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シナリオは崩壊しました。自由に生きてもいいですよね?  作者: 雪結び
邪神やら聖女様やら〔六歳〜〕
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お城を探索します!2

こんな題名ですが、探索はしません。

 アデラとテオ様が外から魔力を流した事で、閉じ込められる事はなくなった。

 結構怖かったよ。……途中から日記のおかげで忘れてたけど。


「アデラ、ありがとう」


「いえ、当然です

 それに、ここを見つけたのは竜王様ですよ」


「ちょっと魔力の流れが変わってたしね」


 見えるの?感じるの?

 魔力を感じる事はできるけど、それでも体内だけだし、体外まで分かる人は少ないと思う。

 私の周りは凄い人が多いから何人もいるけどね。


「それで、ここは?」


「多分図書室です

 私は聖女様の日記を読んでました」


「儂は城内の罠の一覧を見つけたぞ」


 そんなものが………。

 そもそも、警備が厳重すぎない?入れる人すらいないだろうに。


「あ、これ、マッピングしたんですけど、隠し部屋が幾つかありましたよ

 そのうちの一つにはテレビとかも」


………うん。暇だったんだろうなぁ。

 だってやる事ないでしょ?スマホもない。人もいない。


「それで、どのような事が書いてあったのですか?」


 私は皆に日記の内容を掻い摘んで話した。


「邪神!?

 何で聖女がそれを知ってるんだ!?」


 ………テオ様は、知ってるの?

 聖女様曰く「誰も知らない」だよね?


「テオ様、どういう事ですか?」


 私が聞くと、テオ様はしまった、という風に顔を顰める。

 そしてため息を一つつき、話してくれた。


「昔、そうだね、丁度内戦が始まる少し前だったかな?

 人間界の小さな村に、黒髪黒目の少年が生まれた

 人間界では馬鹿らしいけど、黒は忌むべき色として忌諱されていたんだ

 少年は家族から、そしてそれを見ていた周囲から様々な暴行を受けた。もちろん、精神にも


 そして傷ついた精神につけ込んできたのが邪神だ

 邪神は少年の魂を乗っ取り、世界を壊そうとした


 それを止めたのが神々と精霊だ

 もちろん、僕ら竜族や魔族、天使達も協力したけど、実際にやったのは神と精霊の二人だったそうだよ


 この事は神を除く、全ての生き物の記憶から消された

 僕たちが知っているのは、記憶を消される前に記された書物があったからだ

 だから、この事は誰にも言ってはいけない」


「「はい」」


私とアデラはその気迫に気圧され、頷いた。

 聖女の「あの子」邪神説が信憑性を帯びてきた。

 じゃあ、その少年と金髪碧眼の少女は誰で何処、って話なんだけど………。


「少女はリンネ神じゃないかな?」


 私はそう思う。

 転生されるなんて高位の力を持っているのはリンネ神くらいだろうし、金髪碧眼っていうのも当たってる。

 姿もずっと少女だし。


「でも、口調が全然違いますよ?

 作ってるとしたら、何のために作ってるんですか?」


 そう、そこが疑問なんだよね。

 ウィル様達は何か知ってるのかな?

 二人の方を見ると、二人とも何かを考え込んでいる様子だった。


「うむ、それで間違いないだろう」


 そう言ったのはウィル様。

 何で分かるんだろう?


「何故ですか?」


「…………言えん

 口外禁止の『禁忌』だ」


…………じゃあ。


「言わなければいいなら、書いてください」


 私は手帳を差し出す。

 ウィル様は呆れたような顔をして少し悩んだ後、苦笑してペンを手にとった。


『リンネ神は二代目だ

 一代目は精霊と共に、邪神を浄化させて消滅してしまった


 今のリンネ神は一代目の娘で、一代目のわずかな魂の欠片と融合した結果だ

 話し方は、我らのような関わりのある他種族にバレないよう、わざと作っている』


………リンネ神は、親の仇をも救おうとしたの?

 心まで、神様なんだね。

 ウィル様はそのページを破り、燃やしながら言う。


「本当はこれも駄目なんじゃが、孫みたいなものじゃからのう

 誰にも言ってはいかんぞ?」


「「はい」」


 後手がかりを掴むとしたら………リンネ神と精霊様かな。

 リンネ神は、私たちを「あの子」を救うために転生させたんだよね。

 っていうことは、もう会っててもいいんだけど…………。分からない。


「この事情を知っている精霊様って誰ですか?」


「う〜ん、精霊王殿一人かな

 ただ、ちょっと分かりにくい人なんだ」


「「分かりにくい?」」


 何が?異言語でも話してるの?


「うん

 笑顔が仮面みたいで、剥がれたのを見た事がないんだ

 だから、何を思ってるのか、何が本心なのか

 何も分からない」


「鉄仮面…………

 私の周りに作り笑顔得意な人っていた?」


「…………姉様は仮面を外す側ですからねぇ」


どういう事?

 アデラの言葉を理解できない事が増えてきたんだけど……。


「それで、精霊王様にはどうしたら会えるんですか?」


「君たちの精霊は結構な高位だから、そこから話を通したら大丈夫だと思うよ」


そうなんだ?

精霊の階位とか知らん。


「姉様、このお城はどうするんですか?」


「あぁ、ヨモギ——ロボットに頼もうかなって

 衣奈はヨモギに友達作って的な事言ってたけど………私もロボット作るかな?」


 ならやっぱり人型?女の子かな………。


「衣奈さん?ってどなたですか?」


「あぁ

ネトゲ仲間の聖女様」


「え?ネトゲ?

 …………世界って狭いですね」


 一瞬理解できないような顔をしたアデラだったけど、納得したように頷いてくれた。


「そうだね

 そう言えば、アデラの日本名教えてもらってもいい?

 私は霧宮 朔夜」


「朔夜さん………綺麗な名前ですね

 私は花苑(はなぞの) 彩羽(あやは)です」


 なんか、アデラらしいな。

 花の苑を彩る羽。雰囲気からして可愛い。


「ニホンメイ?

 前世ってやつ?」


「やっぱりテオ様も分かるんですか?

 そのやり方知りたいです」


「………練習あるのみかな

 頑張れ」


 適当!

 ルカも練習したのかな?五歳だけど、ハイスペックだしなぁ。


「ルカもできたし、私も頑張ろうかな」


「ルカ?誰?」


「姉様の最有力恋人候補です」


「違うから!!」


 アデラ、変な事吹き込まないで!

 魔王竜王に言われたら事実になりそうだから!

 いや、ね?ルカが嫌なわけじゃないんだよ。友達としてしか見れないだけで。

 もし政略結婚が一般的だったら友達として、同志としていい未来だったかもしれないけど、天界は恋愛結婚推奨派だから。力を得たいなら、自分で強くなれ!ってね。


「同い年くらいだよね?

 あの地獄の訓練に耐えられるとか………天使凄いな」


「あ、天使じゃないです

 神様です」


「…………え?」


「神様です」


「………そっか

 天使だったら寿命も長いし、あり、なのかな………?」


いや、そこは重要じゃない。

 私にその気はないから。


「っていうか、最有力候補って何?

 そんなに候補いるの?」


「そうですね………年が近い、気の合う方、という事なら

 ルーカス様、アレクシス様、アベラール様、シャル兄さんもですかね?」


「ちなみに関係性は?」


「片思い、片思い、友愛、親愛」


「ちなみに気付いて?」


「ないです

 あ、ルーカス様は一回振られました」


「はははっ!!!

 本当面白いよね!」


「………落とされてる気しかしません

 後、アレクシスは悪友でしょう?」


「ほら、これが通常運転です」


「………いや、可哀想すぎる」


「ですよね〜」


解せぬ。

 アレクシスはアデラが好きじゃなかったの?

 可愛いのに。あ、でもノアール君がいるのか。ならよし。三角関係とか拗れそうだし。


「いや〜、ステラは見ていて飽きないよね

 留学にきたら、僕も学園行こうかな」


「いや、結構です

 というか仕事しろ」


あ、つい本音が。

 前言ってた……スカイヤー?スカイラーさんだっけ?が不憫すぎる。スキュリバさんと話が合うんじゃないかな。飲み会的なの企画してみよう。


「妹さん?

なんて呼べばいいかな?」


「アデラで結構ですよ」


「じゃあ僕もテオでいいよ

 よろしくね」


露骨に無視するな!

 ん?アデラが目を見開いてる。何?


「思い出しました!!

 姉様、『ごかいものがたり』は『誤解』じゃなくて『五界』だったんです!!」


え、あ、はい。

 それは知らなかったけど、何故に今?

 しかも、百歩譲っても魔族、竜族と精霊様は出てこないよね?エルフと神様は出てくるけど。

 私がそう言うと、アデラは大きく頷いた。


「そうなんです!

私達が出る『ごかいものがたり』の正式名称は、『ごかいものがたり 〜天使の奏でるプレリュード〜』なんです!」


 プレリュード……前奏曲、だっけ?

 …………ん?前奏曲?


「お察しの通り、続編があるんです」


「ですよね!!」


 単純に考えたら五本かな?

 私、さらに悪役だったりしないよね?


「ちなみに、ヒロインも攻略対象も悪役も全員違います

 ご安心を」


 良かった。

 後、皆が私の心を読めるのはほぼ確定みたい。


「それから

『〜精霊達の喜遊曲(ディペルティメント)〜』

『〜争いの間奏曲(インターリュード)〜』

『〜異種属による挽歌(エレジー)〜』

『〜神の為の後奏曲(ポストリュード)〜』

 だったはずです


 最初のは精霊界の話で、ハッピーエンドに行きやすい、初心者にお勧めできるくらいの楽ゲーでした

内容も明るめですし、敵キャラも一緒にハッピーエンドのいい話ですよ

 次が魔界の話で、これは内戦時の話ですね

プレイヤーが聖女様の立場になって、誰を攻略するかで戦争の勝敗なんかも決まります。全年齢対象なのでグロとかはありませんでしたけど………精神的にやられます

 次は、はい。挽歌の名の通り重いです。必ず一人は死にます。さらに攻略対象は漏れなく全員ヤンデレ。人間の醜さがたっぷり詰まったゲームとなっています

 最後に、これだけは神「が」演奏してるわけじゃないんですよね、題名。まあ、そんなに関係ないです

これはRPG要素多めの、乙女ゲーは何処行った?的なお話です。邪神も出ていたので、もしかしたら過去の話かもしれませんね。あ、邪神や少年の名前は出てきませんでした


 と、まあ

 こんな感じでした

 現実とは多少なりとも違いが出ていますけど、大体はこの世界で起きた事。もしくは起きることになっているようです」


 ……………。いや、何なの!?

 喜遊曲で明るく、楽しくと思ったら戦争!さらに次はヤンデレゲー!?しかも最後にはRPGが主って!

 ちょっと、いろいろ詰め込みすぎじゃありません?運営さん。


「………アデラ、とりあえず、その話は後で聞く。今は忘れたい」


「あ、はい」


「私は、お城の探索に行ってきます

…………さらばっ!!」


ピシッと敬礼をして、私は図書室から出る。

 頭の中を空っぽにしたい気分です。


 しばらくブラブラと歩いていると、ヨモギを発見した。


「ヨモギ、お疲れ様です」


『カンリシャサマ、ドウナサッタノデスカ?』


「う〜ん

 落ち着きたい気分になったので」


『デハ、コチラヘドウゾ』


 ヨモギは壁にあった姿見を外し、そこの穴を指差した。

 ………忍者屋敷。


 しばらく細い道を歩くと、小さな部屋に着いた。

 そこにはこたつがあった。…………こたつがあった。


「こたつ!?

 どうやって作ったんだろう

 っていうか、今春……」


 私が首を傾げていると、ヨモギは一つのコップを差し出した。


『ココアデス

 ミオリサマハ、ヨクコレヲノンデイマシタ』


「………ありがとう」


 やっぱり、寂しいのは寂しいのかな。


「……………よし、ロボット作るか!」


 私は空間庫から小瓶を出し、たくさんのパーツを作っていく。髪の毛は……………。


「[育毛]」


 自分の髪の毛を伸ばして切ろう。

 そして、工作のようにロボットを組み立てて行く。

 髪の毛は浄化、消毒して………魔法でくっつけるのが一番かな?

 服は……非常用に置いていた変装用グッズのメイド服セットを………。


『アノ、カンリシャサマ?』


 ヨモギは困惑しているようだ。


「あなたの、お友達を増やしましょう

 きっと毎日が楽しくなりますよ?」


 私は笑って、またロボット作りに戻る。


「瞳は………う〜ん、これ使うか」


 私は空間庫から出したインディゴライトを目の部分に嵌める。

 これしか持ち合わせてなかったしね。それに錬金術や魔法がチートだから、組み立てが楽すぎる。釘いらず、接着剤いらず。もう少しで終わりそう。


『タイセツナモノデハ、ナイノデスカ?』


「大切といえば大切だけど、あなたの友達を作る方が大事

 時は金なり、だよ

 無駄にした時間は戻らない」


『…………』


 ヨモギは黙ってしまったので、私はラストスパートだ。

 うっ、人形と分かっていても、生首状態は辛いなぁ。

 魔力回路を組み込んで、魔法人形にしよう。………ヨモギってどうやって動いてるんだろう。


「ヨモギはどうやってエネルギーを得てるの?」


『ワタシハ、ツカワレテイナイ『デンキ』トイウモノデウゴイテイマス』


あ〜、機械か。

 それでもいいんだけど、私は電気を流す方法とか知らないし、大人しくできる方にしておこう。


「できた!!

これに魔力を流して…………」


 私が魔力を込めると、その人形だったモノは立ち上がった。


「あなたの名前は………カシワ!

 どうかな?」


「カシワ…………私は、カシワです

 初めまして、ご主人様」


あれっ!?発音が綺麗。


「二人とも、私のことは朔夜って呼んでくれる?

 ”私”もここにいる、って、実感できる場所が欲しいんだ」


 私はずっと「ステラ」だった。もちろん、それも私だ。

 けど、日本での「私」にも居場所が欲しい。


「はい、朔夜様」


「ショウチシマシタ

…………私もこっちで話した方がよろしいですか?」


「えっ、普通に喋れるの!?」


「はい

澪莉様が『ロボットっぽくない………』とショックを受けていらしたので、先ほどのような話し方になりました」


「………日本人として、すみません

 某猫型ロボットだって流暢に喋ってますし、そのままで大丈夫です」


 あ、後。

分かるかもしれないけど、カシワは柏餅が由来。ヨモギとカシワ。あとはサクラかな?

 これでアデラが作れば完璧。日本人はここに来て、ロボット一台作るべし、なんてね。


「姉様!

 何処ですか〜!」


 すると、何故が頭上からアデラの声が聞こえた。


「ステラ〜、何処〜!?」


 今度は下からテオ様の声。


「ここか」


 そして、目の前からウィル様の声が。

 おお、皆さん息ぴったり。


「帰ろうか」


「………はい!」


 なんとなく楽しくて、私は笑いながら皆と合流した。

 あんまり探索はできなかったけど………また来よう。

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