1-3 Fランク冒険者、Sランク冒険者と共闘する 2
俺はゴブリンの首を跳ね飛ばした。
ゴブリンの汚い血が宙を舞うが、返り血を浴びないよう、風魔法で吹き飛ばす。
(返り血は臭いからな〜。洗濯するのも大変だし)
場違いなことを気にしていると、リンネさんが。
「――アーク、ハイゴブリンがいるわ。気をつけて」
……確かにいるな。視界の端に、普通のゴブリンより一回り大きいゴブリンがいるのが見えた。
あれが、ゴブリンの上位種――ハイゴブリンか。
スキル『魔力感知』では違いがわからなかったが、ハイゴブリンは少し離れた場所でこっちを伺っている。
だが、まずはゴブリンを先に倒そう。
「リンネさん。ハイゴブリンがいること、教えていただきありがとうございます! それと、ハイゴブリンの警戒をお願いします!」
「わかったわ!」
パーティーのありがたみが本当にわかる。
ソロだと、誰かに頼ることはできないからな。
まあ、パーティーを組んだら組んだで、別のことに気を使わなければならないという話をよく聞くが……。
ソロである俺にはよくわからない話だ。
(この戦闘が終わったら、リンネさんをパーティーに誘ってみよう)
先日、リンネさんはパーティーから追放されたばかり。Sランク冒険者とは言え、心は傷ついている。
俺にその傷を癒せるかはわからないが、俺とパーティーを組むことで、少しでも心を落ち着かせることができれば嬉しい。
(そのためには、弱いところは見せられない!)
風魔法・風靴の出力を上げる。
正直な話、もう残りの魔力は少ない。
短期決戦だ。魔力が切れる二十秒ぐらいまでには、蹴りをつけたい。
俺は二つ目の固有スキル、『明鏡止水』の使用パーセンテージを十パーセントから三十パーセントに引き上げる。
さっきまで感じていた雑念がほぼ消えた。
リンネさんにかっこいいと思ってもらいたいとは思っているが……。
(顔には出ていない……よな?)
残っている九匹のゴブリンが、俺を殺そうと囲む。
リンネさんに危険を感じないのか、ノーマークだ。
リンネさんは『補助魔法』を主に使う魔法使いなので、ゴブリンの頭が悪くて助かる。
気持ち悪い声を出して、ゴブリンが一斉に、手に持つ棍棒で殴りかかったきた。
それを危なげもなく躱して、ゴブリンの生首を量産していく。
連携は全くできていないため、捌くのは簡単だ。
俺は一気に周りにいるゴブリンを片付けた。
残りはハイゴブリン一匹のみだ。
(――『縮地』!)
俺はハイゴブリンの死角に回り込む。
スキル『縮地』は、対象の死角に滑り込むことができるのだ。
(――『魔力付与』)
剣に魔力を纏わせた。魔力は人それぞれに色があり、淡い緑色をした魔力が揺らめいている。
俺はハイゴブリンの首に狙いを定め、振り上げた。
振るわれた剣を通じて、肉を、骨を断ち切る感触が手に伝わる。
そして、胴体から切り離されたハイゴブリンの首が、血を撒き散らして、宙を舞った。
お読みいただきありがとうございます!
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
していただけたら、作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!