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助けた人は龍で、騎士で、美形貴族  作者: たかむら
第四章 戻ってきました、龍の国
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手編みのセーター



 リュシアンと小春が邸を空けている間、米と醤油を育てているバロメッツの毛がもこもこに成長していた。彼らの体は大きく膨れ上がり、ぼふ~ん、もふ~んと緩やかにぶつかり合い、その度に遠くへ飛ばされてしまった彼らを使用人達が捕まえるという新たな仕事ができていた。

 使用人達を一番悩ませたのはバロメッツをどうやって捕まえるかだ。バロメッツとはそもそも若草色の精霊から加護を受けた者しか呼び出せない特殊な生物で、その生物に触れることができるのは何らかの精霊から加護を受けた者だけだ。よって精霊の加護を受けた事の無い使用人達は、風魔法を駆使しながら何とか邸から出さないよう食い止めるので精一杯だった。


 その報告を受けたリュシアンは小春を連れ、畑へと向かう。世話師猫、カーバンクル、執事頭のユリウスも一緒だ。小春はもこもこに膨れ上がったバロメッツを見て驚いた。



「うわ~!大きな綿あめみたい」

「さて、どうやって刈るか」

「普通にハサミでカットじゃ駄目ですか?」

「昨晩試してみたが毛が柔らかすぎて刈れなかった」

「柔らかすぎて?」



 小春は小首を傾げ、リュシアンは氷魔法でハサミを創りだす。受け取った小春はバロメッツの毛をジョキンと切ろうとした。だが毛は刃をすりぬけ、もふん、とバロメッツの体に戻った。



「うわぁ~。すっごいもふもふ」

「刈れなかっただろう?」

「はい。どうしましょうか」

「にゃっはー!」

『ブンジができるって!』



 リュシアンの肩で寛いでいたカーバンクルが言葉を訳し、小春が世話師猫にハサミを渡す。受け取った世話師猫はハサミを鞄に仕舞い、1メートルを超える馬鹿でかいハサミを取り出した。



「そんな大きなハサミで切るの?」

「にゃっ!」



 元気良く返事をした後、バロメッツ達に整列するよう呼びかける。そしてなんとも言えぬ早業で毛をばっさばっさと刈っていき、リュシアンは『こんなに雑で良いのか』と言い、ユリウスは『ほとばしるヤケクソ感ですね』と異様な光景に驚きながらもそれぞれに感想を述べた。

 世話師猫が毛を刈り終わったあと、その毛を回収しても良いかと小春がリュシアンと世話師猫に尋ねる。許可を貰った小春はいそいそと大量の毛を一か所に集め、世話師猫に何かを耳打ちした。




「リュカさん、私と文二は用事ができたので前に私が使ってた部屋に戻りますね」

「用事?」

「はい」

「その部屋でないと出来ない事か?」

「ん~そうですね?」

「聞いているのはこちらなんだが」

「時間が惜しいゆえさばらにゃ」




 小春と世話師猫は転移魔法で姿を消し、以前小春が一人で使っていた部屋に姿を現す。置いてけぼりをくらったリュシアンはその部屋がある方向に目をやり、一つ溜息を吐いてから元のサイズに戻ったバロメッツを撫でた。


 部屋に着いた小春と世話師猫は刈ったばかりの大量の毛を床に置き、それを世話師猫が糸状に紡いでいく。これは魔法ではなく世話師猫サイズの糸車で行っている。魔法でパパっと糸にすると思っていた小春はその姿を見て疑問を抱いた。



「魔法でやらないの?」

「やらにゃい」

「そっか」



 熟練の域を超えた世話師猫の手さばきで大量の毛はあっという間に糸になり、小春は慌てて毛糸玉作りに取り掛かった。小春と世話師猫が今からしようとしているのは手編みのセーター作りだ。この発想に至った理由は邸に帰ってきた当日、小春がリュシアンに雲入りの小瓶をプレゼントせずに使用人達だけに渡してしまったからである。自分には無いと知ったリュシアンはその夜、盛大に拗ねてしまった。このセーターはその詫びと言う訳だ。

 毛糸になったバロメッツの毛は上質で柔らかく、触り心地も良い。また熱伝導率が低いため外気を遮断し暖かさを保つほか、肌周りの湿度も快適に保つ。小春はバロメッツに関する豆知識を世話師猫に教えてもらいながら作業を進め、色染めと天日干しを済ませたあと、再度毛糸玉に戻してからセーターを作り始めた。



「にゃ!そこは隣の滑り目を二目一度にゃ」

「こう?」

「違うにゃ。こうにゃ」

「こう?」

「ん」



 世話師猫は魔糸紬(ましつむぎ)ではなく、手編みを教えている。特に理由はない。

 手編みのセーターといえば、一着作るのに最低でも一週間はかかる。それを今日中に作りたいと小春が言いだしたため、世話師猫はその無理難題に答えるべく編み物講師も驚くほどのスパルタで指導した。


 外はもう完全に陽が沈み、星が見える。何度も間違える小春に厳しく指導した甲斐あってか、ただの糸だったものがセーターへと形を変えた。完成したセーターを見て小春は嬉しさのあまり両手を上げて喜ぶ。



「完成ー!」

「疲れたにゃ」

「そうだね。でもきっとリュカさん喜んでくれるよ。持って行こ?」

「にゃ」



 世話師猫は『よっこらせ』と言って立ち上がり、セーターを持って幸せそうに微笑む小春を見上げる。世話をした甲斐があったなと満足そうにひと鳴きし、姿を暗まして彼女の後を追った。



***


 一方その頃リュシアンはというと、カーバンクルと一緒に邸にある図書館で調べ物をしていた。小春は調べ物をしているリュシアンを見つけると、早速セーターを着てみてほしいと言って手渡す。




「これは、何処かで買ったきたのか?」


「今編んできたんです。バロメッツの毛で編んだセーターですよ。誰とも被らない世界で唯一の一品です。なので、小瓶の件はチャラになりませんか?」


「そうか、ありがとう。大事に飾らさせていただくよ」


「いや着てください」


「勿体無くて無理だ」


「着てもらう為に作ったんです。ほら、はやく早く」




 小春は急かしてリュシアンにセーターを着させ、サイズはどうかと聞く。




「どうです?大きくないですか?」


「丁度良いよ。着心地も快適だ」


「それは良かったです。リュカさんは本当に何でも着こなしますね。すっごく似合ってます」


「ふふっ。ありがとう。この服には魔法の痕跡が見られないが、どうやって作ったんだ?」


「手で編んでいったんです」


「手で?それにバロメッツの毛色とは違うようだが」


「それは文二にお願いして色染めを手伝ってもらいました」


「そうか。綺麗な銀白色だな」


「本当はリュカさんの髪と同じ色にしたかったんですけど、難しすぎて諦めました」


「その気持ちだけで嬉しいよ。私はこれが良い。コハルの始めてが沢山詰まったこの服が良い。大事に着させていただく」


「喜んでもらえて良かったです」


「うん」




 リュシアンは珍しく頬を染め、誰もが見惚れる様な笑みを浮かべた。その表情にドキっと胸を鳴らした小春はそっぽを向こうとする。だがリュシアンの腕の中に優しく閉じ込められ、頭から湯気が出る程の愛を囁かれた。


 それから一ヶ月、リュシアンは仕事の日以外、毎日彼女が編んだセーターを着て過ごしている。静電気で髪が広がらないよう地面に着くくらい長かった髪は短くし、暇な時はセーターの感触を楽しんでいる。今日は邸にある執務室で書き物をしており、最悪な事にセーターにインクが跳ねてしまった。普段なら使用人に洗濯を頼む所だが、これは小春が自分の為に一から作ってくれたセーターだ。そのため自らが洗濯しようと立ち上がり、執務室から出ようとした。




「若様。如何されましたか」

「セーターにインクが跳ねてしまった」

「メイドを寄越します」

「その必要はない。これは自分で洗濯する」

「では洗浄魔法を掛ければ宜しいのでは」

「私の手でやりたいのだ」

「畏まりました」




 ユリウスは主人の行動の意味を理解しながらも意地の悪い返事をし、リュシアンの口からどんな言葉が出てくるのかを楽しんでいる。彼は今までずっと、リュシアンがこの世に誕生して来たその瞬間から一番近くで見守ってきており、長い時間(とき)を一緒に過ごしてきた。その主人の成長に心から『大きくなりましたね』と呟き、優しい笑みで見送った。しかしその数分後、邸はその主人によって危機を迎える事となる。


 リュシアンは庭に出てセーターを水洗いし、早く着たいがために魔法で雑に乾かした。すると2サイズくらい小さくなったセーターが出来上がってしまった。その事に焦り急いで転移魔法で執務室に戻り、ユリウスに何故かと理由を聞く。そしてもう二度と元の大きさに戻らないと知ると大きく絶望し、その場に膝から崩れ落ちた。

 


「若様っ」

「…」



 リュシアンは両手でセーターを握り締めたまま返事もせず、ただただ体中から冷気を漏らしていく。短かった髪も本来の長さまで伸びていき、角も鱗も露になる。その姿に焦ったユリウスは直ちに使用人らを避難させようとした。しかし間に合わず、邸は徐々に凍り始め、ユリウスの足も凍り始めていった。


 別室にて専属メイドのルイーゼが凍り、邸全体の異変に気付いた小春は急いで執務室へと向かう。そして足が凍り始めているユリウスを発見し、体中から冷気を放ち邸を凍らせている元凶のリュシアンを見て『うわっ美しっ!あれ?髪伸びてる!?』と場違いな発言をした。





「コハル様!?ご無事でしたか」


「ユリウスさん大丈夫ですか!?腰まで凍ってますよ!」


「私の事などどうでも良いのです。コハル様がご無事で安心しました。足を千切ろうと思いましたが凍てつく方が速く敵いませんでした。若様は今危険な状態です。若様の目を覚まさせてあげてください。番であるコハル様なら出来るはずです」


「で、できるって何をどうすればっ」


「後は、頼みましたよ」





 口早に言い終わるとユリウスは小春を安心させるよう、笑顔のまま頭の天辺まで凍りついた。その姿を見て小春は青ざめる。すぐさま他に誰か動ける者は居ないかと走って邸内を探したが、彼女以外の者は邸も含め全てが凍結していた。自分だけがこの環境下で動けるんだと分かった彼女は息を切らして執務室に戻り、リュシアンと対峙する。


 最弱である小春だけが唯一身動きがとれている理由は二つある。一つは幾重にも守護魔法が掛けられ守られているからと、もう一つは小春に精霊の加護があるからだ。

 リュシアンのこの冷気は精霊によるもので、彼は銀白色の精霊から加護を受けている。この精霊の恩恵は時を操る事ができる。止める事も、進める事も、戻る事も可能だ。恩恵が強力であればあるほどその人物の精神が揺らいだ時、加護を与えた精霊も一緒に堕ちてしまう。銀白色の精霊が堕ちた時、加護者は全ての生きる時さえも止めてしまう。精霊の力は強大な故に恐ろしいモノなのだ。

 そもそも精霊が誰かに加護を与える時、それはその相手の心と繋がる時だ。加護を与えた者の感情が精霊には直接流れ込んでくる。それゆえ精霊は簡単に誰にでも加護を与える訳ではない。精霊は加護者が絶望すると、その想いに引っ張られて絶望する。絶望した精霊はその能力を暴走させるので今までは世話師猫が面倒を見ていた。


 今回暴走による凍結が早いのはリュシアンが元々氷竜の為、より強力な形となって精霊と共鳴し邸一帯を凍らせている。あと半日もすれば国土の四分の一は凍結するだろう。

 彼が絶望してしまった理由は、まさしくセーターが縮んでしまった事にある。リュシアンは何千年と生き、やっと奇跡的に番と出会えた。本人は本能ではなく、自身が心に決めた一緒になりたい相手だと主張しているが、二人は正真正銘の”番”だ。その大事な番から初めて貰ったプレゼントを自分の手で台無しにしてしまった。その事に絶望してしまったのだ。大事に大事にしている妻からの初めてのプレゼント。それを自身の手で壊してしまった事に耐えられなかったのだ。



 小春は意を決し、リュシアンに近づく。




「何やってるんですかリュカさん!うわっ目の焦点あってない!」


「…壊してしまった…」


「壊して…って、いったい何をですか?」


「コハルの、初めてが詰まったモノを、壊してしまった」


「もしかしてこの縮んだセーターの事ですか?」


「もう手遅れだ…」


「前みたいに時間を巻き戻す魔法使ったらいいじゃないですか」


「それでは駄目なんだ…」


「こういう時にまで頑固発動させないでください」




 

 小春の声は彼に届かず、空間を捻じ曲げてサバトラ柄の世話師猫が姿を現す。





「これ以上は危険にゃ。にゃーが精霊を落ち着かせるゆえ小春は子龍を頼む」

「どうすれば良いの?」

「説得あるのみにゃ」

「えぇ!?それだけ!?」

「ガッツにゃ!」

「いつも勢いばっか!」

「では行って参る」

「ま、待って」




 小春の制止も聞かず世話師猫は姿を消し、完全に凍ってしまった部屋の中で小春は必死に声を掛け続ける。




「リュカさん!」

「…」

「目を覚ましてください!」

「…」

「たまに鬼畜だけど普段は優しいリュカさんに早く戻ってください!」

「…」

「おーきーろー!」

「…」



 頬を叩いても、熱湯をぶっかけてもリュシアンに反応は無い。

 意を決した小春は深呼吸し、気持ちを整える。


 授業で教えてもらった事、実戦で培ってきたもの。全てを頭の中で組み合わせ、自分なりの答えを導き出す。




「目ぇ、覚ませぇえええええ!」



 

 愛に勝るモノなし。と強く想い、炎属性の魔石が嵌めてある指輪に古の御業を掛け合わせ、邸ごと炎で包み込んだ。これが彼女なりのガッツだ。

 炎は荒々しく燃え広がり、一気に邸内に若草色の炎が走る。それはマグマのような熱さではなく、陽だまりの様な優しい暖かさだ。炎が邸を覆いつくすと僅かにだが氷が溶け始め、それと呼応する様にリュシアンの瞳にも正気が戻り始めた。




「リュカさん!」


「…」


「これ以上暴走すると国中が凍ってしまいますよ!」


「俺は、過ちを犯してしまった」


「そうですね!今まさに犯してます!」


「もう、二度とセーターは元に戻らない」


「セーターはまた編みますから!早く正気に戻ってください!ていうか会話してください!」


「失いたくないのに、己が手で壊してしまった」


「壊れてないです!縮んでるだけです!」


「コハルに嫌われてしまう」


「全然こんな事では嫌いになりません!むしろ今のリュカさんの方がちょっと嫌です!セーターならまた編みますから機嫌直してください!」


「コハルは、嫌いに、ならない…?俺を、許して、くれるのか…?」


「許すも何も最初から怒ってません。勝手に決めつけないでください!」


「…ッ」





 リュシアンの瞳に完全に正気が戻り、邸中の氷が一気に粒子となって消え去る。それと同じタイミングで世話師猫も戻り、精霊の加護を受けた者が容易く心を乱すなとリュシアンを叱りつけた。


 邸内では氷が溶けた使用人から仕事に戻り、いつも通りの日常が動き出す。ユリウスも氷が溶け、叱られている主人をみて苦笑した。しかしその後、リュシアンは高熱を出してその場に倒れ込んでしまった。



「リュカさん!?」

「若様ッ!?」



 ユリウスが主人を寝室に運び、世話師猫が白猫に姿を変え診察する。診断結果は小春からの愛情不足だった。



「私!?」


「そうにゃ。龍族の愛情表現を小春が拒む故、子龍は不安定になっておったのじゃ」


「それは、すみませんでした」


「小春はもろもろのよわよわゆえ龍族の愛情表現に耐えられぬのも理解しておる。じゃが接吻や目合(まぐわ)う事は可能である」


「まぐわう?」


「お互いの体を重ねる行為の事じゃ」


「なっええ!?」


「お主はもう子龍の妻なのじゃ。覚悟を決めよ。別に龍体化した子龍と目合えと言っておる訳ではおらん」


「でもっそのっ」


「このまま愛情不足が続くと子奴は分離不安症になるが、それでも良いんじゃにゃ?」


「それは駄目。絶対良くない」


「では最低でも一週間、片時も離れず傍に居てやるにゃ。そうすれば子奴も安心する。元々精神力が高いゆえ今はそれで収まるにゃ」





 診断を終えると世話師猫はカーバンクルとユリウスを連れて席を外し、寝室に二人だけを残した。





「リュカさん、私が不安にさせてたんですね。すみません」

「はぁっはぁっ」




 呼吸を荒く繰り返し苦しそうに眠るリュシアンに、小春は申し訳なさそうに謝る。そして自らリュシアンの唇にそっと触れた。



***



 翌朝、リュシアンはいつも通り目覚め、落ち着きも取り戻し、腕の中で眠る愛しい妻の唇に何度も口付けを落とした。目覚めた小春は羞恥心のあまり叫びそうになったが、自分のせいで苦しんでいたリュシアンを思い出し全てを受け入れる。ただしこれからという所で世話師猫の邪魔が入り、龍族においての赤ちゃんづくり講座が始まった。



「え?違うの?鬼人族の国へ行った時にリュカさんは一緒だって言ってたよ」


「正確には二通りあるにゃ。ヒト()の姿であれば一緒である。しかし龍体化した時は違うにゃ」


「どう違うの?」


「胎児として産まれるか、卵として孵るかにゃ」


「卵!?」




 小春は目を見開いて驚き、リュシアンを見る。




「龍族の出産割合は半々だと聞く。私は胎児として産まれてきたそうだ。新生児の頃の写真をユリウスが持っている。産卵は、そうだな…身近な存在で言えば特務部隊に所属している双子龍がそうだったはずだ。確か孵った時の殻をアクセサリーケースにしていると言っていた」


「そ、そうなんですね」


「コハルが望むのなら龍体化しても構わない。だが、その、負担が大きいと思う」


「私ってそもそも卵を産めるんですかね」


「ニンゲンの体の構造が分からないから何とも言えない。それに、そもそもの話し、私のが入らない事には孕む事すら出来ないと思うのだが…」


「まさか龍体化した時のサイズのこと言ってます?」


「そうだ。負担を掛けないよう出来るだけ矮小化する努力はする。だが、それでも厳しいのではないか?」


「因みにどれくらいまで小さくなれますか?」


「馬くらいが限界だ」


「でかい」



 話し合うまでもなく、龍体化での夜の営みは却下となった。

 



今年も一年、読んでいただきありがとうございました。

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