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シナリオは崩壊しました。自由に生きてもいいですよね?  作者: 雪結び
日常です〔六歳〜〕
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こたつごもり

久しぶりの投稿です。

最近暑くなってきましたが、今回は冬のお話です。

 いくら晴れているとは言えど、寒いものは寒い!!

 十二月ですよ?防寒なんて、幾らしていても足りないに決まってるでしょ。


 というわけで、私は最近、ずっと聖城のこたつに籠もっている。

 アデラからもらった猫(命名・シアン)もよく丸まってるよ。可愛い。

 こたつに入ると出られない。こういう時、魔法って便利だなぁ、って思う。(サボり癖)


 いや、流石に最低限の義務はこなしてるよ?

 一日駆け回ったりもするし、書類なんかもこたつでやってるから。


 後は、蜜柑食べてる。蜜柑好き。チョコレートの次くらいに好き。

 夏でも同じような蜜柑取れるけど(温室ならぬ冷室)、蜜柑はこたつで冬だよね。


 まあ、流石に快適でもこうしていると暇なわけで。

 偶に隙を見てはテオ様達が遊びに来てくれるんだけどね?仕事優先してくださいって言っといた。

 アデラやルカも来てくれるんだけど、私みたいに毎日来るわけじゃないしなぁ。


 だから、私は猫と一人、寂しく戯れている。

 ………実際はめっちゃ楽しい。シアンが可愛いから、見てるだけで楽しい。


 朔夜の時は頭まで中に入って、寝たりしてたんだけどね。(風邪はひかなかった)

 流石にドレスでこたつは気が引けるから、ジャージ的な何かを着てる。

 だけど、リラに諭された。粘ったおかげで、寝転ぶのまではオッケーになったけどね。


 ……………暇だぁ。

 幾らシアンが可愛いと言っても、寝てるし長時間見ているだけだったら暇だ。

 かと言って、仕事をしているヨモギ達を誘うのもなぁ。


 ぼっちだから、一人遊びは慣れてるはずなんだけど………。

 ゲームは作る工程で全部内容知ってるし、本は持って来てるけど………さっき読んじゃったし。


 仕事でもすれば、って思うかもだけど、わざわざ火の中に飛び込みたくない。

 辛いんだよぉおおおお!

 一応、別の場所でするって事で、免罪符として多めに持って来てはいるから!

 そしてそれが終わったから!


 皆、普段何してるんだろう。

 あれかな、お茶会とかやるのかな?


 コミュ障三歩手前くらいの私には無理だよ。話しかけはするけど、会話が続かなくて後悔するから。

 しかも、話しかけるのに体力とメンタルが吸い取られていくから。

 落ちのある話もできないし。初対面だと趣味とか知らないし。


 無理無理無理。リヴァ達は、あくまでアデラがいたから仲良くなれたしね。

 アリス?転生者って知ってたら、それだけで親近感枠でしょ?

 ルカ?トワから頼まれてたし、まだ相手五歳って認識できたから。

 今はね、精神がこっちに引きずられて、更に人見知りが追加されたから。


 そう言えば………。

 私達って、社交?的なのは全然してないけど、いいのか?

 いや、アレクシスとか、ミラとか、男女共に身分上の方の友達はいるけど。

 一定の人としか関わってない、って不安だなぁ。

 流石に、全員友達!みたいなのは無理って知ってるけども。


 っていうか、私、王女っぽい事って、仕事しかしてないんだよね。

 いや、見た目は王女に見える……見える?かもだけど。

 …………いや、大丈夫、なはず………???


 先ほど剥いた、三個目の蜜柑を頬張りながらだら〜っと過ごす。

 冬休みを思い出すよ。宿題を最低限だけやって、後はこたつで蜜柑を食べながらまったり。

 お婆ちゃんがよく蜜柑やらブルーベリーやら苺やらのフルーツを送ってくれるんだよね。

 あのジャムは美味しかった………!


 ……………駄目だ。

 時間を無駄にしている気がしてならない。

 適度に忙しいのが一番楽しいんだけど。

 ずっと何もしてないのは辛い。何しよう。


 私が唸っていると、扉が開いた。

 そこからは、カシワが顔を覗かせていた。


「どうしたの?」


「あの………

 洗い物をしようとしたら、何かが弾けるような音が……」


「防水つけ忘れた!!!」


 アレでしょ?

 電気の音みたいなやつでしょ?

 まずいまずい!!


 カシワの修理、改善と共に、他にも忘れた機能がないか思い出す。

 防菌や防カビはしておいた方がいいよね。あ、髪の毛に保護魔法かけとかないと腐りそう。

 服には一応自動洗浄。傷ついた時ように修繕魔法も重ねてかけておこう。


「……よし、これで大丈夫かな

 また問題があったら言ってね?」


「はい

 失礼します」


 そして空気に混じり、消えていくカシワ。

 私の周りには、忍者がいっぱいいるよ。情報筒抜け。………ありそうで怖い。


 ………そういえば、シアンは水とか駄目なのかな。

 猫型ってなると、汚れたりしそうだよね。(動き的に)

 シアンの方にも、除菌消毒、自動修繕、防水防カビ防菌辺りはかけておこう。


「………暇だぁ」


 寒いから出たくない。

 だけど、暇すぎるのも辛い。


 ………よし、遊びに行こうかな。


 決断するまでに三十分。

 こたつ、恐ろしや。


 何とかこたつから抜け出し、外出着に着替える。

 流石にジャージで行くのはね。いや、アリスのとこに行くつもりだし、気持ちの問題なんだけど。


 アリスと……後、運がよければグレース達にも会えるかな。

 一応アリスは里長の娘って事で、手伝いなんかはしてるらしいけど遊びに行く許可はもらってる。

 まあ、もらってなくても嫌って言われなかったら行くけど。


 スマホの不具合もあまり届かなくなってきた。

 アリス達も満足そうだったし、問題はなさそう。

 そういえば、売り出したんだけどね。

 スマホは私とアデラが使ってる、っていう評判のおかげで(そもそも制作者なんだけども)飛ぶように……とはいかずとも、結構な売り上げを見せた。折り紙や編みぐるみは、お婆さん世代に人気らしい。楽しいよね。


 ヨモギ達に挨拶をして、飛ぶ事数分。

 エルフの里到着。

 何度も来たおかげで、道を覚えてしまった。

 ………まあ、証(エルフの里の住民、もしくは重要人物などに渡される。これがないと、森を彷徨う事になる)をもらったから迷わない、っていうのもあるんだけど。


 …………………帰ろうかな。


 里の入り口に到着した瞬間、私は今日此処に来た事を後悔した。

 いや、まあ、多少苦手意識は消えたけどね?

 完全に払拭するのは難しいんだよ。

 信用は、失うのは早いけど取り戻すのは時間がかかるって言うしね。


 頭の中で嘆いていると、気づかれてしまった。

 目が合ったし。

 さて、此処でどうするか。

1、挨拶

2、無視

3、Uターン


 3しかないよね。

 というわけで、踵を返す。


「えっ、ちょ、待って待って!

 この前は本当に悪かったって!!」


 じと目で見ておこう。

 軽いから信じられない。


 此処にいたのは、ハロルドさんだ。

 何で此処にいるの?そもそも入れることが不思議でならない。

 しかも、この前みたいに仕事ほったらかしてきたわけじゃないよね???


「…………はぁ

 どうして此処にいるんですか?」


 今のため息には、全力の呆れと怒りが籠もっていたはず。

 多分、嫌悪の表情を隠せていないと思う。

 そもそも、私は適当で軽い人が嫌いだ。誰しもそういう一面は持ってると思うし、全否定するつもりもない。


 だけど!!

 だけどアデラに許可なく近付いたのも、触れたのも許し難い!!

 本当なら、一切話すらしたくないくらいだよ。

 まあ、本当に悪い人ではないみたいだし、アデラが許したから、この態度は半分冗談なんだけどね。

 ルカとアデラ以外には分からないと思うよ。だって残り半分が表に出張ってるから。


「いやいや、一応俺も仕事で来てますから!

 土専門で、エルフの里に応診みたいな感じなんですよ!!」


 謎に敬語。

 まあ、たっぷり威圧したしね。


 っていうか、土の神かぁ。

 イメージがわかない。いい意味でも悪い意味でも素朴感が見当たらないというか……。

 もっと奇抜なのイメージしてた。


「ふ〜ん?

 アリスに迷惑かけてないよね?」


 流石にないとは思うけど、そんな事してたらいよいよ殴りかかるよ。

 身内に仇なすものは容赦はしない、ってね。父様もこんな感じだよね〜。


「アリス?………ああ、里長の娘さんの

 流石に凝りましたし、そもそもタイプじゃな———」


「蹴るよ?」


「すみません」


 一言余計なんですよ。

 ルカを見習って、無口キャラに転換したら?

 ………駄目だ。凄い口悪くなる。合わないんだよね。


「まあいいや

 じゃあね」


 特に用があるわけでもないし、そのままアリスのところに向かおうとしたら、引き止められた。


「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ!

 俺、今困ってるんです」


「はい?」


「その………帰り道が分からないんですが………」


「は?」


 巫山戯ては………ないみたいだよね。

 んん?もしかして、本当に気づいてない?


「飛べばいいでしょ

 空から此処は見えないけど、街とかなら見えるし

 しかも、神界への道を開けば帰れるんじゃないの?」


「いや、その………」


「はっきり言って」


 問題があるようには思えないんだけど。


「………神界への道を開くのは、上級神にならないと無理なんです

 しかも、人間界からだと、他界には行けません」


 …………え?


「ルカが使えたのは?」


「あいつは規格外です」


「私達は普通に行き来してるよ?」


「空間に転移してますよね?

 そもそも、他界に転移、っていうのも難易度高いです

 それ自体はできますけど、神界は特殊で、転移では行けないんです」


「…………」


 知らなかった。

 そんなルールがあったとは。


「っていうか、今まではどうしてたの?」


「先輩が一緒だったんですけど、今回は一人で来たので」


「で、対策をしてこなかった、と」


「はい」


 駄目じゃん。

 …………しょうがないなぁ。


「三つ選択肢があります」


「っ、はい!!」


 希望を見つけた、みたいな表情だけど、それはどうかな?

 まあ、帰れるのは帰れるんだけどね。


「一つ目。トワかルカを呼んで、手伝ってもらう

 間違いなく帰れるけど、怒られはするだろうね

 二つ目。天空城を通って、神界に戻る

 この場合、母様の許可がいるかな。後、行きたいところまで行けるかは分からないよ

 三つ目。その他。例えば、精霊様の力を借りる、他界で待つ、とかね」


「…………」


 沈黙。

 まあ、因果応報……というか、自業自得だと思うよ?

 ルカもトワも仕事があるだろうし、そもそも変える手段を用意してなかった点で怒られるよね。

 母様の許可は取れるか分からないし、神界にも申請しないと、みたいなの言ってたから、まあバレるよね。

 後は帰れるかすら微妙だしね。


「ひ、一つ目で」


「ルカ?トワ?」


「…………ルーカスでお願いします」


「了解」


 妥当かな。

 でも、ルカは親しい相手になればなるほど、怒る時は怒ると思う。

 予想だけど。

 絞られるだろうなぁ。


『ルカ〜、今大丈夫?』


『………ん、どうしたの?』


『迷子がいるから、引き取りをお願いします』


『………あいつか

 ちょっと待っててね』


 …………ルカの声に、少なからず面倒臭さと怒りと呆れが混じっていたような気がする。

 触らぬ神に祟りなし。私は黙っておこう。

 ………っていうか、よく迷子で察せたよね。


 数分もたたないうちに、ルカがやってきた。

 その顔には不快さが滲み出ている。


「反省文と報告書の提出

 それから、今度からは絶対に上司をつけるようにしておくから

 そもそも、何で誰にも報告しようとしなかった?

 怒られるのは当然だろう」


「すみません」


 ………ハロルドさんが小さく見える。

 でも同情はしないよ?完全に自業自得だし。ルカが怒ってるし。

 ルカの怒り顔は初めて見た気がする。そういう意味では凄いよね。(褒めてはいない)


「ステラ、迷惑かけてごめんね」


「ううん、こっちこそ、急にごめんね

 お疲れ様」


 ……さて、引き渡しも終わったし。

 アリスのところへ行こ————ックシュ。


 …………こたつに戻ろうかな。

 こうして、引きこもりが完成していく。

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