1点のみ。

作戦が成功しても戻れる体が被害にあってしまっては元も子もない。


目覚めた新嵩にはゆっくりしている暇はない。

もうひとつやらなければならないことがある。

スマホを手に取った。

財務省の各階に仕掛けておいたセムテックスを起爆させるようにスマホと連動させておいた。

これでスマホからの電波が届きさえすれば遠隔操作が可能だ。

新嵩はなにも躊躇ためらうことなく起爆スイッチを押した。

これが今回の仕事だ。

仕事に個人の感情を持ち込むことはいっさいしない。

数百年前から続く鉄則を守ることは体に染みついている。

仕事の依頼は財務大臣の暗殺、特に誰を狙うわけではないが財務省の建物の爆破。

これで仕事は無事に終わった。


警察としては財務大臣の街頭演説爆破事件と財務省の爆破事件は同一犯だと考えている。

ともに財務省が絡んでいてほぼ同日同時刻に犯行が行われているからだ。

さらに一連の自爆テロ事件も同一犯、同じ組織なりが関与しているものであると認識はしている。

ただし動機や目的などは不明。

犠牲者の人数や身許も不明。

もちろん犯人に関してもすべてが不明。

わかっていることは、おそらくセムテックスが使われていたとかコピー銃が使われていたとかだけで非常に少ない。

そのようなものがどこから国内に持ち込まれたのかも調べてみてもまったく手がかりも掴めずといった散々な結果で終わっている。

確かに事件はあった。

だがすべてが謎のままで捜査はいったん終わってしまっている。

死者数もわからないまま(推定では数千名)といった前代未聞の未解決事件となってしまった。


この事件以降、爆破事件はパタッと止まった。

弓削新嵩と冴島流希の消息も人知れず消えてしまった。

表舞台に現れて世の中を震撼させるのはまだ先のお話になる。

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