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1-2 Fランク冒険者、Sランク冒険者と共闘する

 リンネさんが勇者パーティーのSランク冒険者、『白の大賢者』だと知った俺は平謝りしていた。


「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい〜!」

「急にどうしたの? 大丈夫?」

「大丈夫じゃないです〜! Fランクの分際で、リンネさんの悩みを聞くなんて、調子に乗りすぎました!」


 Sランク冒険者はFランク冒険者にとって、目の上のたんこぶ――ではなく、雲の上の存在だ。

 それだけでも尊敬に値するというのに、加えてリンネさんは、勇者パーティーの一員だという。


 正確には、『だった』が正解なのだが……


「サインください!」


 俺には関係がなかった。


 サイン色紙とペンを懐から取り出して、リンネさんに差し出した。


「どこから出したの、それ……」


 リンネさんが若干引いてるような気がする。

 

(あ〜、嬉しい! 憧れの人が、俺を見て引いてくれてる! 無関心じゃないのが嬉しい!)


 そうこう思ってるうちに、リンネさんはサインしてくれた!


「宝物にします! うお〜!」


 俺は一生の宝物と決めたサインを掲げる!


 俺にはそれが輝いて見えた。


「――アーク! 後ろ――」


 俺の名前を読んでくれた⁉︎ 嬉しい!

 

 ……と、喜ぶのは後にしよう。


 俺は背後に迫っているゴブリンの攻撃を()()に、最低限の動きだけで躱した。


「何だよ! やめろよな〜。俺は今、幸せを噛み締めてるんだからさ〜!」


 振り向きざまに、腰のベルトに挟んでいる鞘から剣を抜き、首を斬る。


 俺としたことが騒ぎ過ぎたみたいだ。

 ゴブリンの群れが襲ってきている。

『魔力感知』を解除していたから、気づくのに時間がかかってしまった。


 反省しなければ。


「あなた、本当にFランク冒険者なの……?」

「正真正銘、Fランクですよ? なので、リンネさん、バックアップよろしくお願いします!」


 俺はスキル『魔力纏い』で身体を強化する。

 スキル『身体強化』とは違い、自動的に魔力を纏うわけではないから、非常に扱いづらいスキル。

 だが、ステータスの低い俺が戦うにはほぼ必須!


 そして、スキル『魔力感知』でゴブリンを索敵!

 ……数は十、いや……十五ぐらいか?

 それぐらいなら、リンネさんがいれば余裕だな。

 

「後で色々、話聞かせてくださいよ! ――筋力強化、――耐性強化、――器用強化、――敏捷強化!」


 リンネさんの十八番とされる『補助魔法』が、淡い光となって、俺を包み込む。

 身体中から力が溢れ出てくる感覚。

 初めての感覚だが、俺は……涙を流していた!


 魔力は体の一部。つまり、俺はリンネさんに抱かれているということに等しい!


「この感動! ゴブリンにぶつける――!」


 迫り来るゴブリンの群れ。俺たちは囲まれている。

 しかし、今の俺に敵は無し!


「――風魔法・風靴(ウィンドブーツ)!」


 三つ所持している固有(ユニーク)スキルの一つ、『風魔法・初級』を応用したオリジナルの魔法。

 足裏に風を発生させ、摩擦を減らして加速させるだけの魔法だが――


「――ゴブリンには見えない!」


 俺は決められたルートをなぞるように、ゴブリンの首を跳ね飛ばしていった。

 


 

 

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[良い点] 2話で「いまだに魔物を倒したことがない」と言いつつ3話で当たり前みたいにゴブリンを倒してしかも平然としているのはどうしてなんですか?
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